CSI - Season 9, Episode 12 ====== #194 Disarmed and Dangerous ====== * 邦題:「ラ・マンチャの男たち」 * 脚本:Dustin Lee Abraham, Evan Dunsky * 監督:Kenneth Fink * 初回放映:2009-01-29 ---- ===== 事件概要 ===== ==== ウィリアム・レイ・ハットフォード他 ==== ガソリンスタンドのトイレに入った男性が腕をもぎ取られて惨殺される。目撃者によると犯人は「超人ハルクのような」体格の大男だったという。現場には、被害者の物ではない筋肉の塊が落ちていた。 被害者はFBI捜査官のウィリアム・レイ・ハットフォードとのことで、現場には同僚のマイルズ・ベックマンとエマ・スタンリーが同行していた。ハットフィールドは「潜入捜査のため」として両手の指紋をマイクロピーリングで消していた。3人は人身売買(売春)組織の捜査のためワシントンDCから派遣されているという。組織の黒幕は正体不明で、通称「オス・プンホ」(ポルトガル語で「拳」の意味)と呼ばれていた。 彼らの「オフィス」はFBIらしからぬボロ屋であったが、人身売買組織の資料が山のように保管されており、その中には3ヶ月前に射殺されたリオという売春婦の取調べ映像も含まれていた。エマらは「安全を守るから黒幕を教えてほしい」と説得したがリオは最後まで口を割らず、結局釈放したが、その直後に見せしめのようにして殺されていたのだ。 現場に落ちていた筋肉塊は上腕二頭筋で、不潔な針でステロイド注射を行ったせいで感染し化膿していた。犯人自身が痛みに耐えかねて自分で肉を剥ぎ取った可能性があった。検出された薬物から、ハットフォードが以前に捜査した格闘家ヴィニー・ミンガスの物らしいとわかる。ブラスとニックはファイトクラブへ出かけてミンガスを発見するが、ミンガスは錯乱状態で彼らを「ニセ警官」と罵り、警官の銃を奪うと「どうせ弾は入っていないんだ!」と言い自分の頭を撃ち抜き即死する。リングドクターは、ミンガスは腕に大怪我をして化膿していたが、病院には行こうとしなかったと言う。ミンガスの荷物からは、ハットフォードの手帳やバッジなどが発見される。 ウェンディはDNAでハットフォードの身元を照会しようとするが、FBIにはハットフォードという捜査官は存在しないということがわかる。 その直後、ヒルストリートでエマが射殺されて発見される。彼女は売春婦のような服装をしており、潜入中に殺されたものと当初は思われた。だが、指紋を調べてみるとエマの正体は売春の前歴のあるエマ・モーズラーとわかる。ミンガスは、彼らが本物の捜査官でないことを知っていたので、ニックたちのことも「ニセ警官」と呼んだのであろう。彼らの「オフィス」の資料はすべて押収されベガス署に運ばれる。 エマがクレジットカードを使った場所がわかり、そこからカード情報をたどると、ある社会復帰施設に行き着いた。ハットフォード、マイルズ、エマの3人は、いずれもこの施設の入所者で、空想傾向人格だったのだ。マイルズは自室に戻っており、「潜入中だから、怪しまれないよう逮捕して連行してくれ」と言う。ラングストンは「このような場合は相手に合わせる方が良い」と進言し、ブラスはマイルズに手錠をかけて連行しようとするが、そこへ車が現れ男が車内から発砲。ブラスが応戦し、男は死亡。ヴィニーに代わり、オス・プンホの命令でマイルズを狙ったものと思われる。 ライリーは手帳に書かれた記号の意味を探ろうとするが、解読は難航。ラングストンは病院に収容されたマイルズに面会し、その記号の意味を聞き出す。これでリオ殺害に使用された凶器が特定でき、血液反応を調べた結果、ヴィニーの手当てをしたリングドクターが「オス・プンホ」その人であったことがわかる。 ラングストンは改めてマイルズを見舞い、『ドン・キホーテ』の本を渡し「君たちはとてつもなく大きな風車を倒したな」と言葉をかける。 ---- ===== 感想 ===== ラストまで来て、ようやく邦題を思い出した。『ドン・キホーテ』って、そういえばちゃんと読んだことはなかったけど文庫で6巻もある大長編だったのか。 FBIにしちゃ変な感じ、とは思ったものの、まさか妄想でここまでやるとは(できるとは)思わなかった。元捜査官でクビになったのかなと思っていたら……。それにしても、「オフィス」はボロだったけど、身分証にマイクロピーリングに録画用機材、いったいどこからそんなお金が? マイルズは法律知識もありそうだったので、実は元弁護士か何かで、病気になる前は羽振りが良かったのだろうか。で、施設で仲間と出会ってオフィスを開いて、施設から「通勤」していたのかな……ううーん、それってどの程度現実的なのか、よくわからない。ほぼ不可能でしょって気がするけど。 最初の現場、トイレが汚すぎてちゃんと見ていなかったけど、筋肉の塊って、あんなにきれいに取れるものなのだろうか。割れた鏡を使って片手で切り取ったというより、骨からぺろんと剥ぎ取ったような……。たとえに使うのは少々ためらわれるが、骨付きの鶏肉を煮込んで骨を外したような感じに見えた。ヴィニーの腕も、包帯は巻いてたけど、あれならまだ筋肉あるだろ! って感じ。そりゃ本当に肉を取るわけにはいかないけど、もうちょっと何とかデジタル修正できなかったのかな。 それから「拳銃にハットフォードの指紋が付いていた」というのは、単純に脚本のミスではないかと思う。ハットフォードの指紋はマイクロピーリングで消されていたはずなので……ここは掌紋かDNAになるはず。 ま、それはともかくとして最後にはラングストン教授がヴィニーの協力を得て元締めの正体を突き止めて事件解決。マイルズに寄り添うような真摯さが印象に残った。 --- //Yoko (yoko221b) 2011-06-15// [<>]