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csi:s14:296_the_devil_and_db_russell

CSI - Season 14, Episode 1

#296 The Devil and D.B. Russell

  • 邦題:「葬送の時」
  • 脚本:Christopher Barbour, Don McGill
  • 原案:Christopher Barbour
  • 監督:Alec Smight
  • 初回放映:2013-09-25

事件概要

メーガン・ラミレス、テレサ・ヒル他(前回より継続)

ニックとグレッグが囮の車を追跡している間に、モーガンは別の車でどこかへ連れ去られていた。囮車を運転していたのは、ブラザー・ラーソンのグループで助手のような仕事をしていたジェイク・ターランド。オリヴァー・テイトの自宅はすでに無人になっていた。

交通カメラの映像から別のSUVが発見され、近くの倉庫では金髪の若い女性の遺体が見つかるが、モーガンではなく、行方不明者のひとりのデニーズだった。彼女が5番目の輪「憤怒」を表しているようだ。デニーズの遺体は木造の船の中に置かれており、その船を解体すると中から数字の刻まれた木工細工が発見される。デニーズの遺体には、背中に「BARB THEE THORNS」という謎めいた文字の形の傷があり、また首には汗のような分泌物が残されていた。

ラーソンは関与を否定し、テイトとアンジェラが知り合いだったことを話す。アンジェラは所在不明。

フィンはテイトの自宅を徹底的に調べる。モーガンの拉致に関する痕跡は見つからなかったが、絵画にメッセージが隠されていることに気づく。そこからたどっていくと、暖炉に容器が隠されていた。捜索中のフィンの所へ作家のマチストンが現れ、「ホテルの部屋の前に置かれていた」と聖書を見せる。

マチストンが受け取った聖書にはUSBドライブが仕込まれており、中にはモーガンが拘束され「娘を一人だけ返す。どちらかを選べ」と言わされている映像が記録されていた。

ラッセルは動画の中でモーガンが何度も視線を上に向けていることに気づく。これはモーガンからのメッセージだと判断して映像と音声を詳しく分析すると、ジェット機のエンジン音のような音が入っていることがわかる。また、フィンがテイトの自宅で見つけたものは合成DNAで、デニーズの遺体の付着物もまた同種の物質だった。

アンジェラから「ラッセルさんに、一人だけで来てほしい」という連絡が入り、ラッセルは単独で教会へ向かうが、行ってみるとアンジェラはすでに殺害されていた。そこへテイトが現れ「自分は犯人ではない」と言う。テイトはラーソンの犯行を確信していたが、ラーソンは拘留中で、アンジェラを殺害することはできない。それを知るとテイトは「私が犯人にされてしまう」と言い、車で逃げようとするが、その車は爆発炎上する。その光景は七つ目の輪「暴力」のようだった。

教会にはやはり木工細工の仕込まれた聖書があり、その中にはSIMカードが入っていた。ブラスがそのカードを使って電話をかけるとエリーが応答し「どちらかを選んで」と言う。だがブラスは選ぶことができない。電話は切れ、逆探知も失敗に終わる。

テイトは素行不良を理由にバイオ企業を解雇されていたが、令状が下りたことで合成DNAが解析できるようになり、木工細工の数列をキーにして暗号を解読したところ、「地獄篇」に基づくポルノ動画が現れる。テイトは売春婦と少年たちを使ってポルノ映画を制作し、それを見て喜ぶという秘密の趣味があったようだ。

ラッセルは、デニーズの背中に刻まれた文字列も暗号であろうと思いつく。アナグラムを解読してみると「THEBAN BROTHERS(テーベの兄弟)」という言葉が読み取れた。「テーベの兄弟」とはギリシャ神話に登場するオイディプス王の遺児。さらに、アンジェラの遺体に残されていたDNAの持ち主は、ジェイク・ターランドの兄弟とわかる。調べてみると、ジェイクにはマシューという兄がいた。兄弟はテイトに弄ばれ、その復讐として罪を着せようとしたのだろう。ラッセルはラーソンの協力を得てジェイクを説得し、兄の隠れ家を供述させる。

その頃モーガンは監禁部屋のマットレスから尖ったスプリングを外すことに成功。やって来たマシューを挑発し、隙を見てスプリングで刺し、エリーとともに脱出に成功。だが逃げようとしたところでエリーが「もう一人別の女性の声がした」と言ったため、モーガンは引き返す。

だが別の女性の姿はなく、いつの間にか拘束を解いたマシューと鉢合わせ。格闘になるが、戻って来たエリーが落ちた拳銃を拾い、マシューを射殺する。モーガンは安心するが、歩き出したところでエリーに背中から撃たれてしまう。

やがて警察が駆け付け、エリーは保護される。モーガンはまだ息があったため病院に搬送され手術を受ける。

現場を調べたサラは、エリーの供述と証拠が食い違うことを不審に思い、携帯電話のメモリーを調べる。そこには、エリーとマシューの仲睦まじい様子、さらにナンシーも一緒に映っている写真があった。

ブラスはホテルの部屋でナンシーの遺体を発見していた。自分を裏切った父親を深く恨むエリーは、親同然だったテイトに裏切られた兄弟とともに一連の事件を画策したのだった。彼女はマシューとともにナンシーを訪ね「婚約者」と言って紹介したため、つながりが露見しないよう口封じのためにナンシーを殺害したのだった。


感想

葬儀の場面で始まり、過去へ時間が戻る形式。エクリーが泣いていてモーガンの姿がない。これはもしや……と思わせる手法だが、初回の放送から何年も経ってから見ているので、例によって何の驚きもない(モーガンがこの後も出演を続けていることがわかっているから)。

とはいえ、結末の細かい部分までは知らなかったので、いったい誰のお葬式なんだろう……ということは最後までわからなかった。結末がわかってから改めて冒頭のシーンを確認すると、ブラス警部が映る場面はなかった。これは一種のネタバレ対策なのだろう。モーガンが死んだのなら殉職になるので、ブラス警部はウォリックの時のように制服姿(礼装)で参列するはずだから。

肝心の事件の方は……前編でも思ったけど、やはりちょっと盛り込みすぎな感が拭えず。木工細工の数列、アナグラム、モーガンからのメッセージ、合成DNAなど仕掛けが多すぎて印象が散漫になったような気がする。そして謎の複雑さ、仕掛けを作るために要求される知識や教養や技術力の高さに比して、黒幕があの兄弟とエリーだけというのもアンバランスだ。映像を暗号化して保存し、解読キーを木工細工にするなんて、テイト本人にしかできそうにないと思うのだが……テイトが「創作物」として作り上げたものをあの3人が横取りして利用したのだろうか?

そしてエリーの行動もひどすぎる、というか、そこまで(共犯者と母親を殺害)させる必要があったのかなと思った。

フィナーレが話の途中で終わってしまう場合、クリフハンガー後のシーズンプレミアは実質「前シーズンのフィナーレ・後編」なので、「これから新シーズンだよ!」というより「話の結末を見届ける」感じになってしまい、気持ち的には正直あまり盛り上がらないのだが、今回はいつにも増して鬱な終わり方。

ところで、前シーズンの終盤で休暇を取りサンフランシスコへ向かったサラは、戻って来て普通に捜査に加わっていた。どうやらモンタナの風は吹かなかったもよう。この件は、後からストーリーに関わってくるのかな? そしてマチストンが口にした「ギグ・ハーバー・キラー」についても、今回は特に言及されなかったように思う。

そんなこんなで、モーガンとブラス警部のPTSDが心配になる幕開けではあったが、次から心機一転、フレッシュな気持ちで楽しめたら良いなと思う。残り少なくなってきたけど、またよろしく!

Yoko (yoko221b) 2020-09-21

csi/s14/296_the_devil_and_db_russell.txt · Last modified: 2020-09-21 by Yoko