Dexter - Season 5, Episode 1 ====== #49 My Bad ====== * 邦題:「失意と悔恨」 * 脚本:Chip Johannessen * 監督:Steve Shill * 初回放映:2010-09-26 ---- ===== 概要 ===== 浴室でリタの遺体を発見したデクスターは警察に通報し、デボラをはじめメトロ警察の面々が駆けつけるが、ラグェルタは「手口からみてトリニティの事件であるから」とFBIに捜査権を渡す。クインは通報テープを聞き、デクスターの口調が落ち着きすぎていることを不審に思う。 デクスターは葬儀社に打ち合わせに行き、リタと初めて会った時からどれだけウソを重ねてきたかを思い出す。彼は最初のデートを途中で中座し、その合間に「標的」を見つけて仕留めていたのだった。 デボラはデクスターの家にリタを埋葬するための服を取りに行き、クインとともに浴室をきれいに清掃し、そのままクインと肉体関係を持ってしまう。クインはその後、隣家のエリオットと話し、リタとのことを聞く。 祖父母とともに帰宅したアスターとコーディは、デクスターからリタの死を聞かされてショックを受ける。 デクスターは過去とともに消え去ることを決意し、コンテナに火を放ち一人ボートで海へ乗り出す。その途中で、デクスターは偶然出会った男と口論になり、相手を殴り殺す。そこへリタの死後初めてハリーの幻影が現れ、デクスターは号泣する。ハリーの幻に励まされ、デクスターはリタの葬儀の場へ現れて弔辞を述べる。 ---- ===== 感想 ===== シーズン4の衝撃のクリフハンガー。今シーズンは、そのすぐ後の場面から始まる。デクスターは警察に通報し、駆けつけた警官とデボラに "It was me." と言う。吹替えは「おれがやった」だが字幕では「おれが殺した」になっていた。うーん、あの状況で "It was me." と言ったら、普通は犯行を自供したと解釈されるのだろうけど、字幕で「殺した」とまでするのは少々具体的すぎないだろうか。 それから、「トリニティが既婚女性をバスタブで殺したのは初めて」という台詞があったが、「既婚女性」は別に初めてではないよ。前シーズンの2話目によると、30年前に起きた(最初の?)バスタブ事件で「被害者の夫」であるヌーナンが逮捕されて服役しているのだから。 しかし捜査権はあっさりFBIへ。見るからにトリニティの事件だし、殺人課にとっては「身内が被害者」なのだから当然といえば当然。犯行当日の詳しいタイムラインは明かされるのだろうか。 リタ役のジュリー・ベンツは降板したが、今シーズンはプレミアのこのエピソードのみゲスト出演している。遺体だけではなく、回想シーンでデクスターとの初デートの様子が語られる。確か、デボラがポールのDV事件を担当したことがきっかけで、リタを兄に紹介したという経緯だったはず。 デクスターはどうやら、リタとの初デートに「標的」の行きつけの店を選び、隙を見て標的を仕留め、デートを中座して殺害を敢行していたらしい。まぁ、その頃のデクスターにとっては彼女より殺しの方が重要だよね。しかしそれにしても、ちょっと行き当たりばったりすぎないかな、この殺人……。 そんなリタとの回想シーンを経て、「消える」ことを決意するデクスター。そして偶然出会った男を殺害して感情を爆発させ、号泣。この場面はものすごく迫力があり、見ていて胸が締め付けられるような気持ちになった。 ……だが、エピソード全体の印象はというと、上記の場面も含めて全体が「前シーズンフィナーレの続き」といった感じ。特に今回新しいストーリーが始まったわけでもなく、かといってトリニティに関する「続き」があるわけでもなく。「あのクリフハンガーの続き」として語るべきことはきちんと語っていて、その点ではしっかりしたエピソードなのだけど、シーズンプレミアにつきものの「今シーズンどうなっちゃうの~!?」といったワクワクした驚きのような感じがない。言うなれば、シーズンフィナーレを2回に分けて見たような感じ。 デボラとクインが勢いで関係を持ってしまったり、エンジェルとラグェルタが相変わらずウザかったり(この2人が同じ画面にいると何だか暑苦しい)、そのへんはどうでも良い。早く「今シーズンのストーリー」が始まらないかな。 --- //Yoko (yoko221b) 2011-12-26// [<>]