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CSI: Miami - Season 9, Episode 20

#211 Paint It Black


事件概要

コリーン・パーマー

デイド大学の女子学生コリーン・パーマーが学内のスパで殺害される。被害者は殺害の直前まで、親友で画学生のモニカ・ダウと一緒にいたが、モニカが「誰かに見られている気がする」と言って警備に連絡しに行き、その直後に襲われたようだ。犯人は、最初コリーンを溺死させようとし、失敗して刃物で刺したと思われた。

コリーンは寮でモニカと同室。もう1人アレクシスという女性が住んでいることになっていたが、彼女は恋人と住んでおり、名義だけの同居人だという。部屋を調べると、コリーンのPCには有毒なタリウムがキーボード部分に塗られており、以前から命を狙われていたとわかる。

モニカは事情聴取を受けるが、供述は二転三転。嘘をついていると思われたが、ホレイショはが記憶障害を疑う。その後に行われたポリグラフも、記憶障害の可能性を示していた。

その後、モニカはホレイショの携帯電話に連絡を入れ「誰かがいる」と助けを求める。急行すると、モニカは顔や腕に傷を負っており「後から誰かに襲われた」と言う。しかし供述内容はあやふやで、さらに傷をよく調べた結果、自作自演ではないかと思われた。

モニカ自身について調べてみると、結果はゼロ。デイド大学の学籍以外は何の履歴もなく、社会保障番号すら存在しなかった。「モニカ」というのは架空の人格で、彼女の正体はアレクシス・テイモアだったのだ。アレクシスは飛行機事故で両親を亡くしたトラウマがきっかけで解離性同一性障害(多重人格障害)を患い、「モニカ」が誕生したのだ。

専門医がアレクシスを呼び出してみると、彼女は「モニカがすること、言うことを自分は舞台の袖でずっと見ている」と認める。コリーンもそのことを知っており、最近薬が効かなくなってきたので「主治医を替えて新しい処方箋をもらった方が良い」とアドバイスされていたという。だが「自分が傷つけたかったのは、誰からも好かれるモニカだけ」とコリーンの殺害は否定。スパに行ったのはアレクシスの方だが、警備に連絡して戻って来るとコリーンは死んでおり、恐怖からモニカと入れ替わったのだという。

アレクシスの薬が効かなくなったのは、薬が砂糖にすり替えられていたことが原因だった。混入していたポリウレタンの痕跡から、すり替えたのはコリーンの恋人だったジャレッドで、それはモニカを指導していた画家ウィリアム・オズロの指示だったという。

オズロの着衣から、彼がスパにいたことが証明される。オズロは「モニカ」の才能を発見し、IDを偽造して大学に入学させた。そして、「アレクシス」を取り戻させようとするコリーンが邪魔になり、毒を塗ったPCを送り、ついに殺害に及んだのだった。

展覧会の名前は「モニカ・ダウ」から「アレクシス・テイモア」に変えられ、アレクシス=モニカは病院で治療を受けることになった。アレクシスは「朝目覚めてモニカだったらどうしよう」と不安がるが、デルコは「君がモニカだったら電話して」と書いた名刺を手渡す。


感想

前回は戦う男の熱気ムンムンのエピソードだったが、今回は打って変わって静かな展開。主要な人物が女性一人だったせいか、銃撃戦も爆発もなく淡々と進み謎が解明された感じ。被害者のコリーンは友達思いの良い子だったのに、モニカ=アレクシスにばかり注意が行ってしまってちょっと可哀想ではあるけど、珍しくしっとりと落ち着いた話で、たまにはこういうのも良いなと思わせる。

モニカが解離性同一性障害というのは、「アレクシス」が名前だけで姿を現さないところで何となくわかったけれど、モニカが主人格かと思っていた。こういう話だと、内向的な主人格・奔放な派生人格というパターンが多いし、記憶が連続しているのもたいていは派生人格の方だし――何より学籍名がモニカだったから(まさかIDを偽造したとは)。

最初にスパにいたのがアレクシスの方だったとわかってからもう一度見直してみると、「ああ、ここで入れ替わったのね」と思う場面がある。状況が状況なので、表情が変な風に変わっても別に気にしないが、確かにあそこでわざわざ髪を下ろすのは変だったかも。髪をさわるのがモニカで、髪をまとめて耳をさわるのがアレクシスか。なるほど。

そしてマイアミでの心理分析はやはりデルコの担当になのか、名刺を渡して力になるよと励ましていた。最後に展覧会の場面で、ホレイショがいつものようにハグするかと思ったのにそのまま去ってしまったのは、やはりデルコに見せ場を持って行かれたせいなのか。

Yoko (yoko221b) 2013-05-25