CSI: Miami - Season 4, Episode 9 ====== #81 Urban Hellraisers ====== * 邦題:「名前のない奴ら」 * 脚本:Dean Widenmann, Marc Guggenheim * 監督:Matt Earl Beesley * 初回放映:2005-11-21 ---- //Real bullets are funny like that, Michael.// ===== 事件概要 ===== ==== デイド相互銀行襲撃事件 ==== デイド相互銀行に3人組の強盗が押し入り、銃を乱射。女性客をレイプしようとするが、そこに居合わせたデルコが犯人の1人を射殺する。残る2人は支店長を人質にし、現金18,000ドルを奪って逃走した。奪った現金が少額であったこと、行員が紙幣とともに染料のパックを詰めたのに気づかなかったこと、デルコの車(警察車両)に気づきながら敢えて犯行に及んだこと、死亡した犯人がクリッカーカウンタを持っていたことなど、銀行強盗にしては不自然な点がいくつかあった。犯人の車には、マイアミ大学のステッカーがあった。 染料のパックはその後、マイアミ大学で爆発した。女子学生のキム・ミルズがランドリー室でカバンを見つけ、開けた途端に爆発したという。そのカバンの底には液体の染みがあり、水分を分析した結果、カバンがスケートリンクに置かれていたことがわかる。大学のスケートリンクへ向かうと、そこには人質になった支店長が縛られていた。支店長の話から、強盗の本当の狙いは、連邦準備銀行からヘリで輸送される現金だったということがわかる。ホレイショらはヘリポートで現金を狙う犯人の1人を逮捕。だがその若者は「まだゲームは続いている」と言う。 その言葉を聞いて、ウルフは一連の犯行が "Urban Hellraisers" というゲームのシナリオをなぞったものであることに気づく。カウンタを持っていたのは、彼らが人を殺すたびに加算される「ポイント」の記録だった。デルコの車に目を留めたのは、警官が中にいると「ボーナスポイント」が得られるためだった。そのゲームを開発した会社の社長は情報提供を拒んだため、ホレイショはウルフに「ゲームをプレイして次の展開を調べろ」と命令。 ゲームでは、ヘリポートには狙撃手がいるはずだった。そこで現場へ戻ると、狙撃手はいなかったが、赤と黒に塗られたマスクが落ちていた。そのマスクは、顔から型を取って作成するカスタムメイドなので、デルコはマスクの型から顔面の特徴を復元し、マイアミ大のデータベースと照合する。一方、ゲームをプレイしていたウルフは、次のステージで犯人が警察へ乗り込んで証拠品を奪うことを知る。ちょうどその時、2人組の男がデイド署のラボに侵入、ナタリアに銃を突きつけてマスクを奪おうとするが、駆けつけたホレイショに撃たれて1人は死亡、もう1人は負傷して逮捕される。銃撃の巻き添えで、シークレットサービスのエリオット捜査官が負傷。犯人の1人は、ラボの改築を請け負った建築事務所のインターンだったために、設計図を入手できたのだった。 逮捕されたペイジの供述から、図書館の地下室でプレイしている「スコアキーパー」エヴァンの存在がわかるが、エヴァンはゲームのやりすぎで死亡していた。エヴァンのコンピュータの記録から、カール・ハイアットの撮影スタジオが判明。ハイアットが学生たちに武器を渡していたのだ。ハイアットの背後にいたのは、クリス・アレン。例のゲームを販売している会社の社長だった。アレンは商品のプロモーションのために、学生たちに本物の武器を渡して犯行をやらせていたのだ。 マスクを作成した顔面は、元フットボール選手のジョン・バーグと判明。だがバーグは怪我で選手の道を断念した時に、マスクを捨ててしまったという。また、マスクから採取したDNAは女性のもの――その主は、カバンを開けてペンキまみれになったキム・ミルズだった。 ---- ===== 感想 ===== ゲームを「現実的に」再現するために犯罪を犯す若者たち――何だかすごく現実感のない話だった。そう感じるのは、私自身がこういうゲームをしないせいなのだろうか(ゲームというと、ソリティアとかマインスイーパな私)。現場へ行くたびに次の段階への手がかりを得るという、ホレイショたちの行動それ自体がゲームのように見えてしまった。ホレイショが犯人に銃を突きつけて "It's your call." と言う場面、その瞬間にピロロ~ンと鳴って「レベルクリア」とか言われても違和感ないんじゃなかろうか。 ただ、マイアミシリーズを見ていて、どうしても「これはちょっと」と思ってしまうのはそういう現実感のなさではなく、時として「死者に鞭打つ」ような描写があることだ。レイモンドが dirty cop から浮気男になったことは、それほど気にならなかった。しかし前シーズンで、過去の事件の瑕疵が明らかになる時、それが決まってスピードルの事件だったのは、やはりちょっと嫌だったかな……。そして今回は、ヘイゲン。都合の悪いことは亡くなった人のせいにしようとしてやしませんか。 シークレットサービスのエリオット捜査官は、カリーに気があったけれど、ヘイゲンから「自分たちは恋人同士だから」と言われて引き下がったとのこと。で現在は別の女性と婚約中。う~ん? エリオットは「去年」と言ったけれど、これは3月に放映された「終わりへの伏線」のことだと思う。でも、それから3ヶ月も経たないうちにフィナーレの「去りゆく者たち」でヘイゲンは自殺している。今頃になって言い出すってことは、その時カリーに慰めの言葉ひとつかけていなかったわけだし、実はもうその時モニカと付き合ってたんじゃないか……なーんて考えてしまう。ヘイゲンに言われたというのも、確かめようがないことだし何だか怪しい。 ところでこのエピソードには Extended Ending なるものが付いている。CBSのサイトで見られるが((2020年現在は削除。YouTube で検索すると見つかるかもしれません。))、DVDには何も言及がなかったので、公式サイトのエピソードガイドを見てなかったら知らないままだったかも。内容は、エリカ・サイクスがウルフを呼び出して「デイド署の鑑識ラボに mole(スパイ)がいる」と告げるというもの。え~スパイって何よ。ウルフから情報を取るためのデマカセじゃないでしょうね。マラ・ノーチェ、ホレイショの過去、デルコの金銭問題に加えてラボにスパイとは! 何だか今シーズンはレギュラーメンバーたちの身に次々と問題が起きるようで、いよいよ科学捜査どころじゃなくなってしまいそう。見てるこっちも事件どころじゃないよ、もう。 そうそう、今回はヘリポートでホレイショが珍しく、ウルフのことを「ライアン」と呼んでいた。今までずっと「ミスター・ウルフ」だったのに。前にもこう呼んだことあったっけ?(記憶にない) ---- ===== 単語帳 ===== * Johnny Law:警官(俗語) * twerp:嫌な奴、バカ(口語) --- //Yoko (yoko221b) 2007-02-11// [<>]