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CSI - Season 13, Episode 22

#295 Skin in the Game


事件概要

メーガン・ラミレス、テレサ・ヒル他

ポルノスタジオの中で、ミイラ化した女性の遺体が発見される。舌骨が折れており、絞殺されたものと思われた。遺体は新しい下着を身に着け、現場には木工細工を仕込んだ聖書が置かれ、中には蜘蛛が入っているなど、意図的な演出が施されていた。また、遺体の胸腔内にはハート型の金のアクセサリーが入れられていた。

新しい技術を用いてミイラ化した遺体を生前の姿に復元し、写真を公開したところ、「堕天使の会」という売春婦の更生支援グループで働くアンジェラが現れる。アンジェラは以前「キティ」という源氏名で売春婦をしており、ラッセルらに協力したことがあった。アンジェラによると被害者はメーガン・ラミレスで、他にも集会に来ていた女性が数名、行方不明になっているという。ブラスは、行方不明者の中に娘エリーの写真を見つけて驚く。

行方不明の女性たちの写真が公開され、そのうちの1人、テレサ・ヒルが病院で昏睡状態になっていることがわかる。彼女の胸腔にも、やはり金のハートが入れられていたという。

その後、やはり行方不明だったクロエ・ルドルフがボーイフレンドのリーとともに自宅で殺害される。クロエはグルメ・フェチWebサイトを運営しており、中継動画を見たユーザーが通報したのだ。現場にはやはり、木工細工を仕込んだ聖書が置かれていた。

ラッセルのチームを密着取材しているジョン・マチストンは、「ギグ・ハーバー・キラー」の事件を口にする。それはラッセルがシアトルで担当した連続殺人事件だった。彼は「堕天使の会」への捜査に同行するが、そこで何者かに襲われて軽傷を負う。

ラッセルはマチストンを話し合ううちに、一連の事件がダンテの『神曲』地獄篇に登場する「九つの円」になぞらえたものではないかと思いつく。テレサは「辺獄」、メーガンは「愛欲」、クロエは「貪食」そしてリーは「貪欲」。ならばあと5回の殺人が計画されている可能性がある。

リーを撃った拳銃がブラザー・ラーソンの所持している銃であることや、「堕天使の会」のパソコンからクロエのWebカメラが遠隔操作されていたことがわかり、ラーソンは逮捕される。ラーソンは、一連の殺害は否定したものの、会に集まる女性たちを「客」に斡旋していたことは認める。そして今夜も1名所望されているという。

事情を知ったモーガンは、囮捜査に立候補。LAの警察で実際に囮捜査をした経験があるのだった。エクリーは反対するが、「エリーも危険な目にあっている」と説得され許可を出す。モーガンを乗せた車は、バイオ企業に勤務する裕福な医師、オリヴァー・テイトの自宅へ向かう。テイトは5番目の輪である「憤怒」の版画をモーガンに渡すが、何もせずそのまま帰るよう言い渡す。

その頃、エリーの危機を知ってベガスに来ていたブラスの元妻、ナンシーはホテルの部屋で不審な荷物を受け取る。それは、くり抜かれた聖書に入れられた木工細工で、中にはUSBメモリが仕込まれていた。中を確認すると、どこかに監禁されているエリーを撮影した動画が入っていた。エリーは殴られ、泣きながら「私たちは罪を犯したので罰を受ける」と言わされていた。ラッセルは「私たち」という言葉はエリーとモーガンを指しているのだと気づき、モーガンの車を尾行中のグレッグとニックに指示を出す。

ニックとグレッグは、追跡していた車を停車させるが、中にモーガンの姿はなかった。どこかで囮の車と入れ替わっていたのだった。


感想

連続殺人、謎めいたメッセージと小道具、ダンテ『神曲』の世界を描く作品になぞらえたような現場の演出。

模型殺人やジキル博士、あるいはNYのタクシーキラー等を思わせるような複雑な設えなのだが、だいたいこの手の作品は解決篇が(自粛)なことが多くて……この後シーズン14のプレミアで解決するはずなのだが、見たいような見たくないような。というか録画はしてあるのでこの後すぐ見る予定ではあるけど。

いずれにしても、1話だけで連続事件を描写するのは、ちょっと時間が足りないなぁという感じ。事件が次々に起きるので話についていくのが大変だった。被害者が誰で、どの証拠からどういう情報が得られたのか。話数を増やせば良いというものでもないけど、1話だけでこれだけ語るのも忙しすぎる。木工細工に聖書にアクセサリーと、小道具が多すぎるのかもしれない。モーガンの囮捜査というのもいささか無理がある。LAで経験があるとはいえ危険すぎるし、そのための訓練を受けた女性警官がちゃんといるのでは?

ノンフィクション作家のマチストンが口にした「ギグ・ハーバー・キラー」はシアトルでラッセルが関わった事件らしい。これは後編で事件に関わってくるのだろうか。

冒頭に本人役で出演していたオジー・オズボーンが関わっていれば面白かったのだが、さすがにそれはなさそう。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2020-09-19