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CSI - Season 13, Episode 20

#293 Fearless


事件概要

ジャスティン・ウェイド

自己啓発セミナー「マインドフォース」の会場となっているスパリゾートの泥湯温泉で、受講者のひとりジャスティン・ウェイドの遺体が発見される。第一発見者はホッジスの婚約者エリザベッタだった。

死因は溺死だが、身体に痣や擦過傷などがあり、殴られて生きたまま泥湯に沈められたらしいとわかる。

ジャスティンは大手製薬会社ビクストンで販売を担当しており、同僚のヘザー・コナー、ジェシカ・ローウェルとともにセミナーを受講していた。ジャスティン自身はセミナーに乗り気でなかったが、妻のメアリーが以前に受講し、ぜひにと勧めたのだった。

同僚のヘザーとジェシカは「ジャスティンは火渡り(熱した炭の上を裸足で歩く儀式)をしなかった」を不満を言うが、遺体に残る痕跡から、ジャスティンは火渡りに挑戦し、途中で転倒したらしいとわかる。セミナーを主催するアラン・クインは「ジャスティンは火渡りをしようとしたが、あの様子では失敗するとわかったので、止めるように言った」という。

その後、ジャスティンがラテックスを吸い込んでアレルギーを起こしていたことがわかる。火渡り中に転倒したのはアレルギー発作だったのだ。アレルギーがあることを知っている人物――としてメアリーの行動を調べると、当日車で近くへ来ていたことがわかる。だがメアリーは、夫の浮気を疑って近くへ来てみたものの、やはり夫を信じようと思い直して帰ったのだと主張する。

遺留品を調べた結果、犯行に使用されたラテックスはビクストン社の製品であると判明。ジェシカに連絡がつかないためヘザーを呼んで事情を聞こうとすると、ヘザーは異常に興奮しており、水を飲んだ直後倒れて死亡する。メタンフェタミンの過剰摂取だった。

出張中だったジェシカが出頭し、自分は実は機密保持の担当で、ジャスティンとヘザーを内偵していたという。2人はどこかでメタンフェタミンを密造し、麻薬組織に卸していたらしい。

ヘザーが原料を送付した先がわかり、現場に向かうとそこには麻薬の密造工場らしき設備があったが、設備は破壊されもう使えない状態。サラは、メタンフェタミンにしては設備が大掛かりすぎることを不審に思う。誰かが隠れている気配があり、見るとそこにはメアリーの姿があった。

メアリーはアンチトロンビン欠乏症という難病を患い、ビクストン社はこの病気の治療に使うビトリンという薬を製造していた。だが、経費がかかり採算が合わないという理由で製造は中止。ジャスティンは、それなら自分で作ろうとビクストンに入社して薬の製造法を手に入れた。そして製造費を稼ぐためにヘザーと組んでメタンフェタミンの密造に手を染めたのだった。

メアリーは「自分は薬を取りに来ただけで工場を破壊していない」と主張。残っていた血痕のDNAを調べたところ、マインドフォース・セミナーの主催者、アラン・クインと一致した。

クインはセミナーを受講したメアリーを愛し、彼女を救えるのは自分の健康ドリンクだけだと信じていた。だが夫のジャスティンが薬を作っていることがわかり、ビクストン社の製品を手に入れてアレルギー反応を起こさせ、殺害したのだった。


感想

怪しげな自己啓発セミナーの会場で泥湯から遺体が出現。調べていくうちにメタンフェタミンの密造という組織的な犯罪が明るみに出て、スケールが広がっていくのかと思ったら、関係者を一巡して結局は男女関係の嫉妬からの犯行でした――って、またこのパターンか!(笑)

今回の第一発見者はホッジスの婚約者であるエリザベッタなのだが、その傍には謎のイケメン男性。トスカーナからやって来たお兄さんだということなのだが……何だかすごく怪しい。あの親密さは兄妹というより「男女」のそれに見えたのだが、それもミスリーディングの演出だったのだろうか。

犯人のアランはセミナーで儲けているようなので、その気になればビトリンの製造費用も出せたのかもしれないが、どうやら本気で医療を認めず変な信念に凝り固まっている様子。「火渡り」にも種明かしはあったし、それは冷静に計算してやってるのかと思ったのだがそうでもなかったようだ。

Yoko (yoko221b) 2020-09-17