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Law & Order: UK - Season 2, Episode 8

#21 ID


事件概要

Crown v. Joe Nash (Billy Wells)

研修医のアリス・カレンが駐車場で殺害される。バッグからは自宅の鍵が盗まれていたが、貴重品などは残されており、何か盗られたかどうかは不明。アリスにはジョー・ナッシュという婚約者がおり、妊娠10週目だった。

ジョーは「チャイナタウンにいた」というアリバイを主張するが、調べてみるとそれは嘘で、精神保健福祉士のダニエラ・レンゾに電話していたことがわかる。ダニエラはジョーと一緒にいたと供述するが、その後ダニエラは当日不在だったとわかる。

ジョーは取り調べの中で「アリスは自分から去った……あんなつもりではなかった」と言い始め、その後「彼女は倒れ、脅えていた。靴に付いた血が取れなかった、悪いことをした」と犯行を認めるようなことを口にする。だがその後彼は「自分はジョー・ナッシュではなくビリー・ウェルズだ」と言い出して刑事たちを驚かせる。

ビリー・ウェルズは15年前、11歳で友達と一緒に教師を殺害して逮捕されていた。6年後に仮釈放されたが、その時に新しい身元を与えられ、一生保護観察が付くことになったのだという。ダニエラもその話を認め「新しい身元に慣れさせようとしていた」と言う。

しかしダニーが収監されていた施設に確認すると「ダニーはジョーと同じ施設におり、現在は結婚して家庭を持っている。ジョーは妄想性障害だ」とその話を否定。内務大臣から「大事にするな」という圧力がかかり、スティールは故殺での取引をもちかける。

弁護側はいったんその条件をのむが、罪状認否でジョーはいきなり無罪を主張。弁護士のスマートは慌てるが、その後意見を変え「ジョーは自白を強要された」と主張する。

スティールはジョーの取り調べビデオを精査し、その時の供述内容が15年前のダニーの物とそっくり同じだと気づく。彼が本当にジョー・ナッシュであるなら病院に収容するべきだが、ビリー・ウェルズであるなら今回は再犯。仮釈放なしの終身刑が妥当である。

ジョーは「自分はビリーではない」と言うが、非公開の事実を口にしたため、スティールはジョー=ビリーであると確信。キャッスルは「事が公になると司法制度全体が避難され、少年は二度と社会に出られなくなる」と悩む。

チャンドラーはビリーの記録をこっそり入手してスティールに渡す。そこに書かれた傷痕の形状から、やはりジョーがビリーであることがわかり、ジョーはようやく「自分はビリーだ」と認めるが、アリスのことは殺していないと言う。

アリスの自宅から奪われた物は、ジョー=ビリーが書いていた日記だった。その日記はダニエラの自宅で発見される。日記には事件のことが詳細に書かれており、さらに、ビリーがアリスのためにダニエラを捨てることも書かれていた。

ダニエラはビリーを愛し、カウセンリングを通じてビリーを支配して依存させようとしていた。そして日記をめぐってアリスと争いになり、もみあって彼女を殴り殺してしまったのだ。

ビリーが無実とわかったため釈放が決まるが、その2時間前、ビリーは房内で首を吊って自殺してしまっていた。


感想

本家エピソードはシーズン3「秘められた思い」で、殺人事件と三角関係という要素は同じでありながら、まったく別の話に仕上げられていた。

本家の方ではセラピストがセラピーを通じて患者を支配していくことの倫理性が問われていたが、こちらではオリヴェットがいないせいなのか、被告人は本当は誰なのかという点に重きが置かれており、それでこのタイトルなのかと納得。

容疑者「ジョー・ナッシュ」は、本当は15年前に11歳で殺人事件を犯していたビリー・ウェルズだという。また少年犯罪か! という気がしなくもないけど、メインの事件じゃないので、いいか。少年の犯罪者が出所後に身元を変えて人生をやり直す――という話は、Wire in the Blood にもあったような気がする。日本でも、神戸連続児童殺傷事件で逮捕された元少年が別の名前で暮らしているという話があった(彼の場合は自分から手記を出したりWebサイトを公開したりして露出しているけど)。

今回の弁護士イーライ(って書くと別のドラマみたい)はアジア系。スティール検事のファンだと言って、最初のうちは和やかな雰囲気だったのに、最後はビリーのことがあって険悪な雰囲気で終わってしまったなぁ……残念。ところで、弁護側がバリスタ(ヅラの人)1人しか登場しないのは、最初からそうだっけ? 初期エピでは、ソリシタ(事務弁護士)も同席していたような気がするのだけど……。

Yoko (yoko221b) 2015-10-14