Without a Trace - Season 4, Episode 10 ====== #80 When Darkness Falls ====== * 邦題:「幕が下りる時」 * 脚本:Diego Gutierrez, Hank Steinberg * 監督:Jeff Thomas * 初回放映:2005-12-08 ---- //But at least now you're not alone and you have someone who loves you coming to help.// ===== 事件概要 ===== ==== 失踪者:ドナことカーメン・ケインことカーメン・クスコウスキ ==== サマンサは、ソーシャル・サービスに勤務する友人から「記憶喪失の若い女性がいる」と相談されて出かけて行く。彼女は5日前に薄着で厳寒の街をさまよっているところを保護されていた。身体に異常はなく、知能も普通にあるが、自分に関する記憶だけがなくなっているという。心理的外傷の影響であると思われた。名前がわからないため、ドナ・カレンの香水をつけていたことから「ドナ」と呼ばれていた。 その後、ドナが血まみれのコートを着て歩いていたという目撃者と、ドナがパニックを起こして脱ぎ捨てたコートが見つかる。同じ日に起きた凶悪事件の記録と照合すると、ブロードウェイで刺殺されたサラスという男の血液型と一致する。その事実をドナに突きつけると、彼女は「男に襲われて、相手を刺した」というイメージを思い出す。それと同時に、大量の蜂と、窒息する少年のイメージを見たという。 だが、ドナの語った状況はサラス事件の現場と一致しない。ヴィヴィアンは「ドナは自供したので、事件は検察に引き渡すべき」だと言うが、納得できないサマンサはもう一度ドナに話を聞く。 一方エレナとマーティンは、ドナのコートに舞台用メーキャップが付着していたことから、彼女は女優ではないかと思いつく。実際、コートのポケットに入っていたメトロカードからは、小劇場が密集している地区の駅を多数利用したことがわかっていた。その付近で発生した別の犯罪記録を調べ直した結果、劇場の外でサーシャ・ニコルズという男性が刺され、その場にカーメン・ケインという女性が一緒にいたことがわかる。サーシャにドナの写真を見せると、彼は「カーメンです」と認める。 その日、サーシャとカーメンが劇場の外で話し合っていると、突然男がカーメンにナイフを突きつけ、サーシャから金品を奪った。男はカーメンを放したが、そこでサーシャが男に飛び掛り、刺されてしまったのだ。サーシャとカーメンの口論は彼女の演技のこと。彼女は弟を亡くした女性の役を演じていたが、オーディションでは素晴らしかったのに本番になるとなぜか精彩を欠いてしまったため、サーシャは役を降ろそうとしていたのだった。 だが、少年と蜂の件には説明がつかない。そこへ、カーメンが失踪したという報告が入る。自分が人を殺したと思い込んで逃げた可能性があった。彼らはカーメンを捜索する一方で、彼女の周辺を調べていく。カーメン・ケインは芸名で本名はカーメン・クスコウスキ。両親は外国におり、3歳年下の弟ノアは6歳で死亡。ノアは蜂の大群に襲われ、アナフィラキシーショックを起こして窒息死したのだった。カーメンが見た「蜂と少年」のイメージは弟の記憶と考えられた。カーメンは弟を亡くした女性の役を演じ、そこにノアのことが重なり、精神が不安定だった。そこへサーシャが刺されるというショッキングな事件が起きたため、心の防御機能が働いて記憶を失ってしまったのだった。 カーメンが収容されていた病院の監視カメラ映像を調べた結果、カーメンが病院を出ていないことがわかる。彼らは病院の中を探し回り、ようやくサマンサがカーメンを発見する。 ---- ===== 感想 ===== シーズン中盤に入るこの時期にはジャックの個人エピソードを入れることに決まったのだろうか。前シーズンの離婚騒動も10話だったし。今回ジャックは失踪者捜索にタッチせず父親の世話(事件じゃないので上のあらすじには入れていない)。前回の親友に続き、また身近な大切な人を失ってしまった。ようやく和解できたと思ったところだったのに――でも最後の最後で和解できて良かったと言うべきなのかもしれないが。 事件の方はサムが活躍。今シーズン、失踪者の発見が別の事件へつながっていたり、捜査官ではなく家族の視点から事件を描いたりと、変化球が多くなったような気がする。今回は「人」は見つかっているのだが身元不明なため「ポテンシャルな失踪者」として捜査が行われている。初期シーズンであれこれ手法を変えてくるのは「試行錯誤中なのか」「持ちネタ豊富なのね」とポジティブに捕らえるのだが、シーズン4にもなると「ネタ切れ?」とか失礼なことを考えてしまっていけない。 サムがカーメンに「貴女は独りじゃなく愛する家族がいる」と言う場面は、久々にWATらしい優しさが感じられて良かった。 でもそれより気になるのは、マーティンが前回の階段落ちでまた調子悪そうになってしまったことかな。ダニーも何だか心配そうだった。 --- //Yoko (yoko221b) 2009-02-25// [<>]