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CSI: NY - Season 1

#15 Til Death Do We Part


Best part of the job is putting pieces of a puzzle together.

事件概要

死んだ鳩と花嫁の事件

マック、ダニー、マカ刑事担当。ホテルで結婚式が行われている最中、くす玉から飛び立つはずの鳩が屍骸となって落ちてきたかと思うと、花嫁がその場に昏倒して死亡。目が赤く充血し、皮膚は薬品に晒されたように白く変色して固くなっていた。花嫁のハンナは、その日頭痛とめまいを訴えてはいたが、持病はなく前日までまったくの健康体だった。花嫁の父はユダヤ教徒で、ラビの祈りが済むまで解剖はするなと主張。

花嫁が宿泊していた部屋には、毒物は何も見つからなかった。鳩が入れられていたカゴには洗剤が塗られており、塗布したのは従業員のデラであると判明。彼女は鳩を使うというアイデアを思いつき、鳩の訓練もしたのに、十分な報酬が支払われなかったため、怒ってホテルに仕返しをしたのだった。ハンナの殺害は否定する。

ラビの祈りが終わり、検死解剖とウェディングドレスからの証拠採取が行われる。ハンナの身体は、ホルムアルデヒドに晒されていた。ドレスを通じて皮膚から薬を吸収し、飲酒していたため吸収量が多くなり死に至ったのだ。ホルムアルデヒドはドレスの裏地に大量にしみこんでいたが、ドレスの内側にあったことと消臭剤が使われたため、匂いに気づかなかったものと思われる。

ハンナは、セコハンのドレスを購入していた。おそらく、ホルムアルデヒトで防腐処置を施された遺体に着せてあったドレスであろう。店を調べると、ドレスの売主はいかにも偽名なジョン・スミスとなっていた。スミスが売った他の衣服からは同じように大量の防腐剤と消臭剤が検出された。マックとダニーはその衣服のボタンやファスナーの指紋を調べ、服を脱がせた時の指紋が残っているか調べる。

そんな時、ゴードン・サミュエルズという人物が、路上で突然倒れて死亡。遺体にはハンナと同じような変色が見られた。前の持ち主が前科者だったため、ポケットチーフのDNAから身元が判明し、そこから葬儀社も判明した。葬儀屋が遺体の衣装を脱がせて中古店に売り飛ばしていたのだ。単なる金目当ての犯行で、化学薬品のことまでは考えていなかったという。マックは他に衣装を売った先を探し、結婚式に割り込んで花婿を救出する。

廃墟の猟奇事件

ステラ、エイデン、フラック刑事担当。スタッテン・アイランドの、現在は廃墟となっている修道院跡で、乗り捨てられた車と人間の手が発見されたという。廃墟の中に入ると、右手の手首から先の部分が落ちており、そばの壁には血の付いた手錠がぶら下がっていた。さらに奥へ行ったところで、右手を失った男の遺体を発見。手錠でつながれたため、自分で手首を噛み切ったものと思われ、口は血まみれだった。さらにそばには、地面を掘った跡があった。

発見したのは、計測していた作業員。車は4日前に盗難届けが出ていた。所持品から、被害者は刑務所から出所したばかりだと思われた。そういう人物が出所後すぐに車を盗んで廃墟になった修道院へ来た、目的は何かとステラは不審に思う。車からは拳銃と、地図のようなメモが発見された。指紋から、遺体の身元はリック・アマドリと判明。殺人で服役し、刑を終えたばかりだった。死因は手首を噛み切ったための失血死だが、頭部にも殴られた傷があった。

拳銃の指紋は登録されていなかったが、アマドリの手の爪の中にあった皮膚組織のDNAは、アマドリに殺害されたヴィクター・モルケイという人物の近親者だった。モルケイの息子コナーは、14歳の時に父親を殺され、里親の家を転々とし、復讐の機会を狙っていた。そしてコナーはアマドリを殺したと自白するが、ステラはそれを信用できず、コナー犯人説に傾くフラックと対立。

車にあった地図のメモを修道院の場所に重ねてみると、その地図はアマドリが発見された位置を示していることがわかる。彼は地面に隠された何かを掘っていたのだ。ステラは、刑務所内でアマドリと争っていた囚人ルガノの監房を捜索し、彼が地図を作ったことを知る。ルガノには、ランス・モレッティという男が何度も面会に来ていた。モレッティはルガノが収監された事件の共犯者だったが、ルガノが口を割らなかったため逮捕されなかったのだ。そして最初に手首を見つけた作業員の名前はランスといった。ランスはルガノの命令を聞いて、アマドリが来るのを待ち伏せ、殴り倒して手錠でつないだ。アマドリは自分で手首を噛み切って死んだが、そのままでもいずれ餓死か凍死した可能性が高かった。

ステラはコナーに、なぜ嘘の自白をしたのか聞く。コナーは銃を持ち、アマドリに復讐しようとしていたができず、逆に銃と車を奪われてしまった。彼は自分で復讐を果たしたことにしたかったのだ。ステラは、両親の顔を知らずに施設で育った自分の身の上を話し、コナーを諭そうとするが、コナーは、親を知らない方がむしろ幸運だ(失って辛い思いをすることがないから)と言い放った。


感想

通常、2つ事件がある時はメインのプロットとサブプロットがあって、事件のインパクトも費やす時間も格差があるのだが、今回の事件はどちらもボリューム感があり、舞台や道具立てもドラマ性があって面白かった。

葬儀屋といえば、ベガスやマイアミで、遺体を埋葬せずにゴミ箱に捨てたり、火葬炉が壊れたからといって庭に積んでたりしていたのがいたけど、今回は衣装を売り飛ばして小金稼ぎか……。葬儀屋さんなら、防腐処置をする薬品の危険性とかわかってるんじゃないのかなと思った。だって、薬品を素手で扱ったりはしないでしょう。

それにしても、この「死の花嫁衣裳」の元の持ち主が気になる。ウェディングドレス姿で棺に納められたのだから、結婚を間近にひかえていた若いお嬢さんだったのか、それとも新婚旅行先で事故か何かにあって亡くなったのだろうか。

ステラの事件も、今は廃墟となった修道院跡が舞台で、何だかおどろおどろしい感じ。Staten Island Monastery というのは実在する場所で、下記リンク先の写真を見ると本当に何か「出そう」で怖い。

このエピソードでは、ステラが両親を知らずに孤児院で育ったことが明らかになる。そのせいで、親を失ったコナーにとても親身に接している。脚本を書いた Pam Veasey は「夜の獣たち」を書いた人で、確かに今回のステラは2話でマックに “Use your head, not your heart.” と言われた「あの」ステラだと思う。Veasey さんにとってステラはこういうキャラなのね。でも、「想い出のブルー」でマックにライフルを突き付けて(ちょっと違う)「さあ弾丸を」と迫った彼女の姿を思い出すと、どうもやはり違和感を禁じえない。

その後、フラックとの対立を経て、誤解が解けて気持ちがぱっと明るくなって思わずマックにキスしてしまうステラ、というのは確かに可愛いんだけど。でも、マックに次ぐナンバー2というポジションと、それなりに経験を積んでいるであろうことを考えると……ちょっとnaiveじゃない? という気もするなー。もっと若い、ダニーかエイデンのポジションなら、まだわかるのだけど。ちなみに、キスするところは脚本にはなくて、リハーサルの時にステラの中の人がアドリブでしたのだそう。

ただし、このチッスはステラの純粋な喜びの表出であって、恋愛の要素は――ないと思いたい。いやステラ個人は好きなキャラなんだけど、マックとは親友でいてほしいなと思うのだ。


単語帳

Yoko (yoko221b) 2006-04-14