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lola:06_pasadena

#6 Pasadena

  • 邦題:「パサデナ」/「有名議員不倫ひき逃げ」
  • 脚本:Debra J. Fisher
  • 監督:Roger Young
  • 初回放映:2010-11-03

事件概要

レベッカ・タウンリー

レストランマネージャのレベッカ・タウンリーがひき逃げされて重傷を負う。命に別状はなかったものの、妊娠していた子は流産してしまう。目撃者の話から、単なる事故ではなく意図的に彼女を狙ったものと思われた。

レベッカは最近自宅に戻らず、他所に寝泊りしていたらしい。彼女は離婚したばかりだったが、元夫のフォレスタは「原因はレベッカの不倫だが、離婚自体はスムーズだった」と無関係を主張。事件当時は出張中で、ホテルの部屋にいたというアリバイが確認される。

その後、企画会社を経営するアダム・ヤーボローの存在が浮上。かかりつけの産婦人科医がわかるが、そこに知らせていた連絡先住所はアダムの自宅であり、そこにいたのはアダムの妻、キャロリン。正妻と愛人が同居していたのかと刑事たちは驚くが、どうやらレベッカがアダムの子を妊娠し、生まれたらキャロリンが母親として引き取るという話になっていたようだ。夫妻の話は微妙に食い違うが、アダムは「資金集めパーティに出席し、下院議員のトム・ネルソンと一緒にいた」というアリバイを主張。

レベッカが意識を取り戻すが、流産を知ると彼女は泣き叫び「トム・ネルソンが赤ちゃんを殺した」と口走る。アダムは父親でも何でもなく、ただネルソンに言いくるめられて身代わりを務めていただけだったのだ。その後、ネルソンがレベッカを中絶医に診せようとしていたことがわかる。

聞き込みの結果、元夫であるフォレスタのアリバイがくずれ、彼が実行犯であるとわかる。担当検事のモラレスは、フォレスタに続きネルソンを共謀者として起訴する。だが犯行に使われた車やアリバイ工作の具体的な証拠はなく、2人とも無実を主張。

ネルソンの財政状態を調べてみると、彼は10年前に家族信託を作っていたが、その時と同じ弁護士に先月また料金を支払っていたとわかる。ネルソンはレベッカと生まれてくる子どものために家族信託を作ろうとしていたのだ。だが家族信託には妻の同意が必要だ。

妻のパトリシアは卵巣がんを克服し、その経緯を本に書いていた。検事は、パトリシアのがんが再発し、ネルソンは妻が死んだ後にレベッカと再婚するつもりだったのではないかと疑う。パトリシアの周辺を調べてみると、犯行に使われた物と同タイプの車を持っていること、車を隠せそうな別荘がパームスプリングスにあることなどがわかる。がんの専門医と何度も会っていたことから、がんが再発して余命いくばくもないと知り「夫は愛人と再婚し、自分は忘れ去られる」と思って犯行に及んだものと思われた。

モラレスはパトリシアを訪ね、「警察がパームスプリングスに向かっている」と言って取引を切り出す。先にパトリシアが犯行を認めれば取引ができるが、刑事たちが車を見つけてしまったら、それはもうできなくなる。最後の最後にパトリシアは折れ、フォレスタに犯行を依頼し、自分がアリバイ工作をしたことを認める。だがその頃、パームスプリングでは刑事たちが空っぽの車庫を見つめていた。夫のネルソンが先回りして車を処分したものと思われた。

パトリシアの弁護士は執行猶予を求め、モラレスも彼女の病状を理由に同意するが、判事は「赤ん坊を殺した者を釈放するわけにはいかない」と、365日の実刑を言い渡す。


感想

容疑者が議員のスタッフや協力者の場合は、大抵その議員が犯人で、容疑者は議員をかばっている。そして原因は女性問題だ。捜査段階で奥さんの登場があれば、奥さんの関与がその後明らかになる。もったいぶった映像で警官が突入する時は、空振りに終わることが多い。そんな「ドラマの展開お約束」を忠実に守っているエピソード。話自体に不満はないが、もうちょっと面白くできたはずでは? という印象が残った。素材としては割りとありがちというか、LAでなくても成り立つような内容だが、そういう時こそ話自体の見せ方が問われるのではないだろうか。

最後に、議員を非難するプライス(モラレスのセカンドチェア。ようやく名前覚えた!)に対してモラレスが「君にもいずれわかるさ」とか言っていたが(原文は “You’re young, you’ll find out.”)、悪いけどもう若くない私にも理解できないわ。一人になることには耐えられなくても、実際に一人になるまではその予感に耐えるべき。レベッカはさっさと別れて暴露本でも書けばいいよ。

で、奥さんに対しては気の毒に思うが、だからといって殺人(カリフォルニアでは胎児殺しは殺人?)や殺人未遂は許されないし、奥さんが自供した以上、実刑はやむを得ないかな、という気はする。車を処分したって、一言教えてあげれば良かったのに。いや、良くないけど。

タイトルの「パサデナ」はアダムの自宅とレベッカが通っていた病院のある場所。高級住宅地らしい。議員の浮気、がんを患う妻という図式は、民主党の上院議員だったジョン・エドワーズが下敷きだろうか。

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使用楽曲

  • “Bamboleo” by the Gypsy Kings

Yoko (yoko221b) 2013-11-17

lola/06_pasadena.txt · Last modified: 2024-03-09 by 127.0.0.1