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CSI: NY - Season 1

#20 Supply and Demand


The killer could have come for one thing, left with another.

事件概要

ヘロイン密売およびウィル・ノヴィック殺人事件

学生寮(アパート)で、ウィル・ノヴィックという男子学生が射殺された。部屋は何かを徹底的に探したように荒らされ、被害者も撃たれる前に全身に傷を負っていた。捜索が部屋中に及んでいることから、犯人は目的の物を見つけていないのではないかと考えられた。ルームメイトは、同じ大学の女子学生、ジョーダン・ベンソンだった。現場にはピンクのPDAが落ちていた。

被害者を拘束した形跡がないことから、犯人は複数と考えられた。現場には血のついたブロードウェイのチケット。他にも、学生に似つかわしくない高価な物があった。さらに、ヘロインの粉末も発見される。ウィル自身は薬物を摂取していないので、売人であることが疑われた。発見された薬物は、純度90パーセントのチャイナ・ホワイトだった。それは通常、海外から密輸された直後の純度であり、末端に流通する時点の純度は、高くても40パーセント程度。つまり、ウィルはかなり上のレベルの売人ということになる。

ブロードウェイのチケットは続き番号のものが数枚あったが、途中で2枚抜けていた。マックは劇場へ向かい、その席にいた2人連れを発見。話を聞くと、ウィルは劇場のダフ屋をしており、男は列に並んでチケットを確保する係だという。ジョーダンのこともドラッグのことも知らなかった。ウィルの携帯電話は、劇場が休みの月曜日以外はブロードウェイ付近から発信されていたため、実際にダフ屋であったの可能性が高い。チャイナ・ホワイトを扱うような売人が、なぜ劇場のダフ屋をやるのかが謎だった。

大学の敷地内でジョーダンのバッグが発見される。現金もカードも入っていた。壁には銃弾の跡と血の飛沫。地面にも血痕があり、それはゴミ箱のそばまで続いていた。ゴミ箱を開けてみると、中から怪我をした男が飛び出すが、マックに取り押さえられる。その男デロイの爪の中には女性のDNA、指には接着剤が付着していた。

フラックはジョーダンを実家で発見。ジョーダンは裕福な家の娘で家は高級住宅地にあった。ジョーダンは事件についても麻薬についても何も知らない、バッグは寮の部屋に置いて来たと言うが、話した内容には不審な点が多かった。だが犯行時に自宅にいたことはわかっていた。

同じ大学の学生、ポール・コリンズが麻薬の過剰摂取で死亡。ベッドの上には白い粉末があった。高純度のヘロインで、おそらく常習者でないポールがいきなり摂取して死に至ったと思われた。

ステラはジョーダンのPDAを解析。「11:30にSCで」「正午に寮の外で」というメッセージが入っていた。発信元に電話をすると、マックが回収したコリンズの携帯電話にかかる。売人はウィルではなくジョーダンで、しかも高純度の危険な薬物を売っていたのだ。ステラは再度ジョーダンを問い詰めるが、彼女は何も答えない。父親と弁護士に阻まれ、しぶしぶ引き上げることになる。弁護士はその後、ステラの態度が厳しすぎるとして、苦情を申し立てる。

ジョーダンのバッグの裏地からはヘロインが発見された。また、ジョーダンの口座は残高がほとんどなく、クレジットカードが父親により凍結されていたこともわかる。さらにバッグを調べると、それはブランド品のコピー商品だった。カードを凍結されて贅沢ができなくなったため、露天でコピー商品を購入したのだ。このような店は麻薬売買の隠れ蓑に使われることが多い。デロイの手についていた接着剤は、にせのロゴマークを貼り付けた接着剤と同じだった。DNAとレシートの時刻から、ジョーダンがバッグを持って外出し、それをデロイに奪われたことがわかる。

時系列順に整理すると、まずジョーダンがバッグを購入。その時にデロイは間違えてヘロイン入りのバッグを売ってしまった。思いがけず麻薬を手にしたジョーダンは、それをコカインと思い込んだ。それを学内で売りさばけば、また以前のようなぜいたくができると考え、まずポール・コリンズに売る。だがそれは高純度のヘロインだったため、コリンズは過剰摂取で死亡。一方、デロイはバッグを取り返そうとした。売った時に小耳にはさんだことを手がかりに大学へ向かい、ジョーダンのバッグを奪う。だがヘロインは入っていなかった。そこから寮の住所を知り、部屋を襲ってウィルを拷問、射殺。ジョーダンはバッグを盗まれた時にデロイらの目的を知り、ヘロインを持って実家に逃げ帰っていた。

ダニーはジョーダンの足取りを追跡し「SC」がスペシャル・コレクション、すなわち貴重な文書を展示する部屋であることを知る。そこにジョーダンとほぼ同じ時刻にアンドレアという女子学生がいたことがわかり、ダニーは彼女の部屋へ行き、過剰摂取で倒れているアンドレアを発見。幸い命はとりとめ、ジョーダンから麻薬を買ったことを認めた。

エイデンは路上で売られているカバンを集め、デロイと同じ接着剤を使っている店を探し出す。マックとダニーはその店へ行き、コピー商品の販売で店主を逮捕する。倉庫には微量のヘロインがあった。一方ステラとフラックはアンドレアの供述をもとに令状を取り、ジョーダンの家へ向かう。ヘロインはすでに廃棄されていたが、ステラはトイレの水から微量のヘロインを検出した。水を流しても完全に流れるわけではなく、希釈されるだけなのだ。

店主ジョエル・バンクスは、証拠になりそうなものを捨てていたが、Tシャツに1滴付着した血痕だけは見逃していた。麻薬が寮にないとわかり、ジョーダンへの見せしめのためにウィルを殺害した。その後、デロイを殺そうとして撃ったが、車が通りかかったために断念。マックはシャツの血痕を根拠に令状を取り、バンクスの家と倉庫を捜索、組織の一斉摘発に乗り出す。

事件解決後、マックはウィルの父親に真相を話し、彼が善良な学生だったと言い、荷物運びを手伝った。父親は、マックが息子の疑惑を晴らしたことに感謝する。


感想

今回はひとつの事件を全員で担当して、いろいろな点で見ごたえのある回になった。

まず、メンバーそれぞれに活躍の場面があること。ステラはジョーダンを脅し、ダニーはアンドレアの命を救い、エイデンはバッグと麻薬の関連に気づき、マックは荷物運びのお手伝い。ドンは……ドンもステラにくっついてけっこう目立ってたじゃないか。

ステラがジョーダンのことを “Buffy the friend slayer” と呼んでいたのは、『バフィー ~恋する十字架~』の主人公になぞらえてのことか。バンパイアキラーならぬ友達キラー。うーん、似てる? かな? バフィーは見たことがないのでよくわからないが、とりあえず髪型は似てるような気がする。

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ミステリとしての構成も面白い。最初に売人疑惑がかかった学生は、生活するうえで薬物や金銭取引の証拠をいっさい見せていない。それは本当に関わりがなかったからなのだが、疑惑の目で見ると「抜け目のない売人」に見えてしまう。だが時系列を整理して、何が起こったかを順々に解き明かしていくと、全然違った事の経過が見えてくる、というわけだ。この「ああ!そうだったのか」と思う瞬間があるのがいいな。

ラストシーンで、マックがウィルのお父さんに事情を話す場面はマイアミのホレイショを思わせる。ただしホレイショの場合、相手は被害者の母親か姉妹、つまり女性のことが多いけど。これは前にも書いたと思うけれど、ホレイショが保護者的な優しさを見せることに対して、マックは同じ目線に立って、控えめに寄り添うように接していると思う。その姿を見ていると、彼自身も同じように、ある日突然愛する人を奪われたのだ、ということを改めて思わずにいられない。

余計なお世話だが、ホレイショは「狙われた委員会」のダニーを少し見習うべきではないだろうか。


単語帳

Yoko (yoko221b) 2006-05-05