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CSI: Miami - Season 7, Episode 12

#154 Head Case


事件概要

ミッチ・クロフォード、ヴィクトリア・クロフォード、サラ・クロフォード

全身血まみれの若者が車道を歩いている所を保護される。本人に傷はなく他人の血だったが、どこで何があったか、自分の名前さえも思い出せないという。

若者の身体や衣服に付着していたのは3人分の血液で、血縁関係から男女2人とその娘であると思われた。被害者の1人は、インサイダー取引の前歴があるミッチ・クロフォード。ミッチの自宅には配達人だけがおり、「一家3人は早朝に荷造りをして急いで出て行った」と言う。クロフォード夫妻には娘の他に息子がいたが、息子のローガンは士官学校の寮におり、家族とはしばらく会っていないという。ミッチは金融アドバイザーで、顧客の資産運用に失敗して11人から訴えられていた。

若者の靴に爆薬と糖蜜が付着していたことから、以前爆薬製造工場があったレイズ岬にいたらしいとわかる。付近の映像を若者に見せると、彼は学校を思わせるような状況を口にする。岬の学校の近くにはクロフォードの別宅があり、そこを捜索すると、ミッチと妻ヴィクトリア、娘サラの遺体が発見される。現場に落ちていた財布から、若者は便利屋のダグ・ベンソンと判明。

ダグの脳波を調べてみると、何かを覚えているが記憶を封じているらしい。ダグは8歳の時に父親を殺害され、その遺体を見て記憶を失った経験があった。

現場と遺体の状況から、ヴィクトリアとサラがまず殺され、ミッチが最後に殺されたことがわかる。また、女性2人に比べ、ミッチの傷は浅く、ためらいがちであった。ミッチの所持品から、ミッチに大損をさせられたクラブオーナーのカート・セービンの存在が浮上するが、セービンは「ミッチとはもみ合いになっただけ」と犯行を否定。

現場の窓の外には足跡が残っており、最初はダグの物かと思われたが、実はローガンの物だったとわかる。ローガンはこっそり学校を抜け出して家族に会いに行き、そこでダグが父親を刺し殺す所を目撃していた。だが規則違反だったため通報できなかったのだ。

ローガンの話からダグが赤い帽子をかぶっていたことがわかり、デルコがカリーやトリップとともにダグの足跡をたどって帽子を発見。帽子からは火薬残渣が検出され、銃を突き付けられ殺害を強要されたらしいとわかる。ローガンは父親から自分に託された大金を受け取るために行ったのだが、結局金は奪われていた。金を隠してあったグリルの指紋から、犯人はセービンであるとわかる。

セービンはヴィクトリアを殺して金の隠し場所を言われた。だが金は自分が失った金額の半分しかなかったので、復讐としてサラを殺害。そこへ通りかかかったダグが助けようと入って来たので、拳銃で脅してナイフを持たせ、ミッチを殺害させたのだった。セービンの拳銃から帽子の繊維が検出され、犯行が裏付けられる。


感想

血まみれの若い男が車道をふらふら歩いている、というショッキングな場面で始まるエピソード。血液は血縁関係のある男女3人のもので、現場を探して行ってみると親子3人の遺体――という、シーズン1「一家惨殺の怪」を思い出すような話だった。

見た感じはいかにも殺人犯、でも本人に記憶はない。状況証拠も目撃証言もダグの犯行を裏付けているが、捜査員はダグの話を聞いて濡れ衣説に傾き始める――と、こういう展開だと、「犯人と見せかけて実は無実、というパターンに見せかけて本当は犯人、と見せかけて実は……」のどの段階が真相でもおかしくない感じ。

最初の方の取調べでは、フランクがガンガン言ってホレイショがソフトだったので「これは無実のパターンかな」と思ったが、その後、同じように記憶をなくした経験のあるエリックが同情しているのを見ると「だまされているのかな?」という印象に傾いてしまった。

でも、その後ホレイショがダグを信じているような雰囲気を感じて「やっぱり無実かな」と思ったらそれが真相だった(少なくとも主犯ではなかった)。何しろ白衣のサービスショットなので。ホレイショに白衣を着せておいて悪人でしたとは言えないだろう。

でもダグは実際に被害者を刺したということで、第2級殺人で起訴されてしまうようだ。緊急避難にはならないのかな? セービンに不利な証言をすることで取引することはできないのだろうか。マイアミの検事は強気の人が多いので、どうなるかはわからないが、ホレイショが力になるような様子を見せていたので、望みはあるのかなと思う。

デルコは自分が記憶を失った経験をどうしても重ねてしまう。そこで、セラピストが殺害された事件(今シーズン第3話の「刃」)でカリーがデルコのファイルを読んだことが蒸し返されていく。脚本家はやはりこの2人をくっつけたいのかなぁ。「刃」の時だって、別にデルコのファイルを読む必要はなかったわけだし(「デルコだ」とわかった時点で読むのを止めるべきなのだ)。

Yoko (yoko221b) 2010-09-12, 改訂 2014-06-05