Law & Order: UK - Season 1, Episode 9 ====== #9 Hidden ====== * 邦題:「無言の嘆き」 * 脚本:Emilia Di Girolamo * 原案:René Balcer, Jeremy Littman * 監督:Julian Holmes * 初回放映:2009-08-06 ---- ===== 事件概要 ===== ==== Crown v. Nick Carlton ==== 行方不明の少女、ジョディ・ゲインズの遺体がシーツにくるまれた状態で発見される。死因は、口をふさがれて吐瀉物が詰まったことによる窒息。ジョディは学校の帰りに行方不明になり、父親のレニーが警察にずっと拘束されていた。 ジョディはギター教室に行ったことになっていたが、実は行っていなかった。タクシー運転手が指定された場所よりも手前で降ろし、嘘をついていたのだった。 改めて足取りを調べ直したところ、ジョディとともにガラス業者の不審なバンが映っていることがわかる。運転していたのは大量の犯歴を持つニック・カールトンで、アリバイを確認するために母親の家を訪ねると、遺体を包んでいたシーツと同じ柄の枕カバーがあった。ジョディの手についていたガラス片もニックの車の物と一致し、ニックは逮捕される。 ニックは起訴されるが保釈される。しかし法廷を出たところでジョディの母ケイリーが飛び出し、ニックを刺殺。ケイリーはその場で逮捕されるが、世論はケイリーに同情的だった。 ==== Crown v. Kayleigh Gaines ==== ケイリーは起訴され、故殺で有罪の評決を受けるが、刑期は12ヶ月で執行猶予2年という軽いものだった。 だが判決の後、ニックを雇っていたファリスとケイリーが同じ更生施設におり、恋人関係だったことがわかる。問い質されたファリスは、ケイシーにニックを紹介したことを認める。ケイリーは、元夫が娘と面会させなかったため、ニックと共謀してジョディを誘拐したのだった。 レニーは「ケイリーは良い母親だった」と証言していたが、それはケイリーに同乗し、弁護士に勧められて言ったことだった。以前に面会させたとき、ケイリーはジョディを宿に閉じ込めて薬物を買いに行ってしまい、それで面会を断ったのだ。 ケイリーが隠していた携帯電話が発見され、ニックと連絡を取っていたことがわかる。ケイリーは「誘拐だけのはずだった」と関与を認める。しかしニックの母は、ニックから「ジョディの具合が悪くなった時、ケイリーが病院へ運ぶことを禁じ、泣いたら口にテープを貼るよう言われた」と聞いたという。 ケイリーは誘拐で起訴され、誘拐はファリスのアイデアだったと主張する。娘が誘拐されれば世間の注目を浴び、取材を受けて謝礼をもらい「普通の母親になりたかった」と言い、娘を奪ったレニーを罵り「誰も私を助けてくれない」と取り乱して叫び、結局有罪の評決を受ける。 ---- ===== 感想 ===== 本家の元エピはシーズン6のプレミア「復讐の代償」で、カーティス刑事初登場の巻。なので、前半の方では刑事2人がまだしっくり馴染んでおらず、少々つんけんしたやりとりがあった。また監視カメラの映像を分析したりする場面なども、これまでにあまり見られなかったハイテク捜査であって、カーティス刑事の登場とともに新しい時代が来ているのかなと感じさせた。 対してこちらの方は、ブルックスとデヴリンはいつもの調子だし、CCTVがあちこちにあって当たり前な現代のロンドンでは、まず映像を押さえるのは基本中の基本。なので、いささか平坦な描写のように思えた。後半の方でも、本家のマッコイは偽証の教唆になりかねないようなことを言ってキンケイドと対立するが、その場面は省略。スティール検事の人柄を考えると、省略したこと自体は正解だと思う。しかし、前半でも後半でも引き算ばかりするというのはどうなんだろう。 ……と、DVDで最初に見た時はそのような感想を抱いたものだったが、それから5年経った今、本家の記憶も薄れた状態で改めて見てみると、これはこれで面白いじゃないの! と、ぐっと好感度アップ。この変化は何? やはり本家と比べてあーだこーだと言うのが精神的に良くなかったのかな。本家ファンなので、どうしても本家をえこひいきしてしまうのよね……。UKはUKで面白いドラマなのだということが、5年経ってようやくわかってきた感じ。 --- //Yoko (yoko221b) 2015-09-14// [<>]