CSI - Season 8, Episode 5 ====== #170 The Chick Chop Flick Shop ====== * 邦題:「本当になったホラー映画」 * 脚本:Evan Dunsky * 監督:Richard J. Lewis * 初回放映:2007-11-01 ---- ===== 事件概要 ===== ==== ウェザリー・アダムス ==== ホラー映画の制作スタジオで、女優のウェザリー・アダムスが殺害される。行方不明になったという連絡を受けてニックとブラス警部が出かけて行ったところ、ウェザリーのマネキンにまぎれて本人の遺体が発見されたのだ。背中には斧が突き刺さっていたが、致命傷を与えた凶器はそれではなく、金属パイプのような尖った筒であることがわかる。何者かが傷をごまかすため、死後に斧を刺したと思われた。 そのスタジオはヴィンセント&メイソン・ラフーン兄弟が所有していた。ヴィンセントは、ウェザリーの元恋人のザルコが彼女につきまとっていたと口にする。ザルコは撮影スタッフだったが、撮影中の事故で顔にひどい火傷をしてしまった。ウェザリーはそれが原因で離れていったが、ザルコは「まだ彼女を愛している」と犯行を否定する。 傷口に亜鉛の成分があったことから、現場をもう一度調べ直した結果、凶器はスタジオに立ててあった尖った鉄パイプと判明。遅番のロニーも現場検証のヘルプに入る。 ウェザリーの楽屋には誰かが侵入した形跡があったが、防犯カメラを調べてみると、「誰かが押し入ったように工作している男」の姿が確認される。かぶっていた帽子から当初はヴィンセントと思われたが、よく調べてみると実はメイソン。メイソンが「ザルコに罪を着せようとしているヴィンセント」という映像を工作したのだった。 キャサリンは小人症のディッキーから「話したいことがある」とスタジオに呼び出される。その一方で、携帯電話を置き忘れたロニーもスタジオに取りに戻っていた。 メイソンは「実はウェザリーは事故だった」と告白する。ウェザリーはホースに足をとられて転び、尖ったパイプの上に仰向けに倒れこんでしまったのだ。スタジオの代表であるスタンリーは、安全措置に違反している箇所がいくつもあることから、「バレたらスタジオの運営が続けられなくなる」と言って遺体を隠し、メイソンに偽装工作を命じたのだった。そして、ディッキーがその一部始終を見ており、スタンリーを恐喝していたという。 スタジオに着いたロニーは、倉庫でディッキーの遺体が天井から吊り下げられているのを発見し、さらにウェザリーらしき人影を見て驚く。そこへ監督のザックが「撃たれた」と言いながら現れて倒れ、次に銃を持ったスタンリーが現れる。スタンリーはディッキーに恐喝されて彼を殺し、それを目撃したザックを撃った。スタンリーは2人に銃を向けるが、そこで背中を一撃されて倒れる。ウェザリーの衣装とカツラを身に着けたザルコが斧を振るったのだった。 ---- ===== 感想 ===== CSIに時々見られる、フリークショー的な(こういう呼び方が適切かどうかよくわからないが)エピソード、かな。 過去シーズンに合った「遺伝子への憎しみ」や「心優しき獣たち」など、所謂フリーク的な素材を扱ったエピソードの良さは、グリッソムのキャラクターに負うところが大きかったと思う。グリッソムの科学者としての冷徹な視線と同じ人間として共感する視線が彼らを肯定的に捉え、その一方でニックたちが「視聴者代表」的な、少々居心地の悪い役割を引き受けることで、共感とバランスを保っていたように思う。 そういう点を踏まえて今回は……うーん、微妙。主任の出番が少なすぎ! この後クロスオーバーが控えているので、撮影スケジュールの兼ね合いだったのだろうけど。 キャサリンもな~、シーズン6の「誰も知らない存在」の時は良かったんだけど、今回はロニーともども、彼らへのシンパシーを担当するにはちょっと華やかすぎるような。 撮影現場で生み出される、虚構と現実がないまぜになった悲喜劇、ザルコの一途な愛と哀しみ――と、もっとドラマチックな、あるいは「泣ける」エピになる可能性はあったように思うのだが、いまいちホラーにも悲劇にもコメディにもなりきれない、中途半端な印象。 ホラー映画のオマージュかな? と思った場面はいくつかあるものの、元ネタを知らないので何とも。CSIのスタッフには、ホラー映画のファン、あるいはその手の映画に精通しているスタッフが多そうだ(仕事がら)。元ネタを知っていればもっと楽しめたかもしれない。 --- //Yoko (yoko221b) 2009-10-27// [<>]