Dexter - Season 4, Episode 5 ====== #41 Dirty Harry ====== * 邦題:「ダーティハリー」 * 脚本:Tim Schlattmann * 監督:Keith Gordon * 初回放映:2009-10-25 ---- ===== 概要 ===== 銃撃されたデボラは病院に搬送されて手当てを受けるが、ランディは死亡。マイアミ警察は「バカンス殺人」の線で捜査を開始し、バティスタは「容疑者のローズは梅毒に感染している」という情報をマスコミに流す。デクスターはトリニティ・キラーの犯行を疑い、ハリーの亡霊から「奴が犯人ならお前が殺せ」と言われてランディの捜査資料を持ち帰る。 デクスターは銃撃の報せを聞いて慌てて出かけたため携帯電話を忘れていた。そこに「アパートの水道管が破裂した」と大家から連絡が入り、アパートをまだ借りていたことがリタに知られてしまう。 ラグェルタはバティスタと交際していることを上部に報告。バティスタは報告に反対だったため、2人の間は少しぎくしゃく。その後和解するが、マシューズ警部は法廷で弁護側に追及されることを心配し、エンジェルを異動させることにする。 デクスターはランディのテープを聴いてトリニティの犯行の様態を知る。トリニティは一匹狼で常に単独行動。まずバスタブの中で若い女性を失血死させ、子持ちの母親を高所から転落死させ、5日後に中年男性を撲殺する。デクスターは、トリニティが儀式の手順を踏んでいることに気づく。 デボラは、ランディと寝たことを話してアントンと別れ、デクスターの家に泊まることにする。 デクスターは証拠保管庫からランディのテープをこっそり持ち出し、「白人男性、身長190、体重約100キロ、60歳前後、白髪で青い目」という不審な男の特徴を知る。 モーテルでジョニー・ローズの遺体が発見され、近くの路上で恋人のニッキが発見される。ニッキは薬物で興奮状態になっているところを取り押さえられて逮捕される。 デクスターのアパートをリタが訪れる。リタは麻薬や浮気を疑い、部屋でトランクを見つけていた。デクスターは鍵を開けて中に入っている銃を見せ、「ハリーの遺品だが子どものいる家には置きたくなかった」と説明する(実際はその下に殺人道具を隠していた)。 その夜、デクスターは30年前に男性が撲殺されたビルを訪れて警備員を誘き出し、監視モニターでトリニティの犯行を目撃する。その後、トリニティの車を発見して尾行すると、トリニティは郊外へ向かう。デクスターは、トリニティが家族の待つ家に帰って行くのを見て驚く。 ---- ===== 感想 ===== デボラが銃撃されたことで、デクスターはトリニティの事件に関わらざるを得なくなってくる。何とここでハリーの幽霊が「トリニティを殺せ」と言い出すのだ。幽霊といっても、実際にはデクスターが作り出したハリーの幻影がそう言っていることになると思うので、これはいつもの "dark passenger" とはまた別の「心の声」ということになるのだろうか。 デクスターは「ハリーの娘を撃った」ことの制裁としてトリニティを殺そうとしているのか、手強い獲物を仕留めてみたいから理由を付けているのか。いずれにしても、デクスターは絶対に手を出してはいけない相手を標的に定めたことになるだろう。ハリーの掟はまず第一に「絶対に捕まるな」だったはず。それを遵守するなら、動機のある殺人は絶対にしてはいけない。今は警察も「バカンス殺人」の線を追っているので良いが、ランディ&デボラ事件との関わりがわかったらどうする? このエピソードのタイトルが「ダーティハリー」なのは、デクスターの中のハリー像が自らの掟を否定したという意味なのだろうか。 ともかく、デクスターは「次の現場」に先回りしようとするが、その時トリ爺はすでに3件目の撲殺を完了していた。そして、トリ爺を尾行したデクスターが見たものは、トリ爺の妻子。何とも幸せそうな家庭。熱湯のシャワーを浴びたり、わざとケンカを吹っかけて殴られたりするトリ爺、SなのかMなのかよくわからない人だと思っていたが、ここに来てまた新しい面を見せられた感じ。いったいこの人はどういう人間なのだろう。 5話目に来てデクスターの行動が大きな方向転換を余儀なくされ、シリーズの進む方向がばしっと決まった感じのエピソード。ランディを失い慟哭するデボラの熱演も素晴らしい! でもリタはちょっとウザかった。 --- //Yoko (yoko221b) 2011-08-06// [<>]