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CSI - Season 1

#18 $35K O.B.O


The element of surprise.

事件概要

カージャック殺人事件

グリッソム、サラ、ニック、ウォリック担当。8年目の結婚記念日を祝ったケヴィンとエイミーの夫婦が、駐車場でカージャックにあい殺害された。警察が現場に着いた直後に雨が降り、証拠の多くが流されてしまった。目撃者が一人。ジャスティン・グリーンといい、現場でケヴィンを介抱しようとしていた。妻は喉を切られてほぼ即死、夫は胸や背中を5回も刺されていた。夫の傷口から、ナイフは鋭いものと鈍いものの二本あったと思われた。

カージャックされた車は、その後路上に乗り捨てられていたのが発見されたが、ドアを開けてみると、中から若い女性の死体が飛び出して来た。車の中には、ケヴィンの身体に付いていたものと同じ猫の毛があった。この女性はジェシカといい、遺体の中からナイフの刃先が発見された。

その刃先から、サラとブラス警部はジェシカを殺害した凶器の短剣を割り出す。その短剣は、ケヴィンの傷から型を取って再現した形(鋭い方)と一致。さらに、折れた刃先と鈍い方の型を合わせてみると、ぴったり合わさった。凶器は同じ短剣で、まずケヴィンを刺し、ジェシカを刺した時に刃先が折れ、折れた状態でさらにケヴィンを刺したので、ナイフが二種類あるように見えたのだ。

ニックはケヴィンの靴にジェシカの血が付いていたことから、ジェシカがケヴィンを押さえつけていた(共犯だった)と推理。ジェシカのアパートを捜索してパソコンやメモを調べると、意外な事実が判明した。

ジェシカとケヴィンは不倫の仲で、ジェシカはエイミーを殺すためにケヴィンから350万ドルの金を受け取っていた。目撃者のジャスティンとジェシカは元夫婦。ジャスティンは逆にエイミーに接触して殺人計画を知らせ、700万ドルでケヴィン殺害を請け負った。一挙両得を狙って二人とも殺害し、さらに口封じのためにジャスティンがジェシカを殺した。ジェシカが車で逃げたため、他に目撃者がいることに気づいて、ジャスティンはケヴィンを助けるふりをしていたのだった。

家屋倒壊事件

キャサリン担当。地下室が崩れて家屋が倒壊し、年老いた三人姉妹が死亡した。キャサリンは建築監督官が倒壊の危険を見逃したのではないかと疑う。家を調べると、ずさんな修理の跡や木を食べる虫、柱を叩いた痕跡などが見つかった。

現市長は古い家を壊して安い市営住宅を建て、再開発を進めるという政策だった。そのやり方を批判するような結果になることを心配し、殺人課のオライリー刑事はキャサリンにあまり深入りしないよう忠告する。

近くには空軍基地があり、低空飛行する戦闘機の爆音がよく聞こえていた。損傷を受けた柱が壊れたのは、爆音による振動のせいでジョイントを固定していた釘が回転したせいだった。その他、害虫や傷や乾燥や経年劣化が合わさって、家を倒壊させたのだった。


感想

カージャックの方は、話が複雑だ。わかってみれば、図式それ自体は単純なものだが。不倫をしていた男が妻を殺害しようとして、殺し屋に金を払う。殺し屋は妻に近づいて、さらに高い金額で夫の殺害依頼を得る。そして自分以外皆殺しにして逃亡をはかる(失敗)。ただ、それを「解き明かしていく」過程がとても細かい。凶器が2種類あるように見えたり、謎の共犯者がいたりと、ミスリード要素も満載。だが、もつれた糸をじゅんじゅんに解きほぐしていくと、実は単純にまっすぐな糸が1本あるだけだったとわかる。真相がわかってから、もう一度見直して見ると「なるほど、そうか!」と納得がいったりして面白い。DVDでじっくり見るのに適したエピソードかも。

最初の頃のエピソードで仲の悪かったウォリックとブラス警部が、なにげに和やかな雰囲気。ブラス警部にはウォリックが、「グリッソムそっくりになってきた」ように見えるらしい。また、死体の傷口から型を取るという難しい作業をやったことで、ウォリックが捜査官として成長していることも示されている。

Yoko (yoko221b) 2004-03-16