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このエピソードの元ネタのフランクリン事件は、ロフタス&ケッチャムの『抑圧された記憶の神話―偽りの性的虐待の記憶をめぐって』に詳しい。1969年にスーザン・ネイサンという少女が殺害された。その事件は犯人がわからないまま迷宮入りになっていたが、20年後になってスーザンの親友だったアイリーンが突然記憶を取り戻す。父親のジョージ・フランクリンがスーザンをレイプして殺害し、遺体を遺棄したのを見たというのだ。アイリーンは警察にそれを話し、ジョージ・フランクリンは逮捕・起訴される。 | このエピソードの元ネタのフランクリン事件は、ロフタス&ケッチャムの『抑圧された記憶の神話―偽りの性的虐待の記憶をめぐって』に詳しい。1969年にスーザン・ネイサンという少女が殺害された。その事件は犯人がわからないまま迷宮入りになっていたが、20年後になってスーザンの親友だったアイリーンが突然記憶を取り戻す。父親のジョージ・フランクリンがスーザンをレイプして殺害し、遺体を遺棄したのを見たというのだ。アイリーンは警察にそれを話し、ジョージ・フランクリンは逮捕・起訴される。 | ||
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この事件と同様、検察の決め手は娘の証言だけ。その証言が「見てきたように」具体的で正確だったため、警察も検察も、そして陪審員も彼女の記憶の正しさを信じ、フランクリンは1990年の11月に有罪判決を受けている。このエピソードが放映されたのはそのちょうど1年後。おそらく世間ではまだフランクリンが有罪と信じられていた時期だろうと思う。 | この事件と同様、検察の決め手は娘の証言だけ。その証言が「見てきたように」具体的で正確だったため、警察も検察も、そして陪審員も彼女の記憶の正しさを信じ、フランクリンは1990年の11月に有罪判決を受けている。このエピソードが放映されたのはそのちょうど1年後。おそらく世間ではまだフランクリンが有罪と信じられていた時期だろうと思う。 | ||
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だがその後、記憶の信憑性が疑問視されるようになり(アイリーンが語った「詳細」は事件報道で得られることばかりだった)、フランクリンは96年に控訴審で無罪判決を受けている。 | だがその後、記憶の信憑性が疑問視されるようになり(アイリーンが語った「詳細」は事件報道で得られることばかりだった)、フランクリンは96年に控訴審で無罪判決を受けている。 | ||
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さて、そのような経緯を踏まえて2007年現在の感覚で見ると、ジュリーの記憶はやはり信頼できないように思えるし、1人の目撃者の記憶だけで起訴するという検事の判断も疑問に感じる。同じアパートに住んでいたのだから、事件当時のアリバイとか調べなかったのかなぁ。そもそも、帰宅した後に行方不明になったのだから、建物は(その近所も)隅から隅まで調べたはず。壁の中に隠したって、生乾きのセメントとかあったら怪しいだろ!?……うーん、でもLaw & Orderでそういう部分に突っ込みを入れても仕方ないかな。 | さて、そのような経緯を踏まえて2007年現在の感覚で見ると、ジュリーの記憶はやはり信頼できないように思えるし、1人の目撃者の記憶だけで起訴するという検事の判断も疑問に感じる。同じアパートに住んでいたのだから、事件当時のアリバイとか調べなかったのかなぁ。そもそも、帰宅した後に行方不明になったのだから、建物は(その近所も)隅から隅まで調べたはず。壁の中に隠したって、生乾きのセメントとかあったら怪しいだろ!?……うーん、でもLaw & Orderでそういう部分に突っ込みを入れても仕方ないかな。 |
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