Law & Order: UK - Season 1, Episode 4 ====== #4 Unsafe ====== * 邦題:「因縁の棲家」 * 脚本:Chris Chibnall * 原案:Sibyl Gardner * 監督:Andy Goddard * 初回放映:2009-03-16 ---- ===== 事件概要 ===== ==== Crown v. Luke Slade ==== 死後数年を経たと思われる遺体がカナリーワーフの岸で発見される。処刑スタイルで射殺されており、身元は不明だったが、高級腕時計の管理番号や膝に入っていた治療用ボルトなどから氏名はデイヴィッド・アクロイドと判明。アクロイドは1999年に失踪し、殺害されたものとみなされていた。遺体未発見のままルーク・スレードが有罪判決を受け、現在も収監中。事件の担当検事はスティールだった。 以前の裁判では、共犯者のニューマンが「スレードが首を切って殺し、チェルシーの工事現場に捨てた」と言っていたが、今回の発見場所はそこから遠く離れた場所で、殺害の手口も異なる。ニューマンは「殺すところは見ていなかったし、確かに言った通りの場所に埋めた」と主張する。 ルーク・スレードは今回の発見を受けて再審を申し立て、事件は控訴院に差し戻される。スレードは収監中に法律を学び、自ら弁護人となる。 再捜査が始まり、ブルックスとデヴリンは9年前の証言や証拠品を洗い直す。 アクロイドの身体にはチェルシーの土が付着していた。また、スレードの恋人の車が見つかり、そこから遺体を包んでいたシーツの痕跡も発見される。つまり、スレードは遺体を遺棄した後にニューマンが自白することを怖れ、遺体を掘り起こして車で移動させた可能性があった。 検察側の重要証人はニューマンだが、再審の直前になってニューマンが姿を消す。スレードは「反対尋問ができないから」とニューマンの以前の証言を排除するよう求め、判事はそれを認めて証言を排除する。 スレードと同房だったダニー・ドイルは「遺体を動かしたことを聞いた」と証言し、元恋人のエレーナはスレードの部屋で「デイヴィッドを殺す」と書いた日記を見たと証言する。しかしドイルは以前、警備の軽い刑務所への移送と引き換えに偽証したという前歴があり、またエレーナもスレードとの男女関係がこじれて彼を恨んでいた。 陪審は無罪の評決を下し、スレードは悪意訴追でスティールを訴える。 スティールはドイルに圧力をかけ、共犯者として工事現場で働くフレディ・マーティンズの名前を聞き出す。マーティンズは逮捕され、車のトランクからニューマンの遺体が発見される。ドイル、マーティンズ両名の供述書に基づき、スレードはニューマン殺害容疑で逮捕される。 ---- ===== 感想 ===== 今回のオリジナルは、本家シーズン4の「過去から届いた挑戦状」。 うーん、4話目でこれを持って来るか……。本家でこれを見る前は「ストーン検事のネメシス登場か!」と、期待したのだった。しかし見終わってみれば、検事よりもむしろ敵役のゼルさんことジェリコ・イヴァネクの方が印象が強かった。また、事件の全容がいまいち「?」な感じで。この被告人に対しても「いったい何がしたかったんだ?」というか「それだけ頭良いんなら、もっと早く何とかしとけや」と言いたくなるような感じがあった。 で、UK版はどうだったかというと。ストーリーよりスティール検事のキャラを構築するためにこの話を敢えて選んだのかな? という印象で、むしろ検事に注目して楽しめた。段ボール箱を投げたりするところなんか、けっこう激情タイプ? あの後、やはり中身を自分で拾って詰め直したのだろうか。 でも被告人役は本家の方が良かったかな。ゼルさんの冷血で邪悪でありながらどこか一本抜けているようなキャラ描写(←褒めてます)には不思議な魅力があったと思う。今回の彼は「ワル」さの印象や迫力では勝っているものの、上述したような抜けっぷりがいまいち納得できなかった。もっと緻密に事件を構築して手ぬかりなくやっていれば、迫力のある殺人犯だったろうな……と思うと惜しい。 ところで、このエピでは本家と同じく被告人が自ら弁護人として法廷に立つのだが、イングランドでもこういう制度(pro per)はあるのだろうか? ……と思ったら、シーズン2でも同じように自己弁護する話があったので、制度としてはあるのだろうと思う。 --- //Yoko (yoko221b) 2010-06-27, 改訂 2015-06-26// [<>]