Law & Order - Season 3, Episode 4 ====== #48 The Corporate Veil ====== * 邦題:「ファミリー・ビジネス」 * 監督:Don Scardino * 脚本:Michael S. Chernuchin, Joe Morgenstern * 初回放映:1992-10-14 ---- ===== 事件概要 ===== ==== People vs. Jeffrey Suiter (判事:Eric Bertram) ==== 自動車を運転していた若者ロベルト・マルティネスが突然心臓発作を起して死亡する。ロベルトは心臓に疾患があり、ペースメーカーを使用していた。ペースメーカーを製造したBioNorm社は、事故直後にロベルトの母親に5万ドルの提供を申し出てきたという。調べてみると、同じようにBioNorm社のペースメーカーの動作不良で死亡した患者が何人かいたが、いずれも同社から和解金の提供を受けていた。 クレイゲン警部は事件性はないものと考えて捜査を打ち切ろうとするが、セレタ、ローガン両刑事は、BioNorm社のクリアリー社長が何か隠しているのではないかと疑い、捜査を継続。 クリアリーをさらに追求した結果、ロベルトが使用していたペースメーカーは、別人に売却された物で、ロベルトには「中古品」が使用されたことがわかる。BioNorm社はマルティネスと直接関係はなかったが、ことが公になると外聞が悪くなるということで和解金を申し出たのだった。 最初にペースメーカーを購入した医師はそれを自分の患者に使用したが、その後、新型のペースメーカーに交換し、古い物は医科大学に教材として寄付していた。大学の職員は不要な教材を売って副収入を得ており、問題のペースメーカーは中古品ディーラーが調整して新品同様の機能を持たせたうえでリサイクルしていた。そのこと自体は完全に合法な行為であったが、ロベルトの主治医とBioNormのデータを照合してみると、電池の寿命に関するデータが改ざんされていたことがわかる。主治医はペースメーカーをテストし、電池の寿命も確認していたが、事故当時、電池の寿命はとっくに切れていたのだ。中古品ディーラーのジェフリー・スーターは第2級謀殺および第3級重窃盗罪で起訴される。 だが、食品医薬品局の職員が調べた結果、ペースメーカーの動作不良はバッテリーの消耗ではなくリード線が腐食したためであるとわかる。この種の腐食を調べるには伝導試験が必要だが、それはメーカーでは通常行わない試験だった。腐食とリサイクルは無関係であり、バッテリーが死因でない以上、日付改ざんは詐欺罪にしか問えない。 ==== People vs. Steven R. Cleary (判事:Ben Harcourt) ==== 改めてBioNorm社の製品を調査すると、動作不良を起したペースメーカーはすべて同時期に製造されたもの。その当時、部品の購入を担当していたのはクリアリー夫人だった。BioNorm社の前身は、クリアリー夫人の父親が持っていた会社だった。リード線はAsian Pacific Trading社から輸入され、息子のスティーヴンが検査していた。 4年前、同じようにAPT社からリード線を輸入した企業は他にもあったが、他社は不良品を使用せず廃棄していた。そして皆同じように「自分だけが不良在庫を掴まされた」と思わされたため、話が業界に広がることはなかった。そしてBioNorm社だけが実際に不良のリード線を使用したのだった。検査担当のスティーヴンが逮捕され、第2級謀殺罪で起訴される。 当時スティーヴンは検査技師とはいえMITを卒業したばかり。検事は本来の責任者はスティーヴンの母親だったのではないかと疑う。クリアリー夫人はMITで電気工学を学んだ専門家であり、かつ副社長という重役でもあった。ストーンは「君の母親を逮捕してもいい」と脅しをかけて証言させようとするが、実は不良品の使用をゴリ押ししたのは父親の方だった。リード線の不良が判明してからクリアリー夫人とスティーヴンは伝導検査を行って危険を予測していたが、父親がリコールを許可しなかったのだ。 ---- ===== 感想 ===== 話が二転三転し、法廷物よりもミステリ的な面白さの強いエピソード。珍しく前半(警察パート)が面白かった。ペースメーカーの動作不良 → メーカーが怪しい? → 中古品かよ! → 横流し? → え、バッテリーじゃないの? → やっぱり不良品か! と、関係者をぐるっと一巡して最初のBioNormに戻って来る過程で、医療器具の製造や流通をめぐる様々な問題が紹介されるという語り方が面白い。あらすじを書いてみるとけっこう色々な要素が詰め込まれているのだが、語り方に無理がなく自然に語られている点も良かったと思う。そんなこんなで、最後のひとひねりはあまり印象に残らなかった、かな。 今回、元ネタになった事件は特に紹介されていないが、ペースメーカーのリサイクルは実際にあるようだ。また、人が使っていたものをペット用にリサイクルすることもあるとか。 * [[http://eurheartj.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/19/1/154|Re-used pacemakers - as safe as new?]] --- //Yoko (yoko221b) 2008-03-09// [<>]