CSI - Season 7, Episode 7 ====== #148 Post Mortem ====== * 邦題:「宣戦布告」 * 脚本:Dustin Abraham, David Rambo * 原案:Naren Shankar * 監督:Richard J. Lewis * 初回放映:2006-11-09 ---- ===== 事件概要 ===== ==== ペニー・ガーデン ==== 元カクテルウェイトレスのペニー・ガーデンが、自宅の窓を破って頭を外へ突き出すような姿勢で死亡しているところを発見される。ペニーは末期癌で、強い鎮痛剤を大量に処方されていたはずだが、自宅内に薬は見当たらない。同居していた甥と隣人に疑いがかかるが、甥の元に届けられたある荷物によって状況は一変する。 「ポーチに置かれていた」というそれは、殺害現場を精巧に再現したミニチュア模型。イジー・ディランシー事件(「奈落の底へ[後編]」)の時に現場に置かれていたものと同じ手法で作られ、クッションの裏には同じ人形の写真が隠されていた。グリッソムは、模型の庭石の下に薬のミニチュアが置かれていることに気づく。果たして、実物の庭の同じ場所にも、本物の鎮痛剤が埋められていた。 乾いた接着剤の後から、模型が一度修正されていることがわかる。ペニーの人形は最初、椅子に固定されているはずだった。おそらく彼女が予想外に暴れて窓を突き破ったため、それに合わせて模型を修正せざるを得ず、そのため現場に置いて来ることができなかったのだろう。ペニーが飲んでいたリキュールのボトルからは、致死量のニコチンが検出される。 隣家に設置された防犯カメラのビデオには、模型を届けに来た未知の人物が映っていた。 ==== ディミトリアス・ジェイムズ ==== (「害虫の群れ」より継続) グレッグ・サンダースがディミトリアル・ジェイムズを車ではねた件についての検死審問が開かれる。これは裁判ではなく、グレッグの行動の正当性を判断するための手続きであり、このために召集された検死陪審が評決を行う。 ソフィア、ニック、ロビンス医師らが次々に証言を行う。陪審員のひとりはグレッグの行動に関して批判的な質問をしようとし(検死陪審は質問しても良いらしい)、またディミトリアスの母親と弟は傍聴席から不規則発言を繰り返す。次の選挙に向けて「市民の味方」をアピールしたい判事は、証拠として採用はしないものの、遺族の発言を許可し、またグレッグが勤務に入る前に飲酒していたことを法廷に持ち出す。だがその「飲酒」は勤務に入る何時間も前に影響が消えている程度のものであった。 ニックとウォリックは現場で再現実験を行い、グレッグがディミトリアスを避けることはできなかったことを証明する。検事はその結果を、CGを使って陪審員に説明。 陪審員はグレッグの行動に対し「Excusable(殺意のない合法行為)」という評決を下す。「Justifiable(それ以外に行動の取りようがなかった)」を期待していた検事は失望を隠さないが、グレッグはその判断に満足する。 だがその後、ディミトリアスの遺族がグレッグに対して民事訴訟を提起したことがわかる。 ---- ===== 感想 ===== 模型殺人の続編キター! 2話の「奈落の底へ」で本格的に始まったミニチュア模型殺人。この時の被害者は往年のロックスターのイジー・ディランシーで、頭を殴られて殺害されていた。今回は元カクテルウェイトレスで、ニコチンによる毒殺。今のところ被害者にも殺しの手口にも共通性はなさそうなのだけど……あの人形の全身像(あるいは、それを含むもっと大きな構図)が今後の事件で少しずつ明らかになり、それとともに事件の全貌が明らかにされるのではないかという予感がする。 連続殺人事件では、誰か容疑者が浮かぶとその人が次の被害者になるというのがお約束なのだけど、その法則でいくと、今回防犯ビデオに映った配達の人が危ない? さて、グレッグはこちらも継続ストーリーで、「害虫の群れ」で死なせてしまったディミトリアスの死因審問(Coroner's Inquest)が開かれる。これは判事が進行役を務め、検死陪審という陪審が召集されるが、裁判ではないので有罪・無罪を決めるわけではない。結果は、Justifiable / Excusable / Criminal のいずれかになり、JustifiableかExcusableであれば刑事責任を問われることはなく、Criminalであれば改めて訴追ということになるのだろう。JustifiableとExcusableの差がいまいちピンと来ないけど、検事の反応を見た感じでは、Justifiableの方がより正当性が強いようだ。刑事責任を問われない点は同じだが、今回のように民事裁判になった場合、Excusableの方が不利なのではないかと推測。 今回、判事が選挙をにらんでのスタンドプレーに走ったり、何かと警察に批判的な陪審員がいたりとグレッグに不利な状況だったようだが、Excusableという判断自体は妥当な気もした。もちろんJustifiableでも納得できたと思うけど……。グレッグが路地に突入せずバックアップを待っていれば、襲われていた被害者が死亡した可能性はあったけれど、被害者もディミトリアスも死なずにすんだ可能性もあった。陪審員はそこを評価したのではないかな。 それはそれで良いとしても、ディミトリアスの母親と弟の態度はちょっと……あれ普通の裁判だったら(というか、判事に政治的な背景がなければ)退廷でもおかしくないくらい。判事も、証拠ではないと言いつつ発言を許可するなんてのは、ちょっとやり過ぎでは? --- //Yoko (yoko221b) 2008-09-23// [<>]