CSI: NY - Season 4, Episode 10 ====== #81 The Thing About Heroes ====== * 邦題:「ヒーローの真実」 * 脚本:Pam Veasey, Zachary Reiter * 監督:Anthony Hemingway * 初回放映:2007-11-28 ---- ===== 事件概要 ===== ==== ケヴィン・カーマイケル、ボビー・トゥール ==== 地下鉄の運転手、ケヴィン・カーマイケルが車両の中で殺害される。単身シカゴへ向かったマックが不在のまま、ステラたちが現場で捜査を始める。だが、そこでいきなり扉が閉まり地下鉄が動き出し、ステラやフラックらは車両に閉じ込められてしまう。制御ボックスにMP3プレイヤーが取り付けられ、制御を乗っ取られていたのだ。電車に乗っていなかったダニーがそのプレイヤーを破壊して、暴走地下鉄は無事に停車。フラックとステラは停止した駅の「33丁目駅」と車両番号の「3」を見て、333ストーカーの関与を疑う。 その頃、シカゴではマックがトリビューン・タワーの空き室でミイラ化した遺体を発見していた。その遺体は死後数十年を経過していたのを掘り起こして天井から吊り下げたもので、壁にはゲームの「ハングマン」を思わせる文字と下線が書かれていた。マックは壁に書かれていないアルファベットを並べ替え、COWARD(臆病者)というメッセージを読み取る。 ミイラ化した遺体は検死の結果、30年前に死亡した白人男性で、銃で撃たれたうえ人差し指を切断されていたことがわかる。マックはそれを聞いて、彼自身が少年時代に関わったある事件のことを思い出す――。 30年前、14歳だったマックは、同い年のジミーとその兄ウィルと一緒に、ギャングの使い走りをして小遣い銭を稼いでいた。だがある時、ホテルの一室でボビー・トゥールという男と諍いになり、ボビーがウィルを激しく殴打するという事件が起きる。ジミーとマックもその場におり、揉み合いになるうちに拳銃がマックの足元に落ちる。マックはその銃を拾うがどうしても撃つことができず、結局ジミーがボビーを射殺。ボビーの遺体はウィルの雇い主が始末し、マックらは「ケンカに巻き込まれた」と偽ってウィルを病院へ運んだ。だがウィルは病院のERで死亡。その現場になったのがホテルの「333」号室だったのだ。 マックはジミーを呼び出して話を聞く。マックに送られて来た子供用シャツがウィルの物なら、パズルに付着していた血痕はウィルの兄弟、すなわちジミーの物ではないのか――と。だがジミーは、まったく何も心当たりがないと否定する。マックはジミーが捨てたタバコの吸殻を拾って、DNA鑑定を依頼。その結果、パズルの血痕はジミーではなく、彼の兄弟のものとわかる――つまり、ジミーの弟で三人兄弟の末っ子のアンディだ。 その頃、ステラはパズルをもう一度確認し、ドリューのオフィスで拾ったピースが、NYではなくシカゴのタワーの物――つまり、その時そこにあるはずのなかったピースであることに気づく。そしてドリューからのプレゼントを調べた結果、MP3プレイヤーに付着していたのはドリューの指紋とわかる。333ストーカーの正体はドリュー、すなわちジミーの弟のアンディ=アンドリューだったのだ。 マックはニューヨークへ戻り、ドリューのビストロへ向かう。だが、そこで待ち構えていたドリューがマックを殴りつけて拉致し、地下鉄の廃駅に監禁し、かつてマック自身が仕掛けた物と同じレーザートラップを張り巡らせる。30年前の事件当時、実はドリューもこっそり兄たちの後をつけて事件の一部始終を目撃し、「マックが勇気を出して撃っていればウィルは助かったかもしれない」と恨みに思ってきた。そのマックが英雄として称賛されている記事を新聞で読んで怒り、一連のストーカー行為を始めたのだった。 一方、ステラたちはMP3プレイヤーのプレイリストをヒントにマックの監禁場所を割り出し、シカゴから駆けつけたジミーとともに旧市庁舎駅へ向かう。そして、扉を開けた瞬間、仕掛けられた銃が発砲。被弾したのはジミーだったが、防弾ベストを着ていたため無事。ドリューはマックに取り押さえられる。 ---- ===== 感想 ===== う~~~ん。「もし……だったらつまらないなぁ」と思っていた所を、ことごとく直球ど真ん中。これはむしろ、ある種の潔ささえ感じさせると言えるかもしれない。 ドリューは露骨に怪しいから、彼がストーカーだったらヒネリがなさすぎだなぁと思っていたらそのまんま。兄弟を殺された恨み、みたいな動機だったら(略)と思ったら(略)。前回書いたように、シェーン・ケイシーと殺人模型(ベガス)で既に使われた要素が多いし、身近な女性を誘惑して利用するというのもマイアミで見たし(そりゃ、あっちのジェニファーに比べればステラはずっと大人だしプロだなぁとは思うけど)。部分的にネタがかぶるのは仕方ないにしても、もーちょっと何かどうにかならなかったのだろうか、と思わずにいられない。 あ、でもメッセージのヒントが「ハングマン」というのは面白かった!(それだけかいっ)あれはつまり、1文字も当てられなくて首を吊られてしまった、ということなのだろう。だから、壁に「書かれていない」文字を探し出す、というのは唐突なように見えて実は理にかなっている解読方法だと言える。マックはケイシー事件でもアナグラムを解いていたから、そういうのは得意そうだ。 しかしドリューも忙しい人だね。ビストロの店長をしながらマックをストーキングして、経歴やプロポーズした場所を調べ上げ、ロンドンまで行って同じ飛行機で戻り、マックの荷物を盗み、警察の内部情報にアクセスし、6年前に倒産した会社のパズルを入手し、30年前に始末された遺体を掘り起こし(面倒なので以下略)。 ……やっぱり単独犯では無理ではないだろうか。国際ストーキング組織・333の全貌が明かされる日は来るのだろうか。来ないような気がする。 ---- ===== 使用楽曲 ===== * "Troubled Son" by Working for a Nuclear Free City (運転手の検死場面) * "Train to Nowhere" by Savoy Brown --- //Yoko (yoko221b) 2010-01-30// [<>]