The Wire - Season 2, Episode 5 ====== #18 Undertow ====== * 邦題:「伏流」 * 監督:Steve Shill * 脚本:Ed Burns * 原案:David Simon, Ed Burns * 初回放映:2003-06-29 ---- //"They used to make steel there, no?" - Spiros Vondas// ===== 概要 ===== ダニエルズのチームには、新たにカーヴァーが加わる。カーヴァーは以前ダニエルズを裏切ってバレルに情報を流していた部下であるが、ダニエルズは「一度恥をかいて懲りた者は同じ過ちを繰り返さないだろう」との判断でカーヴァーを選んだのだった。ただし、巡査部長の肩書きは無視してグレッグスの下につくことになる。 ソボトカ捜査では、まずフリーマンとプレッズが通話記録と組合の財政面の調査。グレッグス、カーヴァー、ハークの3名は、ソボトカが麻薬犯罪に関わっていないかを調べることになった。港界隈は白人が多いので、今回はハークが前面に出ることになる。そこへ殺人課からフリーマンが到着し、ソボトカの写真を見て驚く。 ヴァルチェックはサンディエゴから車両の写真を受け取る。 ストリンガーは経済学の講義を受け、「アグレッシブな市場に粗悪な商品がある場合の選択肢は」と講師に質問する。ひとつは、商品の価格を下げてシェアを拡大することだが、価格を下げると「その商品は消費者の信頼を失うおそれがある」と、講師はワールドコムの例を挙げる。ワールドコムは粉飾会計でイメージが低下したため、社名を変更したのだ。 ジギーは麻薬の売買に手を出して儲けようとするが、金をごまかされ、供給元のグループに殴られ、さんざんな目にあってしまう。ニックは売人「チーズ」と交渉し、金を都合するまで1週間待ってもらえることになった。 バンクらは港湾労働者から話を聞くために、大陪審へと召喚するが、それでもたいした成果は得られない。バンクはラッセルに、港に情報提供者はいないかと聞く。ラッセルは、かつての交際相手だった、港湾労働者のマウを訪ねて協力を頼む。マウは拒否するが、コンテナの動きは逐一コンピュータに記録されているというヒントを口にする。ラッセルはバンクとともに組合へ行き、コンピュータの記録を見ようとするが、遺体が入っていたコンテナの記録はなかった。ソボトカによると「ノイズによる通信障害や番号の入力ミスは日常茶飯事」とのこと。 ソボトカは「ギリシャ人」の部下ヴォンダスから、弁護士料として報酬を2倍にすると持ちかけられるが、「もう汚い仕事はやらない」と突っぱねる。しかし、その後3倍の料金を持ちかけられ、結局仕事を引き受けることにする。 マクノルティはバブルスの協力でオマーを探し出し、検事と面会。その後、死亡した女性たちの身元の手がかりを求めてボルティモアのイミグレーション(出入国管理・市民権局)、さらにはニュージャージーまで出向く。不法入国で勾留されているロシア人女性たちに話を聞こうとしたのだが、彼女たちはまったく興味を示さず、ここでも行き止まりになった。 バンクとフリーマンは、ダニエルズのチームと殺人課の合同捜査を提案。ダニエルズは、解決の見込みもない事件を持ち込まれることに難色を示すが、バンクの説得で「情報は共有するが、殺人事件は殺人課の管轄」という条件を受け入れる。 ---- ===== 感想 ===== 今回は、エピガイを書いていても何となく散漫な印象。エピソードの中心になるモチーフがなくて……と書きかけたところで、「シーズン1でも同じようなことを書いたような」と思い出した。で、過去のエピガイを読み返してみたら、シーズン1の5話「ポケベル」の回にそんなことを書いていた。このエピも5話目なんだよねぇ。やはり、シーズン中間の折り返し点には、そういうエピソードが必要なのだろうか。主要な登場人物の現況と人間関係の整理みたいな。 復活したチームダニエルズは、カーヴァー(ダメかと思ったけど、やっぱり戻って来たんだ!)を加え、殺人課もまじえて本格的に捜査を開始。ダニエルズは厄介事を押し付けられるのを警戒しているようだ。まぁ、前回バークスデールの捜査でいろいろ苦労しているし、今回の事件が失敗したら、今度こそ警察には見切りをつけなきゃいけないし、ここは失敗できないと思うのもわかる気がする。 捜査対象のソボトカは、汚い仕事から手を引こうとするものの、結局それは無理なのね……ニックはジギーの尻拭いから、やはり犯罪に手を染めていくようだ。 それぞれの事情が詳しくわかったのは良いのだが、肝心のマクノルティの出番が少ない! ダニエルズのチームにも入れないし、ジェイン・ドゥたちの身元もわからないし。 マクノルティが入管に行った時に看板をかけかえるシーンがあったが、これは入国管理局が司法省から国土安全保障省の所管に移り「出入国管理・市民権局」になったから、ということだと思う。移行したのが2003年の3月1日だから、このエピ放送の4ヶ月くらい前かな。つまり劇中では現在3月初旬、ということか。 そしてヴァルチェック警視の警察車両は今サンディエゴなんですか~! サンディエゴって西海岸(カリフォルニア州)でしょ。前回のニューオーリンズからパナマ運河を渡ったのか? このまま世界一周の旅に出てしまうのだろうか。 ところで、ジギー役のがCSIのシーズン5「死体たちの運命」に出演していたことに今回初めて気づいた。大学生が死亡していた寮の隣の部屋にいた男の子で、そう言われてみればたしかにっ! 今より賢そうなジギーちゃんだ。 --- //Yoko (yoko221b) 2007-12-16// [<>]