CSI: NY - Season 1 ====== #14 Blood, Sweat and Tears ====== * 邦題:「血と汗と涙」 * 脚本:Eli Talbert, Erica Shelton * 監督:Scott Lautanen * 初回放映:2005-02-09 ---- //-That's not a trunk. It's a box. \\ -It's not a box. It's a coffin.// ===== 事件概要 ===== ==== コントーショニスト箱詰め事件 ==== マック、ステラ、エイデン担当。コニーアイランドの砂浜で、遺体の入った箱が発見される。その小さな箱の中には、若い男性が身体を折り曲げた状態でみっしりと入れられていた。箱は太いロープで縛られ、中には動物の毛があった。被害者の体にはいくつか痣があるだけで、骨は1本も折れていない。死因は窒息。生きたまま箱に入れられ、その体勢から肺に空気が送られなくなって死亡したのだ。だが、抵抗した様子も箱から出ようとした形跡もないことが不可解だった。 箱の中にあった毛は象のものだった。そこから、被害者はサーカスのコントーショニスト、ルーカスであると判明。前日の夜から帰って来ていないという。ルーカスの入っていた箱は、彼らのパフォーマンスに使われるものだった。象の毛、箱を縛っていた物と同じロープ、海岸の砂のついた台車。現場で見つかった証拠がすべてここにあった。そしてゴミ箱の中からルーカスのコスチュームが発見される。 ルーカスは、空中ブランコ乗りの少女アナスヤとともに、サーカスの舞台でロミオとジュリエットを演じていた。ルーカスの父ネイマンは、代々続くヨーロッパの曲芸師である自分の血統を誇っていたが、アナスヤの父ベルナルドはブルックリン生まれで元は雑役夫。ネイマンはベルナルドを「喝采だけを求める二流の芸人」と軽蔑し、敵対していた。 ルーカスの身体の痣は、いつできた物か特定することが困難だった。彼は先天的に関節が柔らかく痣が治りにくいという体質を持っていたのだ。死亡する数日前にも、クラウンの舞台小道具を駄目にして罰を受けたり、アナスヤとキスしているところをベルナルドに見つかって腕をつかまれたりしていた。箱の蓋を閉めてロープで縛り、コニーアイランドへ運んだ誰かがいたはずなのは確かだが、ルーカスはなぜ黙って箱詰めにされるままになっていたのか? 抵抗したり、出ようとしたりしなかったのか? ルーカスのコスチュームを調べると、汗のしみの他に、上から水滴が垂れたような跡があった。その水滴は、女性の涙。台車に付着していたウールの繊維は、アナスヤのセーターだった。2人は舞台を離れた現実でもロミオとジュリエットであり、この生活から逃れたいと思っていた。そしてルーカスは自ら箱に入って窒息死。アナスヤも空中ブランコの途中で墜落して死のうとしたが、寸前で自分の生き方は自分で変えられると気づき、思いとどまったという。コニーアイランドは、2人がこっそり出かけていった思い出の場所だった。 ==== リタ・カーティ殺害事件 ==== ダニー、フラック刑事担当。アパートで大量の血溜まりが発見されたが、現場に遺体はない。部屋を借りていたペイジ・ワーシーは行方不明。部屋には争った様子もなくきれいだったが、シャワーカーテンがなくなっていた。床には何かの粉末と、入り口へ移動しながら垂れたらしい血痕。 ダストシュートを調べると、シャワーカーテンに包まれた女性の遺体があったが、ペイジではない。死因は小さな刃物で大腿動脈を刺されたための失血死。鼻や頬骨には殴られて骨折したことがあり、家庭内暴力の被害者であると思われた。 ダニーとフラックは、クレジットカードからペイジを発見。被害者はペイジの部屋に泊まっていたリタ・カーティで、夫がうるさく訪ねて来て仕事にならないので、ペイジはしばらくホテルに逃れていたという。ドアノブにはリタの夫の指紋があったが、DNAから無実と判明。残る証拠は、床に落ちていた茶色の粉だった。それはルーミというスパイスで、リタが宅配で注文したものだった。 ルーミを配達した店員は、リタの血の付いたナイフを持っていた。店員はいつもリタへの配達を担当しており、自分は彼女に気に入られていると思い込んでいた。だが拒否されたため、逆上してナイフで刺した。外に誰か(リタの夫)がいたため通報することもできず、そのまま手遅れになってしまったのだ。 ---- ===== 感想 ===== 先週雪が積もっていたのに、今週はもう海水浴? と思ったら寒中水泳だった。砂浜に埋まっている箱を見つけて、お宝かと思ったら人体! きっちり詰められているので、最初は血を抜いてバラバラにしたのかと思ったが、軟体少年だったのか~。それにしてもホークス先生は、いつにも増して楽しそう。 CSIにシェイクスピアはやはり欠かせないのだろうか。ベガスでは主任がよく引用しているし、マイアミはチーフがホレイショだし。今回は「ロミオとジュリエット」だ。 ロミ&ジュリは悲恋の話だけど、最初から心中するつもりではなく、行き違いでお互いに後追い自殺しちゃったわけで、相手が死んだ(と思い込む)ことさえなければ、この境遇を超えて一緒になろうという意思はあったはずなのだ。で、その点この2人はどうだったのだろう――という所がいまいち不明なんだな。2人一緒に死のう、というわけでもなかったようだし、ロミオくんだけ1人でさっさと死んじゃうというのも何だか。案外このロミオくんも覚悟の自殺じゃなく、何か行き違いがあって(箱から出られなくなって)死んじゃったとかいう事情があったりはしないだろうか。 ダニーの事件では、本命だったリタの夫が無実とわかり、がっくりきているところへ、すかさずマックが助言。部下のことをちゃんと見ているな~というのがわかって何となく嬉しい。いや、それはいいんだけど、タングルウッド・ボーイズの件はその後どうなんですか……。 今回エイデンの出番少なかったな…… :-( ---- ===== 単語帳 ===== * Nathan's:ホットドッグ店。同社主催の大食いコンテストでは、日本人の小林尊さんが2001~2005年連続優勝。 * double-jointed:関節が自由に動く人(動物) * contortionist:コントーショニスト(身体を自由に折り曲げて、通常では不可能なポーズを取る曲芸師) * roustabout:波止場で働く労働者、サーカスの雑役夫 * trapeze:空中ブランコ * Ehlers Danlos syndrome:エーラースダンロー症候群。遺伝性の症候群で、関節や皮膚が柔軟で痣が付くと治りにくい。 * Jones for:どうしても手に入れたい(俗語) --- //Yoko (yoko221b) 2006-04-14// [<>]