Law & Order - Season 4, Episode 22 ====== #88 Old Friends ====== * 邦題:「旧知の友」 * 脚本:Joshua Stern * 原案:Robert Nathan, Joshua Stern * 監督:James Quinn * 初回放映:1994-05-25 ---- ===== 事件概要 ===== ==== People v. Nikolai Rostov & Steven Green (判事:Margaret Barry) ==== 実業家のハリー・レンクマイヤーが車道でトラックにはねられて死亡する。当初は近くにいたホームレスの男が突き飛ばしたと思われていたが、無関係と判明。レンクマイヤーはトラックにはねられた時、すでに銃で撃たれて死亡していたのだ。 レンクマイヤーは、ベビーフード会社でCFOをしていた。共同経営者たちはビジネス上の問題はなかったと言うが、妻の話では仕事を辞めたがっていたらしい。数週間前には、家にあった自社製品をすべて破棄し「うちの子に食べさせるな」と言ったという。 レンクマイヤーはアン・マドセンとともに銀行から200万ドルを借り入れて事業を始めたが、当初業績は思わしくなかった。銀行は返済を求めたが、その後彼らは新しいパートナーを得て危機を脱していた。新パートナーのスティーヴ・グリーンは「ベンチャーキャピタルグループから資金を得た」と説明するが、それはどうやら架空会社。グリーンはロシア出身で本名をサーシャ・グルスコフといい、詐欺や売春などを行っているグルスコフ・ファミリーの親族であることがわかる。 一方、レンクマイヤーの殺害現場では薬きょうが発見され、指紋からニコライ・ロストフという人物が浮上し、ロストフは第2級謀殺で起訴される。 アン・マドセンは、レンクマイヤーが殺される前に、グリーンのオフィスでロストフを見たことを思い出す。レンクマイヤーは死ぬ直前、ポーランドから仕入れたアプリコットにカビが生えていることを知り、政府機関に報告しようとしてグリーンと口論していたという。 だが、ロストフとグリーンが一緒にいたというだけではまだ犯行に結びつかない。ストーンはロストフに証人保護を申し出、さらにジョセフ・アンドレーエフをロストフが拘置されているライカーズに移送させる。アンドレーエフは2年前、グルスコフ・ファミリーに不利な証言をした証人を殺害したという前歴の持ち主。ストーンは「協力すれば安全な刑務所に入れてやる」と言ってロストフを脅し、強引に協力を取り付ける。グリーンは逮捕され、第2級謀殺で起訴される。弁護人は「ロストフに証言を強制した」と排除を求めるが、判事の判断で証言は採用。 だが、アン・マドセンのもとには無言電話などの脅しが繰り返され、マドセンは「証言をしない」と言い出す。ストーンは、証人保護プログラムを適用するからと強引に説き伏せるが、公判で証言台に立ったマドセンは「事件より前にロストフを見たことはない」と証言する。ストーンはマドセンを偽証罪で逮捕させる。 ロストフは、スティーヴ・グリーンに頼まれて殺害したと証言するが、その理由までは知らないため動機の立証ができない。マドセンが証言しない以上、判事は事件の棄却を認めざるを得ないと言う。ストーンは改めて「殺人の共謀罪になる」「いずれにせよ命を狙われるだろう、協力すれば守ってやれるが、しないというなら自分の身は自分で守れ」とマドセンを脅し、何とか証言にこぎつける。マドセンは再び証言し、グリーンには有罪の評決が下される。 ストーンはマドセンを自宅から別の場所へ移そうとするが、その途中でマドセンは銃撃され死亡する。銃撃犯はその場で射殺され、身元は不明のまま。グリーンは「証人に強制した」と控訴し、ストーンはシフに辞職を願い出る。 ---- ===== 感想 ===== ストーン検事~~~ :cry: このエピソードはベン・ストーン役のマイケル・モリアーティが出演した最後のエピソードであり、以降ストーン検事は Law & Order の世界から姿を消してしまう。:-( :-( :-( 降板の事情は詳しいことは知らないのだけど、モリアーティ自身の事情がいろいろとあったらしく、この後ゲスト出演もスピンオフへの異動もなし。降板がいつ頃決まったのかも知らないが、今シーズン、特に後半のエピソードではストーン検事が苛立ちを見せたり、法廷で強引な尋問を行うことが何度かあったように思う。このエピソードだけを見ると、辞職の場面が唐突に見えなくもないが、この結末を踏まえてここ最近のエピソードを思い出してみると、検事が少しずつ追い詰められていき、このエピで一線を越えてしまったように見えて、何だか痛々しい。 これで最後だからと、特に個人ストーリーに仕立てたり他のメンバーにさよならを言って回るような送別会エピにしたりしないのがL&O流なのだろう(いや、これでもクレイゲン警部やロビネット検事に比べたら辞職場面があるだけでも特別エピかもしれないけど)。シフとだけ言葉を交わして出て行くラストシーンは、いかにも「ひっそりと去る」という感じで、それが寂しさをよりいっそう強く感じさせる。さようなら検事、そしてありがとう。揺るぎない倫理観とプロ意識に支えられた検事のキャラクターはまさに、Soul of Law & Order と呼ばれるにふさわしいものであったと思う。 {{http://hermitage.rdy.jp/csi/img/caps/lao_088.jpg}} だが、それにしても今回の検事のやり方は強引だ。実行犯に対しては殺し屋を同じ拘置所(刑務所)に送り込んで脅し、証人が命の危険を感じて偽証すればその場で逮捕。偽証罪だけならマドセンも「収監されたって死ぬよりまし」と思ったかもしれないが、殺人の共謀罪になる(んですか?これで)とか、どっちみち殺されると言って脅したり、ちょっとこれはやりすぎじゃないかと思った。 証人は死亡、検事は辞職、実行犯は取引したのでそのまま刑に服すのだろうが、肝心のボスは控訴審で無罪になりそうな気配(重要な証人が死亡しているし、グリーンがその殺害を指示したことも証明はできないだろう)。あ~空しい。証人を犠牲にした結果がこれなのか。あの会社はもうベビーフードを作れないかもしれないが、汚染された原料を供給している元が断たれていないので、また別の経路で人々の食卓に運ばれていくのではないか。これを書いている現在の日本でも、食の安全が脅かされる事件が何度も起きているので他人事ではない。 でもアン・マドセンを演じていたのがTWWのCJことアリソン・ジャニーだったので、どうしても彼女が死んだとは思えず……。あれは偽装死で、彼女は数年後に報道官としてホワイトハウス入りするんでしょ? とか考えてしまうのだわ。ロシアンマフィアもホワイトハウスまでは追って来られないもんね~、うまく考えたものよ。(違) --- //Yoko (yoko221b) 2009-02-24// [<>]