BONES - Season 2, Episode 3 ====== #25 The Boy in the Shroud ====== * 邦題:「ジュリエットの悲劇」 * 脚本:Gary Glasberg * 監督:Sanford Bookstaver * 初回放映:2006-09-13 ---- ===== 事件概要 ===== ==== ディラン・クレイン ==== ゴミ収集車の中から布に包まれた少年の遺体が発見される。死後約3週間が経過し、顔は判別がつかなくなっていたが、遺体を包んでいた布に顔の痕跡が残っていた。アンジェラがそこから顔を復元し、失踪者データベースで検索すると、氏名はディラン・クレイン17歳と判明。裕福な家庭に住む優等生だったが、3週間前に恋人のケリー・モリスとともに失踪していた。両親は、里子で不良との付き合いもあるケリーとの交際を禁じたため、2人で駆け落ちしたのではないかと疑っていた。 ケリーは両親を火災で亡くし、弟のアレックスとともに里子になっていた。だが里親は、健康問題から2人の面倒をみることが困難になり、ケリーを手放すことを考えていたという。 ディランの死因は高所からの転落だが、身体にはサビついた鉄パイプのような棒で殴られた痕跡が残っていた。また、抵抗した様子がないことから、転落時にはすでに意識を失っていたと考えられた。 ディランの手の中から発見された有機物は、バラの蕾と判明。また、収集車に積まれていたゴミから、遺体を積み込んだ地域が判明する。その地区でボランティア活動をしている夫婦を発見して事情を聞いたところ、ケリーとディランがよく一緒にいた廃工場に案内される。そこにはディランの死を悼むための写真や花やロウソクが供えられていた。 ボランティア夫婦の夫ケヴィンは少女に対する淫行の前歴があり、結婚してボランティアをするようになっても悪癖は治まっていなかった。ケリーを狙っていたケヴィンがディランと争って殺したのではないかという疑いも生ずるが、その直後ケヴィンは射殺体となって発見される。 一方、ディランが握っていたバラは、「ロミオとジュリエットのバラ」と呼ばれるイングリッシュ・ローズであった。これはアメリカの種ではなく、植物園にしかない。ブースとホッジンスは植物園に向かい、そこでケリーを発見する。 ケリーは「私がディランを突き落とした」と認めるが、供述は遺体の状況と矛盾する。ケヴィンが死んだと聞かされたケリーは、ケヴィン殺害をも認めるが、その直後ケヴィンの妻フランシスが自首。少女に近づくために利用されたことに怒っての犯行であった。 証拠とつき合わせて現場を再現した結果、ディランを殴ったのはケリーではなく第3の人物であるとわかる。ケリーは、殴られて窓から転落しそうになったディランを助けようとするが、力が足りずディランは転落死してしまったのだった。ケリーが偽の自供をしたのは犯人――弟のアレックスをかばうためだった。ケリーは里親が自分たちの片方を手放そうとしていることを知り、ディランと駆け落ちすればアレックスが里親のもとに残れると思った。それを知らないアレックスは、ディランに姉を奪われると思って鉄パイプで殴ったのだった。 ---- ===== 感想 ===== 相変わらず意見を対立させているブレナンとサローヤンだが、どうやら今回で一段落してくれそうだ。サローヤンが里子云々を持ち出したのは経験からだったのだろうが、ブレナンが里子だったことはすでに前シーズンで視聴者にわかっていることでもあり、どうしてもサローヤンに否定的になってしまうのはしょうがない。他のスタッフやブースまでブレナンの味方、ということになればサローヤンとしても折れる他ないだろう。とはいえ、身元特定でいきなり「里子」を持ち出したのは早計だったと思うが。前シーズン「ヒーローの死」のウォーレンだって、発見された状況は似たようなものだし、事実ディランはお坊ちゃんだったわけだし。 それに、捜査方針で対立したからといって、いきなりクビとかそういう話になるのが(本気でなかったとしても)気になるところ。研究所の中でそんなことをやっていて、学問の自由は守れるのだろうか。サローヤンが言ったことは、研究所から解雇するということではなく、法医学チームの捜査活動から外す(人類学者としての研究活動は継続)ということだと思いたい。 そんなこんなで、感情的になる場面はあったものの、和解の場面はテーブルに並べて比べる(by アンジェラ)必要もなく、理性的な大人同士という印象で好感が持てた。ケリー&アレックス姉弟に対するブレナンの思いや、アレックスに対するブースの接し方など、感情が丁寧に描かれてしみじみとして良い場面だった。ブースに息子がいるという設定、前シーズンではいささか唐突な印象があったが、それが良く生かされていると思った。 そのへんは良かったのだが、ジャックとアンジェラの間で何か……ラブの予感? 正直それは勘弁……と思うんだけどどうだろう。 トリノの聖骸布。14世紀にフランスで「発見」された、キリストの遺体を包んでいたとされる亜麻布。布の上にキリストの姿が焼きついているとされるのだけど……写真を見た限りでは、まるで立体感がなく「布に絵を描いた」ようにしか見えないシロモノ(アンジェラの画像はそこを補正したものと解釈)。このような「聖骸布」を製作する手法については、以下のサイトに詳しい。 * [[http://www.shadowshroud.com|ShadowShroud]] ---- ===== 使用楽曲 ===== * Bring on the Wonder by Susan Enan --- //Yoko (yoko221b) 2008-10-13// [<>]