Without a Trace - Season 3, Episode 11 ====== #58 4.0 ====== * 邦題:「16歳の誤算」 * 脚本:Jennifer Levin * 監督:Kenneth D. Collins * 初回放映:2005-01-06 ---- ===== 事件概要 ===== ==== 失踪者:タラ・パターソン ==== 名門の進学校に通う16歳の女子生徒、タラ・パターソンが失踪。バスに乗る直前に「今日は歯医者の予約があるから」と言って友達と別れていたが、母親に聞いてみると歯医者の予定などはなかった。 タラはハーバードへの進学を目指す優秀な生徒だったが、ここ数ヶ月は様子がおかしく、合法ドラッグを摂取して体調を崩したりしていた。水泳部も止めてしまい、「お金が必要だから」とクラスメートたちのレポートを大量に代筆していた。 失踪した日の夜に、タラが親友のネルと会っているところが目撃され、問いただしてみると「タラは年上の既婚男性と不倫しており、奥さんがいないから彼の別荘に誘われて旅行に行った」と言う。タラのノートからそれらしい氏名を探して訪ねて行くと、その男ジェイミソンは無料クリニックの医師。タラは愛人などではなく患者で、妊娠していたという。わかった時にはもう中絶も不可能な時期になっていた。 母親は妊娠を知らなかったが、合宿セミナーで男の子と知り合って初体験を持ったことは知っていた。相手は別の進学校に通う少年ギャビン。ギャビンのもとへは、前日にタラから電話があり、赤ん坊が生まれそうだというのだが、ギャビンはどうすることもできず、そのまま電話を切っていた。 電話の発信元はネルの父親のオフィス。そこへ行ってみると、血まみれの毛布とハサミが落ちており、デスクの下にネルが隠れていた。 ネルはタラの妊娠のことを知り、カリフォルニアに住む姉の所へ行って出産をするよう計画を立てていた。だが実行に移す前に早産で陣痛が始まってしまったため、タラを父のオフィスに匿ったのだ。ネルはオフィスのパソコンで出産の方法を調べながら懸命に介助し、明け方に何とか出産を済ませてへその緒を切ったが、ネルがいない間にタラはどこかへ行ってしまっていた。 付近一帯の病院に問い合わせると、近くのERの看護師がタラと赤ん坊を目撃していた。何に対しても計画的なタラの傾向から、落ち着いて今後の計画を立てられる場所へ行ったと推測された。ERの近くにダウンタウン方面へのバス停があったことを考え合わせ、ジャックは学校へ向かう。タラと赤ん坊はプールサイドに座っていた。 ---- ===== 感想 ===== 久しぶりに、身近な失踪者を描いた佳作といった印象。大掛かりな設定もなく、ヒネりもそれほどではなく、淡々と関係者の話を聞きながら失踪者の姿を描き出していくという、先が読めるといえばそうなのだが、良い意味で無難にまとまった作品であったと思う。タラが冒頭でバスに乗らなかった本当の理由は、そういえば何だっけ? と思ったくらいか。 タラとローズの「その後」を考えると、あまり良い発想も出てこないのだが、とりあえずドラマとしては一件落着して美しく終わったという所で良いと思う。 タラと母親が無事に再開して抱き合った場面での音楽、Joni Mitchellの "Little Green" がまた良くて。狙い通りというか、まんまと泣いてしまったばかりか、iTunes Store で買ってしまったじゃないかぁ~。 前回、養育権をあきらめたジャックだが、下の娘とはこまめに電話で話しているようだ。ただ上の娘とは相変わらずうまくいかないようで、今回は「お姉ちゃんはデート」でいなかったらしい。仕事柄、娘がデートと聞くといろいろ余計な心配もしてしまうだろうが、家族を失ったジャックの気持ちが、失踪したタラの上に微妙に重なってくるような演出が良い感じ。そう、捜査官の個人事情はこの程度のトーンに留めておくぐらいがちょうど良いような気がする。 --- //Yoko (yoko221b) 2008-01-07// [<>]