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CSI: NY - Season 9, Episode 9

#189 Blood Out


事件概要

ベニー・マデーラ

倉庫で胴部を真っ二つに切断された男性の遺体が発見される。現場に来たフラックは、被害者の携帯電話に同僚のジェイミー・ロバート刑事からの着信があることに驚く。

被害者はドミニカ系ギャング「トリニタリオス」の幹部、ベニー・マデーラ。ジェイミーは麻薬取締局(DEA)の指揮の下で組織に潜入し、ベニーに近づいたが、警官だと見破られてしまった。ベニーは仲間には何も言わず、ただジェイミーを組織から逃したのだ。

しかしその日、ジェイミーはたまたまバスの中で乗客同士のいさかいに遭遇し、警察バッジを見せて場を収めていた。その乗客の中に、トリニタリオスの女性メンバーがいたのだ。正体を知られたことに気づいたジェイミーはベニーに電話をかけたが、もう遅かった。

バスのトラブルは傷害事件だったので、現場のバスはすでに警察に押収済み。そこで、彼女が持っていた飲み物の容器を発見して照合したところ、氏名はカルメン・ベガと判明。マックとフラックは彼女の自宅へ向かうが、カルメンは逃亡し、建物から転落して死亡する。

ベニーは生きたままチェーンソーで胴部を切られ、さらにその前に電気拷問されていたことがわかる。傷口からは、緑色の塗料が発見されていた。DEAのヒックス捜査官を通じて「トリニタリオス」の情報屋、レイモンドから得た情報によると、ヘクトル・メンデス(通称「トースティ」)という男が「ベニーを殺した」と言っているらしい。ヘクトルの車は緑色で、車種と製造時期は検出された塗料と一致。

ヘクトルの車は燃やされた状態で発見され、トランクからは拷問に使用された電気器具やチェーンソーなどが発見される。だがヘクトルは「車はカルメンに貸した」と言い、関与を否定する。さらにリンジーが実験した結果、傷口の位置や角度などがヘクトルの体格とは合わないとわかる。

車のトランクからは、凶器とともに溶けたプラスチックの塊が発見されていた。その塊を調べたところ、ベニーを殺害する時に、返り血除けに来ていたレインコートなどであるとわかる。犯人はすべて燃やしたつもりだったが、内側にくるまれたボロ布などは焼け残っていた。そこに付着したDNAから、殺害犯は情報屋のレイモンドと判明。

レイモンドは逮捕されてDEAの情報屋になっていたが、カルメンからジェイミーの正体を知らされ、「自分を売ったのはベニーだ」と思い込んで彼を殺害したのだった。情報屋を失ったヒックスは抗議するが、マックは、ヒックスがレイモンドの犯行を知りながら、自分の捜査のためそれを隠蔽していたことを非難する。


感想

NYお得意の切断系グロ事件。

今シーズン初登場のジェイミー、脇役のまま終わってしまうのかと思ったらそうでもなかった。ちゃんと個人ストーリーを割り振ってもらえて良かったね。それにしてもドン・フラックは、ブルネットで美人の女性刑事をパートナーにして恋人関係になるというパターンから抜け出せないのか。

切断をバーチャルに再現して容疑者の体格と照合するという科学捜査は悪くないのだが、車の証拠品があまりにも都合良く焼け残っていたり、ヒックス捜査官が最初に登場した瞬間からうさんくささ全開だったり――といったところがイマイチで、全体として印象の薄い事件になっているような気がして惜しい。ジェイミー・ロバートも、このような個人ストーリーをやるには、まだまだキャラが成長途上じゃないだろうか。成長させていく時間も、このシリーズには残されていなかったけど……そう考えると、S7のジョーはやはり異例の存在だったのかなとも思う。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2016-07-18