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Dark Sundays

小説版CSI第15弾、今回の著者はベガスでは2冊目のドン・コルテス。ニック、サラ、グレッグのチームは、小型の飛行船が上空で突然炎上して落下した事件を担当。路上ではサーカスのクマを運搬中で、驚いたクマが逃げ出して大騒ぎになったと思ったら……? キャサリンとラングストンは、郊外にある心療施設から患者が2名脱走した事件を担当。直後に神経ガスがリークしていることがわかる。


書誌情報

Dark Sundays

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内容・感想

ドン・コルテスのベガスものを読むのは “The Killing Jar” に続いて2作目だが、正直に言って面白かったとはとても言えない。コルテスの作品はマイアミの方が良かったと思う(やはり自ら公言しているように「マイアミの大ファン」だから?)。

ニック、サラ、グレッグのチームはカジノで起きた一連の事件を担当する。でもこれは事件なのか?小型の飛行船が上空で突然炎上して落下。路上ではちょうど、サーカスのクマを運んでいるところで、落下する飛行船を見て驚いたクマが暴れて逃げ出し、カジノに乱入するという騒ぎに発展する。そこで警備員が一人、クマに襲われて死亡……したと思ったらさにあらず。現場に残された大量の血液は豚の血を撒いたもので、警備員の姿はどこにもないのだ。飛行船の操縦席にいたのも実は人形で、遠隔操作だった。最初から仕組まれた大芝居?

その後もペントハウスのパーティに不審な二人連れが現れたことや、現場に謎の消防ホースが残されていたことがわかったりして、謎は深まるばかり。ニックたちはいくつも仮説を立てて「ああでもないこうでもない」と話し合うが、真相はどうもはっきりしない。調べを進めるうちに、ロシアンマフィアが出てきて「冷戦の遺産」的な話になりそうな感じになってきたと思ったら、グレッグの前に元CIAという謎のおっさんが登場して、デウス・エクス・マキナ的に事情を説明して去って行ってしまった。何だそれ。謎が謎を呼ぶという展開のわりに何だかいまいち面白くなくて、だんだん読むのが面倒になってしまった。

一方、キャサリンとラングストンは郊外にある心療施設から患者が2名脱走した事件を担当。直後に神経ガスがリークしていることがわかり、急遽HAZMATスーツを着て(教授サイズのがあったんだ!)現場検証。医療記録を読み進めるうちに、脱走した2人は「自分たちは死んでいる」という妄想を共有していたことがわかる。彼らの妄想を読み解きながら、ラングストンらはベガスへ戻り、カジノを訪ね歩いて患者を発見する。「患者たちがどのような妄想を共有してきたか」という点はまぁ面白かったものの、実際の捜索は何だか単調。設定ありき、というか「設定だけ」という感じでいまいち面白くない。

さらに、Kindle版だけかもしれないがレイアウトが何だか変(紙版は未確認)。場面が変わるところ、普通なら何か区切り記号を入れたり、なくても1行くらい空けるものでしょ? でもそういうのが全然入っていない。ニックたちの事件の話に突然キャサリンが出てきて「え、いつからそこにいたの?」と思ったら、実は場面が変わってキャサリン班の話に移っていた――という所が何か所かあって、混乱させられた。