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mccallum:5_city_of_the_dead

McCallum - Series 2

#5 City of the Dead

  • 邦題:「死人の街」
  • 脚本:Mike Cullen
  • 監督:Richard Holthouse
  • 初回放映:1997-12-30, 1998-01-06

事件概要

Episode 1

ジョージ・リアモントという年配の男性が自宅で死亡。遺体はきちんと服を着て椅子に座った状態で発見される。現場に呼び出されたイアン・マッカラムは、周囲の状況に腹を立て、検死もせず現場を放り出して帰ってしまう。イアンは恋人ジョアナが去ってから5ヶ月、仕事に身が入らない状態が続いていた。

代わりにマッカラムの同僚アンジェラが呼び出されて現場に向かうが、疲労がたまっていたためか、彼女はその近くで老人を轢いてしまう。心肺蘇生を試みるが老人は死亡。アンジェラは、老人が突然飛び出して来たのを見てブレーキをかけたと言うが、ホームの看護師はアンジェラが居眠り運転をしていたと言う。呼気のアルコール量は法廷許容量をわずかに超えていたが、血液検査ではシロ。

マッカラムは本来の仕事――ジョージ・リアモントの事件を担当。リアモントは首を刺されていた。傷口は15センチと、かなり深い。だが血痕は残っていなかった。捜査を進めるスモールは、妻が行方不明で、彼女の写真はおろか住んでいた形跡まで残っていないことを不審に思う。

アンジェラの事故で死亡した被害者ルイス・ヒルは、トニー・ワットという外部の病理学者が検死し、事故による衝撃が死因であると結論付けられる。ワットの仕事ぶりに不満なマッカラムは再検死を要求しろと言う(アンジェラには再検死を求め担当を指名する権利がある)が、アンジェラは責任を感じ、権利を行使しようとしない。マッカラムは、ヒルが施錠された扉を破って外に出たという話が気にかかっており、ファジーに「機械の故障」という口実で検査を遅らせ、老人ホームに事情を調べに行く。

マッカラムは老人ホームで、看護師、居住者でヒルの恋人だったヴィクトリア、その友人マージョリーの話を聞く。その後、看護師から何とか話を聞き出そうと彼女を自宅に招き、乱痴気騒ぎを演じる。その頃、ヴィクトリアは2人目の犠牲者の衣服を整えていた――。

Episode 2

翌朝、アダム・コレットの遺体がホームで発見される。リアモントと同じような服装で、同じく喉に刺し傷があった。ブラッケンは看護師のアリバイを確認しようとして、彼女がマッカラムの自宅にいたことを知り「証人に干渉するな」と怒る。

マッカラムはコレットとリアモントの傷口を比べ、同じ凶器で殺害されたと判断。ブラッケンはリアモントの妻ドロシーの行方を追い、同じ老人ホームに入所しているところまで突き止めていた。居住者全員の身元調査が行われる。

ヒルの死の直前の行動がどうしても納得できないマッカラムは、ボビーとファジーとともにヒルの検死を強行。脚が車のバンパーにぶつかった傷は軽く、位置はバンパーの本来の位置よりも下だった。これは、ブレーキを踏んで車が停まり、バンパーの位置が下がっていたことを示す。頭蓋の骨折や出血の状況と耳の上に特徴的な痣があることから、被害者はゴルフクラブで殴打されたものと思われた。殴られて気を失い、覚醒してパニックを起こし、アドレナリンの影響で扉を破り、外に出てアンジェラの車にぶつかったのだ。致命傷になったのは殴られた頭の傷の方であった。マッカラムの行動に気づいたワットは「不法な検死だ」と主張するが、その場に現れたアンジェラが「私が指名して依頼しました」と助け舟を出す。

その頃、ヴィクトリアの行動を不審に思って後をつけたマージョリーはリアモント家にたどり着き、凶器のナイフを見つけていた。ヴィクトリアは、アダムがルイスから自分を奪うために彼をゴルフクラブで殴ったと言う。ルイスはいったん昏倒したが起き上がって走り出したのだ。そしてアダムが「逃げようとするのを止めようと」して手にかけたのはヴィクトリアだった。

マッカラムはヒル事件の審問に出席し、アンジェラが無実であることを証明する。

スモールはジョージ・リアモントの妻がヴィクトリアであることを突き止め、老人ホームへ向かうが、ヴィクトリアはいない。リアモント家には、男性の衣服を着て同じように喉を刺されたマージョリーの遺体が椅子に座らされていた。警察は交通機関をすべて封鎖してヴィクトリア(ドロシー)の行方を追うが、その頃彼女はヒッチハイクで遠方へ向かおうとしていた。


感想

第2シリーズの幕開けだが、マッカラムがいきなりボロボロの状態。ジョアナが出て行って数ヶ月という設定らしい。彼女に振られただけでこの体たらく? と思ったら、どうやら彼の心に深く巣食っている死者の記憶に悩まされているようだ。それまではジョアナの存在が救いになっていたのね……。検死医歴10年?で、担当した件をすべて記憶しているというのだから、ただ事ではない。マッカラムはスコットランド人という設定なので、ロンドンへ来たのと検死医になったのは同時くらいの設定なのだろうか。だとすれば、マッカラムにとってロンドンは文字通り、死人の街ということになるのだろうか――。

今回の事件。マッカラムの本来の担当事件は、ヴィクトリア(=ドロシー)による連続殺人事件なのだが……でも、犯人は(視聴者には)最初からわかっているし、特に変てこな死因というわけでもなく、警察の捜査で解決だよね(逃げられたけど)。ヴィクトリアがどのような動機で犯行を重ねていったのか、マージョリーに男装をさせてまで死者の装いにこだわったのはどういう理由があるのか、どうもピンと来なかった。これは検死医じゃなく「ワイヤー・イン・ザ・ブラッド」のトニー・ヒルみたいな心理学者の出番になるんだろうなぁ。検死によって真相が解明されたという点では、アンジェラの交通事故の方が重要だった。

ドラマ面ではジョアナの降板でアンジェラの存在感がぐっと強くなった印象がある。今後は彼女がマッカラムとともにドラマを引っ張って行くのだろうか。それにしてもパディ先生、マッカラムが現場を放棄したと聞いて「今度こういうことがあったらクビだ」と言っていたけれど、第1シリーズの頃の行いを思い出すと、そんな偉そうなこと言えるんか、という気がしないでもない。

2008-07-23

mccallum/5_city_of_the_dead.txt · Last modified: 2020-05-13 by Yoko