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jjd:s01:001_exacting_justice

Judge John Deed - Pilot

#1 Exacting Justice

  • 脚本:G.F. Newman
  • 監督:Alrick Riley
  • 初回放映:2001-01-09

事件概要

Maurice Haart

娘をひき殺された父親モーリス・ハートが加害者のレッドバーンを射殺。レッドバーンは実刑を受けず釈放されており、ハートはそれに怒って犯行に及んだのだった。事情が事情なのでハートには同情が集まり、さらにハートが黒人、レッドバーンが白人であることから人種対立にも影響が出ていた。担当判事のニヴァンが病気で倒れ、ジョン・ディード判事が強引に事件を引き継ぐ。ディードは「謀殺ではなく故殺で有罪答弁をしてはどうか」と提案するが、検察側は拒絶、弁護人も「依頼人は判決がどう出るかを気にしていない」と望み薄。

ハートはライセンスを受けて銃を購入したその日にレッドバーンを殺害していた。それが計画的か衝動的かが問題になる。ライセンスを申請したのは、レッドバーンの公判より前であり、その時点では実刑判決が予想されていたので、必ずしも計画的とは限らない。警察官や心理学者がハートの心理状態についての証言を行う。

弁護人のジョー・ミルズは何とかハート本人に証言させようとするが、ハートは「今さら娘が戻ってくるわけでもない」と口を閉ざす。

陪審員は評議に入るが、なかなか評決が決まらない。ある日、陪審員が帰宅する際に裁判所の前でデモ隊と会話しているところを見られ、問題になる。反対派はこれを理由にいったん審理無効にし、別の判事で公判をやり直そうと画策するが、ディードは陪審員の行いを不問にして評議を続行させる。

ハートには有罪の評決が下される。判事は「刑に服す前に何か言っておきたいことは」と訊ね、ハートはようやく口を開き、娘のことや犯行時の心境を率直に語る。ハートの話を聞くうち陪審員たちは「彼は無実だ」「評決は誤りだった」とささやき始める。判事は検察の反対を押し切って陪審員による評決の変更を許可し、ハートは改めて謀殺・故殺のいずれも無罪の評決を受ける。

Rory Brown

ディード判事は休廷中に警備の隙を突いて法廷を抜け出し(判事には警備がついている)、娘のチャーリーを大学の寮へ送って行く。チャーリーは過激な環境保護グループに参加しており、農業方法に反対して畑を荒らして逮捕されてしまい、ディード判事はその後始末にも追われる。その件を利用して判事の失脚を狙う勢力も暗躍。

その後、チャーリーの友達のローリーが、小麦会社の倉庫への放火容疑で逮捕されるが、チャーリーは「彼は一晩中一緒にいたので無実だ」と主張。実はバイオテクノロジーの研究所に忍び込んで、遺伝子組み換えに関するデータベースを破棄していたのだった。

ディードは元義父(チャーリーの祖父)に助けを求め、義父は引き換えにディードを追い落とそうとする。ディードは娘のスキャンダル隠蔽を理由に辞職を迫られるが、逆に相手が警察のコンピュータを不正使用した事実を突きつけて脅し返す。


感想

判事ジョン・ディードシリーズのパイロットエピソード。このエピソードでディード判事の人となりが描写され、周囲の重要な人物もほぼ紹介されている。

ディード判事の、官僚的な組織関係や政治的な立ち回りを嫌って自らの信ずる正義を貫き、制度や手続きを逸脱することも厭わない――という人物像が明確に描かれているところは良いのだが、ハートの事件で評決の変更を認めるってのは現実に可能なのだろうか。

陪審の評決を判事がひっくり返すというのは、米国のドラマ “Law & Order” で一度見たことがある。人民裁判のような民意の暴走に対する歯止めとしては、わからなくもないけど、このエピソードの場合はどうだろう? 評決が出てから被告人が「実はこうでした」と言っても、それは証言ではない(だから反対尋問も受けない)。陪審員は証拠に基づく判断を、証拠でないものに基づいて撤回してしまったということになる。証拠に基づいて判断し、判断のつきかねる部分は被告人の利益に――というのが本来の姿ってものでは?

謀殺・故殺の両方で無罪、という新しい評決に対して判事は何となく微妙な表情。判事の考えとしては、謀殺では無罪、故殺では有罪だと思っていたんじゃないかな~。実際に引き金を引いて殺したのは事実だし。ハートさんも何だか浮かない顔だった。何となくだが、ハートさんは「有罪の評決を受ける」ことを望んでいたのではないか。あるいは、陪審員を試すために敢えて有罪答弁をせず証言もしなかったのではないか。同情を引くようなマネは嫌だが、評決が出た後だったので安心して心情を吐露できたのではないか――そんな気がした。

そんな判事の周囲にいるのが、助手のリタ・クーパー(クープ)、元妻のジョージナ(ジョージ)・チャニング、その父サー・ジョセフ、ディードの娘チャーリー、弁護士で元カノのジョー・ミルズ。女性が多いな~。クープとジョーとは信頼関係があるが、ジョージ父娘とはやや敵対的? チャーリーに対しては甘い父親という感じ。

他には若手の裁判官(?)役でコリン・サーモンの姿が。「第一容疑者」の2話と「Silent Witness」でも見たな……というか、英国ドラマでガタイのいいハンサムな黒人青年がいると思ったら大抵この人だわ。

カツラにローブという古風ないでたち(というか殆どコスプレ)、シャツまで昔風に、カラーが取り外し式のを着るのね。執務室で出される飲み物は紅茶だし、スポーツはフェンシング!(アメドラならテニスのスカッシュが定番な所だ)英国的な雰囲気を満喫できる情景描写と全体の雰囲気が良い。

Yoko (yoko221b) 2009-12-08

jjd/s01/001_exacting_justice.txt · Last modified: 2019-06-16 by Yoko