CSI: NY - Season 7, Episode 5 ====== #145 Out of the Sky ====== * 邦題:「空から来しもの」 * 脚本:Christopher Silber * 監督:Nathan Hope * 初回放映:2010-10-22 ---- ===== 事件概要 ===== ==== メルヴィン・ラグランジ、ヒース・カークフィールド他 ==== 弁護士ローランド・カーソンの家に武装強盗が押し入り、たまたま居合わせた依頼人のメルヴィン・ラグランジが射殺される。メルヴィンはカーソンに拳銃を預けに来ており、強盗と応戦しようとして射殺されたのだ。警備員のジミー・ベルソンも撃たれるが命に別状はなかった。カーソン本人はクローゼットに隠れて無事。強盗は金庫から宝石類をごっそり持ち去っていた。それはカーソンが依頼人から預かった物で「返さなければ私が殺される」と怯える。防犯カメラは設置してあったが、犯人たちは赤外線LEDを使用して顔が映らないようにしており、技術力を持ったプロ集団であるとわかる。警備員のベルソンは元警官で、ダニーがパトロール警官時代にコンビを組んでいた。 強盗犯が逃走に使ったヘリがビーチで見つかり、中から男性の遺体が発見される。メルヴィンの撃った弾に当たったのだ。指紋から、ハイテクを使った強盗事件の前歴があるローガン・ピールと判明。空のバッグが1つと、同じようなバッグを吊るしていたと思しきストラップがあり、バッグの縫い目には米粒大のマイクロチップが入っていた。もう1つのバッグにも同じチップが入っている可能性があったため、逆行分析で位置を割り出してみたところ、もう1つのチップはモルグの中にあるとわかる。モルグを探してみると、若い男性の遺体の靴底にはさまっていた。この若者は強盗にあった被害者と思われるが身元は不明。 その後、若者の氏名はヒース・カークフィールドと判明。恋人のジェニーが「バッグを拾って警察に届けに行ったまま帰らない」と通報しに来たのだ。公園の泉にコインを投げ入れて願い事をしていたところ、上空のヘリから宝石の詰まったバッグが落ちてくるというハプニングがあり、夢中で持ち帰ったものの、ジェニーが「届けるべき」と説得したのだ。ジェニーの携帯電話にはヒースからの伝言が残されていたが、何かの拍子にボタンが押されたらしく、くぐもった雑音と銃声らしき音だけが録音されていた。 ヘリの近くにあったタイヤ痕からは花粉が数種類発見されており、いずれもNYに自生する花ではなかった。そのすべてを扱う花屋が近くにあったため、そこに停車していた不審な車を調べると、中では2名の男性が死亡していた。テッド・ケンドリクスとポール・ケンドリクスの兄弟で、ヒースより前に殺されていた。強盗の前歴があり、その時に弁護したのはカーソン。凶器の銃もカーソンが持っていた物だが、カーソンは「依頼人が大勢出入りするので、誰かが持ち出すことはあり得る」と無関係を主張する。 ホークスはベルソンを撃った弾丸を調べ、形が不自然であることに気づく。前後両側がつぶれており、ベルソンに当たる前に何か別の物を貫通していた可能性があった。そこで思い至ったのは、現場に落ちていた砂。正確にはコンクリートの粉で、発射残渣が検出されていた。つまり、ベルソンはあらかじめサンドバッグで身体を防御し、その上から撃たせていたものと思われた。ダニーは病院へ向かうが、ベルソンは姿を消していた。 アダムはジェニーの携帯電話に残された音声からノイズを除去し、解読に成功。ベルソンが「どこにある」と問い詰めていた。だが、ベルソンはヒースを殺害して宝石入りのバッグを取り返したはずだ。何の行方を知ろうとしたのか。 マックはヒースの所持品に携帯電話がなかったことを思い出す。改めて写真を見てみると、血溜りの形が不自然な箇所がある。おそらくそこに携帯電話が落ちており、殺害後に犯人が持ち去ったのであろう――ヒースの住所を知るために。 一方ジェニーは自宅に戻り、枕の下に指輪があることに気づいていた。そこへノックの音がする。外にいるベルソンが銃を持っていることに気づいたジェニーは叫び声を上げるが、ダニーらが駆けつけてベルソンは逮捕される。 宝石は無事に回収され、カーソンが取りに来るが、いちばん価値のある指輪が見つからないという。マックは「宝石は複数の人の手を経ているので、どこかでなくなっても不思議はないだろう」と言う。 その頃ジェニーは公園の泉に指輪を投げ入れていた。 ---- ===== 感想 ===== 冒頭、あまりにもタイミングが良かったので、てっきり弁護士も一枚かんでの狂言で、メルヴィンは目撃証人として居合わせるよう仕組まれたのかと思っていた。でも結局弁護士さんは(全面的に潔白かどうかはともかく)被害者だったようで……疑ってすいません。でもメルヴィンは、そのまま隠れていれば命は助かったのに。2対1でどう考えても勝ち目はないし、そこまでするほど弁護士に義理があるとも思えない。殺人罪がかかっているから拳銃を回収したかった? ……あるいは、目の前で盗みをはたらかれては血が騒いで黙って見ていられない、ということだったのかも。 強盗の狙いは金庫に入れた大量の宝石類。なぜ弁護士がそんなものを預かっていたのかわからないが、おそらくいわく付きの代物だったのだろう。警察が知るところとなれば、指輪があってもなくてもカーソンの身は危険なのでは? でも「ちゃんと公正に捜査する」「依頼人に殺されたらどうするんだ!」「その事件も、ちゃんと公正に捜査する」というやり取りには笑ってしまった。 状況を考えると、内部に協力者がいる可能性が高い。ダニーの元相棒がああいう役割で登場すると、これはもう犯人しかないでしょう。 泉にコインを入れて願い事をしていたら、宝石の詰まったバッグが空から降ってくるなんて、なんてすごいタイミングなんだ。でもそれが結果的にヒースの命を奪い、ジェニーの命をも危険に晒してしまった。拾ったその足ですぐ警察に行っていれば(チップを靴底にくっつけることがなければ)死なずにすんだものを。80ドルを奪ったあの強盗も、バッグの中身に気づいて奪っていたら彼の方が死んでいたわけだから、結果的に命拾いしたわけだ。 そして最も高価だったはずの指輪は噴水の中。マックが「公正に捜査する」という約束を守る羽目になるのだろうか。 ---- ===== 使用楽曲 ===== * "Building Steam With a Grain of Salt" by DJ Shadow (ヘリの場面) --- //Yoko (yoko221b) 2013-06-08// [<>]