Dexter - Season 7, Episode 6 ====== #78 Do the Wrong Thing ====== * 邦題:「悪への誘い」 * 脚本:Lauren Gussis * 監督:Alik Sakharov * 初回放映:2012-11-04 ---- ===== 概要 ===== デクスターは、ハンナの夫が若くして心臓発作で死んでいることを知り、余罪を追及しようと決める。そのために、まずは彼女の警戒心を解いて和解しようと考え、血痕に関する報告書を書き換えて「殺人はランダル単独の犯行」と結論付ける。そしてハンナの園芸店を訪ね、「疑って悪かった」と謝り、家に飾る花を買うという口実で夫のことなどを探ろうとする。ハンナはこの園芸店を、前のオーナーである恩師のビヴァリー・グレイから引き継いでいた。ビヴァリーもまた病死していることから、デクスターは夫だけではなく彼女もハンナに殺されたのではないかと疑う。 ノンフィクション作家、サル・プライスがデボラを訪れる。プライスはランダルとハンナについての本を書いていたが、遺体発見のニュースを聞いて記述を改めるという。デクスターはファンだと言って近づき、探りを入れる。ハンナは更生施設で性的虐待を訴えたことがあり、その直後に加害者はネズミの駆除剤で死亡していた。 デクスターはプライスの自宅に忍び込み、調査資料をコピーする。プライスの調査によると、ビヴァリーはトリカブトで殺害されている。 アイザックはジョージを呼びつけ「すぐにここから出せ。誰かを殺しそうだ」と命じる。ジョージはクインを買収しようとして一度失敗していたが、もう一度クインを呼び出し、ナディアをネタに脅して「証拠品の血液を処分しろ」と言う。クインは引き換えに「ナディアのパスポートを返して自由にしろ」と要求。 ラグェルタはデボラを呼び、「容疑者が姿を消した事件もベイハーバー・ブッチャーの仕業ではないか」と言ってジョーダン・チェイスの事件を挙げる。 デボラはラグェルタの動きを伝え、ジョーダン・チェイスの事件でルーメンが共犯だったことを聞き出す。リタが殺された家にルーメンを住まわせたことにショックを受ける。 デクスターはハンナの店で働く男に話を聞き、ビヴァリーが病気になってからはハンナが一人で世話をしたこと――つまり、毒を盛れたのはハンナだけであったことを知る。ハンナの庭にはトリカブトがあった。しかも花を摘んだ形跡がある。デクスターは戻って来たハンナと会話し、サンタ・ランドへ誘う。 クインは証拠保管室に入り、証拠品の血液サンプルをポケットに入れる。 デボラはプライスをデートに誘い、ハンナ殺人犯説を聞かされる。 デクスターはハンナとともに夜のサンタ・ランドに忍び込む。そしてハンナに人工の雪を見せてから注射を打ち、いつものようにラップ巻きに。しかしハンナは怖がる様子を見せず「好きなようにすれば良い」と言う。デクスターはハンナを殺さず、代わりにラップを断ち切って衝動的に愛し合う。 ---- ===== 感想 ===== 冒頭。ハンナの夫の死因を知り、「まだ若いのに心臓発作?」と疑問を感じたデクスターが「しかし心疾患を持つ人は多い」と思い直す。そこで亡霊(幻覚)ハリーが「私もそうだった」と言う。シーズン2の「ハリー自殺説」はまだ有効なのだろうか。デクスターに殺人技術を仕込んでおきながら、いざ本番の殺人を目の当たりにすると、その残酷さに耐え切れず自殺した、という真相が語られていた(シーズン2「ハリーの死の謎」)。ただし書類上は事故(薬の過剰服用)で、それが心臓疾患の薬だったのだっけ。 それはさておき、ラグェルタの追及も止まらない。どんどん真相に迫ってきている感じなのが怖いが、でもジョーダン・チェイスの件は、事情を知らずに聞けばデボラの説に一理あると思うのではないか? 被害者像も、2人組での犯行も、他の一連の犯行とは手口が違う。視聴者は、ラグェルタが真相に迫っていることを知っているけれど、劇中ではまだ「ドークスの無実を信じるあまりの妄想では」と思えなくもない段階。しかしジョーダンの件を調べ始めたなら、逃亡中とされているトリニティの件が想起されるのも時間の問題だろう。そして「被害者の夫」であるデクスターの存在も……。 しかしジョーダン・チェイスの件から、ルーメンが共犯だったことがデボラに知られてしまった。デクスターの正体を知り、なおかつ今も生きているのは、デボラ以外にはルーメンしかいないはず。デクスターは「彼女は絶対に自分を裏切らない」と言うが、どうだろう。仮に一連の犯行が露見することがあり、ルーメンが逮捕されたとすると、終身刑や死刑を回避するためなら、ハンナがランダルにしたようにデクスターを裏切るのではないか? そしてハンナとの関係はラストで大きく方向転換。まだ6話だし、ここで殺すのは早すぎると思っていたらやはり……。 今までデクスターが台に乗せた殺人者たちは、あのスペルツァーでさえも恐怖に叫び、命乞いをしてきたが、ハンナは落ち着き払って「好きなようにしろ」と言う。肝がすわっているのか、デクスターは自分を殺さないという確信があるのか、あるいは自分であれ他人であれ「死」を進んで受け入れる人なのか。 ハンナについては、まだ何か隠された面があるような気がする。 あのハンディマンはどうなんだろう? 演じているのがCSIのベガ刑事の人なので、デクスターが聞き込みをするワンシーンだけで終わりそうな気がしないのだが……共犯者とか恋人とか、あるいは次の被害者ということはないだろうか。(考えすぎ?) --- //Yoko (yoko221b) 2015-03-24// [<>]