Wire in the Blood - Series 3, Episode 3 ====== #10 Nothing But the Night ====== * 邦題:「9 P.M.」 * 脚本:Alan Whiting * 監督:Andrew Grieve * 初回放映:2005-03-07 (UK) ---- ===== 事件概要 ===== キャロルは、性犯罪者ケネス・グレイの行方不明事件の捜査に協力するためヨークの警察にいたが、ブラッドフィールドで殺人事件が起きたために呼び戻される。 被害者はマリオン・リースという二児の母。室内は荒らされ、子どもの玩具がばらまかれ、冷蔵庫には血で書いた "SCREW YOU"(くそくらえ)の文字。犯人は被害者を殴り殺した上、アイロン台を乗せて足で踏みつけていた。レイプの形跡はなし。被害者は末期がんで余命いくばくもない身体だった。冷蔵庫の血文字は、被害者の血ではなかった。 その後、ジョゼフ・ポールという老人が殺害される。身体を何箇所も針で傷つけ、頭にゴミ袋をかぶせ、首を絞めるという殺害方法。リース事件の時と似た車が目撃されていたため関連が疑われるが、手口も被害者の属性もまったく異なる。 マリオンとポールの事件現場では、いずれも尿が検出されていた。それが「振りまいた」のではなく1ヶ所に溜まっていたことから、トニーは「恐怖で失禁した」と判断。だがマリオンの現場にあった尿は、被害者のものではない。つまり加害者のものということになる。残忍な犯行の手口とのギャップにトニーは悩む。 さらに、行方不明になっていたアンディ・パークスという青年が、バラバラ死体となって発見される。近くには、木を削って作った笛のような物と、四角く穴を開けた葉っぱが落ちていた。その後、目撃された車も発見されるがすでに燃やされ、近くにはマリオンの子どもが持っていた恐竜の本が落ちていた。 トニーは3件の犯行から、「虐待を行うサディスティックな人物」と「玩具で遊ぶ子ども」の2人の犯行ではないかと思いつく。片方が支配しもう片方が服従するという関係で、「二人組精神病」と呼ばれる。支配者の妄想が強くなると服従者の罪悪感が増し、二人の間に溝が生まれ、服従者が支配者に殺される危険が生まれる。現場にあった尿の分析から、服従者は男性と判明。トニーは3件の被害者と手口から加害者像を描き出そうとするが、導かれる加害者像は1件ごとに食い違う。 キャロルはヨークの警察から連絡を受ける。行方不明になっていたケネス・グレイが海岸で遺体となって発見されたのだ。殺害は約2ヶ月前で、拷問されたうえに射殺されたものと思われた。遺棄現場がアンディ事件の現場と結び付くことから、キャロルは同一犯の可能性を思いつく。 トニーは遺体の状況に既視感を感じるが、それは映画の一場面だった。他の3件の殺害も、それぞれ別々の映画にあった殺害方法をなぞったもの。それらの映画は、犯行の直前、夜9時からTVで放映されたものであった。トニーは、加害者はTVで見た殺人を再現しているという前提で加害者像を修正する。彼らは若く、男性2人のペア。レイプしないのは、抑圧された同性愛関係にあるため。グレイは養護学校の教師で、自分の保護下にある生徒たちを虐待していたという経緯があった。 そして第5の犯行が行われる。今回は車を停めてその持ち主を刺殺するという事件だが、そのそばにもう1人、持ち主とは無関係のポール・マクミランという若者の遺体があった。トニーは、ポールが服従者で、支配/服従関係が崩れ支配者が暴走を始めたと判断。ポールはグレイの元生徒だった。ポールのいた施設では、夜9時になると部屋に鍵をかけていたという。夜9時は、彼らが夢想にふける時間の始まりだったのだ。 一方、ポーラは聞き込みの途中でリアという不審な女性の情報を得て、彼女の住所に向かう。隣人の話と室内の証拠から、リアと同居している2人の若者が「支配者=マイケル・ドーソン」と「服従者=ポール・マクミラン」であることが判明。部屋のビデオから、次の犯行の予測がついた。 その頃マイケルとリアは、さらに犯行を重ねようと出かけており、犠牲者となる女性を拘束していた。マイケルはリアにナイフを渡し「刺せ」と命令。リアは隙をみてマイケルを刺し、一連の犯行を終わらせる。 ---- ===== 感想 ===== 映画の手口を再現する犯行。CSI:Miami にも同じようなネタの話があったっけ。事件の捜査と解決が無理なく描写され、ケヴィンとポーラの活躍も良かったと思う。 今回はいつもの「荒涼とした大地」という風景とはうって変わった、緑豊かな美しい森林の風景が印象的だった。湖水、木漏れ日、ゲロを吐く先生。でもバラバラ死体は台詞で説明するだけで、そのものは(部分的にさえ)登場しなかった。葉っぱの穴から覗くトニーの青い目がキレイ~♪ 事件の描写と並行して、リアとポールの姿が描かれていくので、見る側は「これが犯人か~」と思っているわけなのだが、トニーは「2人組で服従者は男性」という犯人像をどんどん描き出していく。え? まさかトニーが間違えている? それとも、実はリアの方が支配者で虐待を「演じている」だけなの? という想像が一瞬にして頭を駆けめぐったわけなのだが、答は第3の若者(=支配者)の存在であった。リアは別に監禁や脅迫をされているわけではなく、ちゃんと仕事にも行っているから、逃げようと思えば逃げられるはずなのだが、それができないのね――自分ではどうしても逃げ出せないから、「商品の靴を盗みました」と雇い主に言って警察に突き出してもらおうとさえする。その様子がとても痛々しかった。最後の場面ではもう「早く刺せ! さっさと刺せ!」と、心の中で握りこぶしだったわよ。 さて、事件以外のところではトニーの周囲にストーカー女性のパトリシアが登場。飛行機で隣の席に乗り合わせただけなのに、いつの間にかトニーの電話番号を調べ、留守宅に入り込んでトニーのカードで自分宛に花を贈り、トニーと一緒にいた(仕事なのに)キャロルの自宅を突き止めて中を荒らしたり、只者ではない様子。電話番号や自宅を簡単に突き止めるって、貴女何者? 2人の自宅だって開けっ放しのはずはないし、どうやって入ったのよ!なのにトニーってば、パトリシアと2人で食卓を囲んで、妙に馴染んでるし! キャロルの方にも、出張先のヨーク警察の刑事といいムードに……? という感触があったものの、結局彼は妻帯者とわかってしまう。「説明させてくれ」と言った後、キャロルと何を話したんだろう。 --- //Yoko (yoko221b) 2008-02-19// [<>]