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CSI - Season 12, Episode 13

#264 Tressed to Kill


事件概要

エヴァ・バイロン、ジョイス・デバナルディ、ポーラ・ビンガム

若い女性たちが映画館やモールで髪を切り取られるという事件が続発する。最初は髪を一房切り取るだけだったが、その後、被害者のひとりエヴァ・バイロンが自宅で殺害される。

犯人はエヴァのブルネットの髪をブロンドに染め、70年代風のワンピースやサングラスで別人のように装わされていた。両眼は死後にくりぬかれ、口の中には三つ編みにした髪が押し込まれ、髪を切られた部分は、別人の髪のエクステンションを付けられていた。死因はモルヒネを注射されたことによる過剰摂取。三つ編みの人毛は複数の人間のもので、髪を切られた他の被害者たちを含む26名のものと判明する。

別の被害者が次に狙われるかもしれないと考えられたため、警察は被害者たちを再び署に呼んで事情を聞くが、ジョイス・デバナルディだけは現れなかった。ブラスが自宅へ向かうと、ジョイスはすでに殺害されていた。

髪を染めてレトロスタイルのワンピースを着せるという手口はエヴァの場合と同じだが、今回は筋弛緩剤で抵抗を封じ、生きたままブリーチとメイクを施し、さらに目をアンモニアでつぶしていたことがわかる。

2人が着せられていたワンピースは、実際に70年代に作られた古着であり、防虫剤の痕跡から自宅で保管されていたものと思われた。犯人はその服の本来の持ち主に執着し、被害者を彼女に作り替えようとしていたのではないかという可能性が生じる。

被害者の髪に付けられていたヘアエクステンションを分析したところ、三つ編みの人毛とは別の女性のものであるとわかる。さらに、投薬の痕跡などから、彼女はハンブルグや東京でガン治療を受けていたものと思われた。同じガンを治療する病院がベガスにあり、専門医のライアンの協力により、該当する女性はルシンダ・ケンプらしいとわかる。署に現れたルシンダは、被害者たちが死んでいた様子によく似ていた。

ルシンダは化学療法を受けて毛髪を失っていたが、抜けた髪を使ってウィッグを作らせていた。ウィッグを制作したのはジェフリー・フィッツジェラルドという人物で、芸術家として「インスピレーションを得る」ためにルシンダの服などを持っていた。

フィッツジェラルドのスタジオからは、ルシンダの服やモルヒネが発見されるが、直接犯行と結び付く証拠は見つからない。そこへ被害者のひとり、ポーラからラッセルに助けを求める電話がかかる。警察がポーラの自宅へ急行するが、彼女はすでに殺害されていた。

ポーラが警察に連絡したため、犯人は犯行途中で逃走していた。現場からは、古い写真の切れ端と、ポーラが抵抗してむしり取ったと思われる頭髪が発見される。犯人はルシンダの主治医、ライアン医師だった。

ライアンの母親はルシンダによく似ていたがガンを患い、研修医だったライアン自らがモルヒネで安楽死させていた。その後、母に似たルシンダに出会い、献身的に面倒をみていたが、その役割をフィッツジェラルドに奪われたため、その喪失感から母親の面影を求めて若い女性を狙うようになったのだった。


感想

キャサリンが去り、D.B.がラボの「ひとりボス」となった今回のエピソードは、何とも不気味な事件。さっさとBAUを呼ぼうよ! と言いたくなるタイプの事件だ。

いかにも怪しいフィッツジェラルドが出て来た、と思ったらこれはフェイクで、では真犯人は……というと、登場時は別に怪しくなかった医師。最後まで犯人を明かさないため仕方ないことではあるのだが、動機がいまいちピンと来なかった。

患者であるルシンダに母親の面影を見出したところまでは良いとして、その身代わりとして、なぜ敢えてブルネットの女性ばかりを狙ったのか。ブロンドに染めることに何か意味があったのか(医師の実母がそうだったのか?)。狙われた女性たちに何か共通項はあったのか。髪を一房切り取り、その髪を混ぜて三つ編みを作ったり、切り取った部分にエクステンションを付けるといった行為にどういう意味があったのか。髪を切られた女性は美容院へ行って髪を切り揃えなかったのか(揃えた髪をまた切られた?)。

また、冒頭の映像で犯人はナイフ(カミソリ)を手にしていたけれど、あれだと片手で髪を持って切らなければならないので、短時間で気づかれずに切るのはすごく難しそう。

D.B.は容疑者のフィッツジェラルドを拘束したことで安心し、その結果ポーラを死なせるという事態を招いてしまった。悔やんでも悔やみきれないところだろう。ベテランの彼もさすがに意気消沈するが、電話をかけた相手がキャサリン――という所は良かった。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2015-02-15