CSI - Season 2, Episode 8 ====== #31 Slaves of Las Vegas ====== * 邦題:「倒錯の館」 * 脚本:Jerry Stahl * 監督:Peter Markle * 初回放映:2001-11-15 ---- //There are a lot of things you can give a man -- your body, your time, even your heart. But the one thing you can never, ever, ever let go of is your power.// ===== 事件概要 ===== ==== SM嬢殺人事件 ==== グリッソム、キャサリン、ニック、ブラス警部担当。公園でふざけていたカップルが、砂場に埋まっていた若い女性の遺体を発見。グリッソムとキャサリンは、砂場の砂を丁寧にすくい取って証拠を保存する。遺体には鞭や拘束の傷が無数にあり、古い傷も新しい傷もあったが、性的暴行の痕跡はなかった。グリッソムは遺体の表面から、鎖の欠片と思われる金属と、液体のラテックスを発見。 キャサリンは、豊胸手術に使われた詰め物から整形外科医を割り出し、被害者の身元を聞く。彼女はモーナ・テイラーで、SMの館で働いていた。館の女主人、レディ・ヘザーがCSIの面々を出迎える。レディ・ヘザーは、ここで行われる「仕事」で重傷を負わせることはなく、モーナはSの側だったと言うが、グリッソムの話を聞いて、仕事以外で客と会っていたのではないかと疑う。ニックとキャサリンは、モーナの使っていた部屋で金属の鎖とラテックスを発見。 モーナの死因は窒息で、鼻の中に奇妙な傷があった。モーナはSだけでなくM役をやることもあり、マスクで顔を密封され、鼻にストローを入れて呼吸していたが、そのストローを塞がれて窒息死したのだった。キャサリンは捨てられていたラテックスに残る腕時計の痕から、高価な女性用腕時計の形を復元。 腕時計を買ったのは女性弁護士。彼女は時計を失くしたと言うが、箱の中からはラテックスが発見される。レディ・ヘザーは彼女の夫を見たことがあった。夫は妻を支配できない代わりに、モーナを代用として痛めつけ、やりすぎて死なせてしまったのだった。 ==== 夜間金庫強盗事件 ==== ウォリック、サラ、ベガ刑事担当。夜間金庫に預金しに行く途中の男性が襲われた。現場の近くにカバンが残されていたが、金は盗られていた。預けに行く曜日と時刻が決まっているため、サラは内部の犯行を疑う。ウォリックは、駐車場の車の上に置かれたチラシが、被害者の車だけ下に落ちていることから、チラシが置かれたのは犯行の直前であり、置いた者が目撃しているかもしれないと気づく。 チラシに残るタイヤの跡から、犯人の車はホンダで(目撃者の話と一致)、瓶の王冠らしき何かを踏んだことがわかる。被害者を撃った拳銃はコルト。被害者も同じ銃を所持しており、サラの疑惑は深まる。 カバンを切り裂いた所からは、ナイフに付着していたと思われる赤い繊維(ファイバーグラス)と、それを硬くするための樹脂が発見された。その樹脂からバスタブ製造工場を訪ねると、被害者の義理の兄が働いていた。犯人の妻(被害者の姉)は夫を非難するが、同時に被害者が金の一部を抜き取っていたことを知らされ、弟も逮捕しろと言う。 ---- ===== 感想 ===== どちらの話にも、強い女性が登場する。従順な夫を支配し、なお被支配者としての役割を求めて強い男性に惹かれるアイリーン、「身体も、時間も、あるいは心さえ与えることがあっても、力(power)だけは手放すな」(冒頭のセリフ)と言うレディ・ヘザー、そして小切手換金ショップのカーラ姉さん。 カーラは、夫が弟を撃って金を奪い、なおかつその弟も店の金をくすねていたというのだから、踏んだり蹴ったりだが、身内をかばうこともなく毅然として法の執行を要求する。 グリッソムの事件はダークな雰囲気。おどろおどろしいのではなく、妖しい世界だ。レディ・ヘザーはその世界に君臨し、人々の心の奥底までを見透かしている。この後も登場するらしいので、グリッソムとの対話が楽しみだ。CSIのファンフィクションには、グリッソムとレディ・ヘザーの物語が多い(ネタバレが怖くて読んでないけど)。 ---- ===== 単語帳 ===== * penejo: ?(スペイン語っぽい) * boob job: 豊胸手術(俗語) * deviant: 逸脱、異常者 * aberration: 逸脱、錯乱、異常 * accoutrement: 装身具、衣装、携帯品など身につける物 --- //Yoko (yoko221b) 2004-10-20// [<>]