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lola:08_ballona_creek

#8 Ballona Creek

  • 邦題:「バローナ川」/「眠れる連続殺人鬼」
  • 脚本:Richard Sweren
  • 監督:Vincent Misiano
  • 初回放映:2010-11-17

事件概要

ドン・ヘラー他

バローナ川で水質検査をしていた職員のドン・ヘラーが殺害される。発見者は同僚のルイス・バルデス。自宅を調べたところ、ヘラーは80年代に起きた連続殺人事件について調べていたらしい。その事件では黒人の若い女性ばかりがレイプされ、体を何箇所も切られて殺害されていた。1人だけ生存している被害者、ダイアナ・マクダーモットがいたが、ヘラーの写真を見せても犯人だと名指しすることはなかった。

その後、80年代と同じ手口の事件が起き、黒人の若い女性が殺害される。ヘラーは犯人ではなく、事件を調べたために真犯人に命を狙われたのではないかと思われた。一連の事件は91年で終わっていたが、ヘラーで殺しの快感を思い出した犯人がまた犯行を始めた可能性がある。

刑事たちは80年代の事件を再捜査し、当時の捜査や証拠保管方法の杜撰さに呆れる。証拠物件は複数の被害者の物が分類されずに箱に入れられ、担当刑事は連続殺人であることを知りながら「パニックになるから」と事態を公表しなかったのだ。そして暴動事件以降、住民は警察と関わらないようになり、捜査は打ち切られていた。

刑事たちは、ダイアナが「犯人が私のブラを口に入れてしゃぶった」と言ったことを思い出し、証拠品を最新技術で調べてDNAの抽出に成功する。犯歴者の中に一致するものはなかったが、司法長官の許可を得て近親者のDNAがないか探したところ、ブランドン・ダフィという若者と部分的に一致することがわかる。

ブランドンの父親マークはDNAの提出を拒否。刑事たちは彼が捨てたタバコの吸殻を拾って帰るが、結果が出る前にアメリカ自由人権協会(ACLU)が横槍を入れ、DNA捜査は中止されてしまう。

その後、マークがマリア・コルデロという女性に対する接近禁止命令を取っていたことがわかり、訪ねて話を聞いたところ、ブランドンはマリアの娘が生んだ子だという。娘のアンジェラは20年前、家に侵入して来た男にレイプされて妊娠し、出産した後ブランドンを養子に出していた。その後、アンジェラはもう子どもを望めないということがわかり、マリアはブランドンに会いたいと望んだが養父に拒絶されてしまったのだ。マークはブランドンに出生の秘密を知られないよう、一致しないと知ってわざと検査を妨害したのだった。

マリアとアンジェラが当時住んでいたのは、一連の犯行現場の近く。その頃はマリアの義弟(夫の弟)が同居していたという。義弟の名はルイス・コルデロで、よくよく調べてみると、何とヘラー事件の発見者ルイス・バルデスその人であるとわかる。

バルデスは逮捕されるが、マーク・ダフィが再び横槍を入れ、DNAの証拠は排除されてしまう。ブランドンは無謀運転で逮捕されてDNAを採取されていたが、その当時ブランドンはまだ未成年で、DNAは採取されないはずだった。手違いで採取されたデータがそのまま残ってしまったのだ。判事はダフィの主張を認めてDNAの証拠を排除。DNAがなければルイスの存在に行き着くこともできない。担当検事のデッカーは「せめて面通しさせてください」と主張して認められるが、ダイアナは犯人の顔を見分けることができず、バルデスは釈放されてしまう。

DNAさえあれば問題はない――そう考えたデッカーは、アンジェラに再び話を聞く。アンジェラは泣きながら、自分をレイプしたのは叔父のルイスだったと認める。誰かに言えば殺すと脅され、警察に届けも出さなかったのだ。デッカーの説得に応じてアンジェラは被害届を出す。未成年者に対する未告発のレイプ事件には時効がないので、バルデスは再び逮捕され、DNAが登録される。今回は正当に登録された物であるため、証拠は認められて再び採用される。

バルデスは母親の旧姓を使って社会保障番号を取り直し、薬を服用して犯行を止めていたが、同僚のヘラーが改名のことを知ってうるさく詮索し始めたのだという。彼は「もういちど薬をのむ。死刑になりたくない、助けてくれ」と哀願するが、デッカーは「君が被害者に容赦しなかったように、私も容赦しない」と言い放ち公判に臨む。

冒頭陳述で、デッカーは殺害された被害者の名を一人ずつ読み上げる。


感想

LOLA面白くなってきた!

「コールドケース:LA」みたいな話だったが、LAらしさとストーリーの面白さの両方を兼ね備え、過去の問題(80年代の麻薬や社会問題)と現在の問題(DNA捜査とプライバシー問題)を同時に重く問いかける。

最初は「うーん、いまいち……」な印象で始まりつつも、刑事や検事たちの個性が少しずつ定まり、ドラマとしての方向性がようやく見えてきた感じ。新シリーズが面白くなってくる時期に来たのだと実感する。それだけに、この後に起きるキャスト変更と長い休止期間、そして打ち切りが残念に思えてきた。

DNAとプライバシーの関係は悩ましい問題だが、指紋と大きく異なるのは、自分の出生や親族関係や身体的特徴など、くっついてくる情報が多すぎるということなのだろう。だから敏感になるのもわかるが、そのために犯罪者(しかも、かなりの高確率で再犯を犯しそうな)が野放し、というのは決して楽しい状況ではない。ダフィの言い分は自分勝手だとしか思えない。息子が傷つくというが、その息子だってもう20歳。いや19歳かな? いずれにしてももう話せばわかる年齢だろう。これが息子ではなく娘で、次の被害者になるかもしれないという状況ならどうしただろうか。

そんな数々の妨害を乗り越えてのDNA登録。排除されたDNAの証拠がなければマーク・ダフィの存在も、従ってマリア・コルデロの存在にも行き着かず、アンジェラが被害届を出すこともなかったと思うが、これはOKなのか。まぁ、でも排除されなくて良かった。ラストシーンではデッカーが一人ずつ名前を読み上げ、それまで忘れ去られていた被害者のために、正義が行われる日がようやく来たのだということを強く印象付ける。この終わり方も、決して新しくも個性的でもない演出だが、堂々と王道を行ったのがかえって良かったと思う。

欲を言えば、ヘラーが連続殺人に気づいたきっかけの説明がもう少し欲しかったかな。同僚が名前を変えていたとわかれば不審に思うかもしれないが、そこから連続殺人まではかなり距離がある。しかも警察は連続殺人とは認めていなかったので、有名な未解決事件というわけでもない。

今回タイトルのバローナ川は、セントラルLAの南西からマリーナ・デル・レイまで流れている。検索すると河口の場所が出てくるが、事件現場はもっと上流のはず。

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Yoko (yoko221b) 2013-11-17

lola/08_ballona_creek.txt · Last modified: 2024-03-09 by 127.0.0.1