Law & Order: UK - Season 1, Episode 8 ====== #8 Samaritan ====== * 邦題:「善良な心」 * 脚本:Chris Chibnall * 原案:Robert Nathan, Walon Green * 監督:Andy Goddard * 初回放映:2009-07-30 ---- ===== 事件概要 ===== ==== Crown v. Ray Griffin ==== 警官のニック・ベントリーが麻薬取引を目撃して応援を要請するが、その直後に撃たれて死亡する。パートナーのグリフィンは離れた場所におり、無線を聞き違えて別の通りへ行ってしまっていた。 現場ではベントリーと麻薬売人が1名死亡しており、もう1名の売人は逃走。指紋を残していたテオ・カーソンが逮捕され、目撃者もカーソンを特定する。カーソンは、警官を撃ったのは死んだ売人のエイドの方だったと主張。取引中に突然警官が現れたので、エイドがパニックを起こしてベントリー巡査を撃ち、「ワナにかけたな」と言ってカーソンのことも撃ってきたので、カーソンが撃ち返してエイドを殺したという。 カーソンは取り調べで「近くに警官がいたのに、仲間を助けようともせず隠れているだけだった」と言う。ブルックスはその供述を気にして調べようとし、「仲間を調べるなんて」というデヴリンと対立する。 ベントリーについて調べてみると、以前は優秀で問題なかったが、3ヶ月前から急に遅刻や欠勤が増えたことがわかる。ちょうどその頃、ベントリーはゲイであることを仲間に知られていた。 無線を聞き違えたというパートナーのグリフィンに詳しく話を聞くと供述が矛盾しており、デヴリンも疑惑を認める。 グリフィンは「信仰の友」という警官グループで支部長を務めている。これは宗教的な強硬論のグループでベントリー自身も性的指向を隠して所属していたが、ゲイであると知られて脱退していた。 ブルックスは起訴を持ち掛ける。スティールは「内部で処理してはどうか」と言うが、ブルックスの説得に応じて同意する。ベントリーを殺した直接の原因はエイドの発砲だが、仲間の到着があと数分早ければ助かっていた可能性もあったためだ。グリフィンはベントリーやその他ゲイを公言する警官のロッカーに彼らを非難するチラシを入れたりもしていた。 だがキャッスルは故殺には反対。スティールは同じ刑期で公権乱用罪を適用することにする。 現場付近のCCTV映像は、管理人から「ない」と言われていたが、改めて探してみたところ、グリフィンの部下のバーニーがひそかに先回りして入手していたことがわかる。その映像には、ベントリーが応援を要請したまさにその時、グリフィンが近くに隠れている様子が映っていた。バーニーに対し、グリフィンは「神の手に委ねた」と言ったという。 しかし弁護側は映像が不鮮明なことを理由に排除を申し立て、判事もこれを認めて映像は排除。バーニーもいざ証言台に立つとグリフィンをかばい「映像は見ていない」と言い出す。結局、グリフィンには無罪の評決が下される。 ---- ===== 感想 ===== 本家エピはシーズン3の「無情という名の動機」で、話の大筋も判決も同じだが、罪状が本家が第2級謀殺(Murder 2)だったのに対して、こちらは公権乱用罪(Misconduct)。本家の謀殺は罪が重すぎるような気がしていたが、公権乱用罪でもやはり無罪なのか……。 本家放送は1993年。それから15年以上経ってもやはり偏見の壁は厚いのだろうか。いや、今回の判決に限っては証拠が弱すぎたのが良くなかったのだろう。映像は排除されてしまうし、バーニーの証言も取れなかったのだから。グリフィンたちのグループは特に強硬なグループであって、決して平均的な警官像ではないと思いたい。 評決にはガッカリだったけれど、刑事2人が聞き込み捜査をして回る場面でロンドンの風景がいろいろ見られたのは良かった。タワーブリッジも見られたし。 最近は合成技術が発達してロケなのか合成なのかわからない映像も多いが、「本物」にこだわるディック・ウルフ氏のことなので、ちゃんとロンドンでロケしているのだろうと思う。しているよね? --- //Yoko (yoko221b) 2015-09-14// [<>]