Without a Trace - Season 1 ====== #6 Silent Partner ====== * 邦題:「二重生活」 * 脚本:Greg Walker * 監督:Randall Zisk * 初回放映:2002-10-31 ---- ===== 事件概要 ===== ==== 失踪者:パトリック・ケント(43歳、投資銀行副頭取) ==== サンディエゴの空港でチェックインした乗客パトリック・ケントが、搭乗しないまま姿を消す。預けられていた荷物はスーツケースが2つだが、いずれも中身は空だった。状況から考えて自発的に姿を隠したとしか考えられなかったが、パトリックは投資銀行の副頭取をしており、頭取で義理の父であるノア・リダーは財界の大物。そういった事情によりマローン班が捜査に着手、マーティンはダニーとともにサンディエゴに出張する。 パトリックは月に2度、仕事でサンディエゴに出張していたが、妻はそれが不満で、サンディエゴの仕事から彼をはずすよう父親(頭取)に頼んでいた。NYでは投資家たちから訴訟を起され、パトリックは交渉の矢面に立って苦労していたという。捜索依頼は義父のリダーから出されたはずだが、当のリダーはなぜか捜査に非協力的。マローンはその点を不審に思う。 パトリックは出張中に住むはずの社宅を利用せず、NYの生活とは正反対の庶民的な生活をしていたらしいとわかる。パトリックが購入した洗濯機の配送先を訪ねると、そこには女性が息子とともに住んでおり、彼女はパトリックの妻であるという。失踪のことはまったく知らなかった。パトリックはNYとサンディエゴで別々の家族を持ち二重生活を送っていたのだ。また、ダニーとマーティンは、パトリックのことを調べまわっていたらしい怪しい人物がいたことを知る。 その後、パトリックについて調べていたのはリダーが雇っている調査員らしいと判明。パトリックは銀行の違法行為に関して、証券取引委員会に内部告発をする準備を進めていた。パトリックは証拠書類を渡し、失踪の翌日に残りの書類を渡す予定だったという。リダーと妻はパトリックの行動も現地妻のことも、すべて把握していたのだ。妻は空港にいるパトリックに電話をかけて彼をなじり、その直後に彼は失踪したのだった。 サンディエゴでパトリックを訪ねて来た不審な人物は、緑色のトラックに乗っていた。サンディエゴ在住の原告のなかに、緑色のトラックに乗っている者が1人だけいた。トンプキンズというその男に事情を聞くと、彼は「パトリックを尾行した」と認めた。訴訟の件で、パトリックは原告たちに誠実に対応していたが、トンプキンズはその彼に裏切られたと思い込み、空港で思わず激昂して詰め寄ってしまった。パトリックは彼を振り切って車で空港を出て行ったが、スピードを出しすぎて橋から河へ転落したという。 パトリックの車は、トンプキンズの言った場所に沈んでいた。だが遺体はついに発見されなかった。その後、証券取引委員会宛にパトリックからの小包が届く。銀行を内部告発し、義父リダーの罪を立証するのに十分な証拠となる書類だった。 ---- ===== 感想 ===== イヴに続く2人目の死亡失踪者か? ――と思われたが、やっぱり生きてるよね、これは。「事故」の後、サンディエゴの妻子と合流して、無事にどこかへ逃げたか。公式には「死亡推定」で捜査終了だが、実質的にはシリーズ初の未解決事件ということになろう。 空港で失踪した男性、彼が送っていた二重生活――パトリックの人物像をめぐる捜査官各人の見解が面白い。マローンとサマンサ、ダニーとマーティンにそれぞれの評価を語らせることで、捜査官自身の人物像を間接的に描いている。という点で、ダニーとマーティンがまったく異なる事情で、それぞれに孤独な少年時代を送ったらしいこともわかったりなんかして。星に恋しい人の名前をつけるとか、一緒に暮らしていても父親が冷淡、とかいうのは彼ら自身のことなのだろう。 それにしてもNYの奥さん、夫は蒸発(死亡推定)するし、父親は逮捕されそうだし、これからどうするんだろう。考えてみればパトリックは、子どもは要らないと言いながら、別の女性の連れ子を自分の子のように可愛がって幸せな家庭を手に入れ、本来の(先に結婚した)奥さんを孤独の中に打ち捨てて行ったわけだ。それ、やっぱひどい奴じゃん! ――と、こういう感想からも、プロファイルが垣間見えてしまうのだろうか。やば! ---- ===== 使用楽曲 ===== * Staind "Outside"(アルバム "Break the Cycle") --- //Yoko (yoko221b) 2008-03-11// [<>]