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mccallum:6_harvest

McCallum - Series 2

#6 Harvest

  • 邦題:「サイコキラー」
  • 脚本:Ben Rostul
  • 監督:Christopher King
  • 初回放映:1998-01-13, 1998-01-20

事件概要

Episode 1

下水溝の中で男性の遺体が発見され、マッカラムが現場へ向かう。胸から臍までを一直線に切開され、臓器が摘出されていた。皮膚には赤レンガの粉が付着。

その後、街で手作りのブローチを売っていた女性、マギーとローズが同じような手口で殺害された第2の被害者を発見。やはり臓器の大半が持ち去られていた。切開の手際が良いことや医療器具を使った形跡があることから、マッカラムは臓器売買を疑う。

一方ブラッケンは変質者の犯行とにらみ、異常犯罪の前歴者トム・エドワーズを連行。だが証拠はなく釈放せざるを得なかった。

さらにその後、3人目の被害者が河で発見される。今回は15歳ぐらいの少年で、やはり胸を切開され臓器を摘出されていた。トムはその時すでに釈放されていたが、食事の配給を受けていたと主張する。その食事サービスは、レストランを経営するジョンソンが余った食材を使って行っているものだった。ジョンソンは19世紀に建てられた自宅で古風なレストランを営み、マッカラムもそこで誕生日を祝ってもらったばかりだった。

マッカラムと新人のクレアは2人目の被害者の血液の赤血球を調べ、溶血性貧血を疑う。また、3人目の少年の頭髪からは馬の毛が発見された。馬の毛は1930年代ぐらいまでは、壁土の材料として使われていた。

Episode 2

2人目の犠牲者を発見したローズが行方不明になる。ローズは妊娠中で出産を間近にひかえていた。マギーはローズを探し回り、落ちていたブローチからとある倉庫に入り、ローズの遺体を発見する。現場に到着したマッカラムは、ローズがすでに出産していることを知るが、赤ん坊の姿はどこにもなかった。

スモール巡査はトム・エドワーズの自宅へ向かうが、トムはそこで死亡していた。自ら首を切って自殺したようだったが、赤ん坊の姿はどこにもない。ブラッケンはトムが一連の犯行を行った後自殺したと判断し、警官を総動員して赤ん坊の捜索にあたる。だがくわしく検死した結果、やはり他殺であったと判明。

ボビーは、ローズの首に何かの跡を見つける。それはテントウムシのタトゥーを消した痕跡だった。聖パトリックのモルグには、失踪した娘のエイプリルを探しているウェストン夫妻が、たびたび身元確認に訪れていたが、テントウムシのタトゥーは、エイプリルの特徴に一致する。ローズがエイプリルであることは確実と思われたが、ウェストン夫人はあくまで「娘ではない」と言う。

ファジーは一連の被害者の血液から葉緑素、亜鉛、マグネシウムを検出。被害者には溶血性貧血という共通点があった。マッカラムは、犯人は何らかの人体実験を行っていたのではないかと思いつく。臓器を摘出したのは、肝臓と脾臓で赤血球を検査するため。遺体を切開した切り口はきれいで手慣れているが、実験の発想は原始的で、医学を学んだ者ではない。赤ん坊にも同じ実験を行うおそれがあった。

その頃ブラッケンはトムとローズの交友関係から、食事を配給していたジョンソンに思い至る。一方、アンジェラから事件の話を聞いていた歴史学者のローリーは、昔のロンドンの市街図と今回の犯行現場を照らし合わせて、犯人の行動様式を読み取っていた。犯人の行動半径は、昔の下水溝だったのだ。

路上で発見された男の胃からは、カキが発見されていた。昔風の食事、昔風の壁土――すべてジョンソンにつながっていく。ジョンソンの娘は15年前に、溶血性貧血で脾臓を摘出されて死亡していた。さらに、ジョンソンが以前精肉業を営んでいたこともわかる。娘の病気を治したい一心で犯行に及んでいたのだ。

マッカラムは解毒剤を用意し、検死室に駆けつけたローリーとともにジョンソンのレストランに向かう。ジョンソンはエーテルを床にまき火をつけようとするが、マッカラムは赤ん坊を連れて脱出。続けてローリーも脱出するが、ジョンソンはそのまま火を放ち爆死。


感想

何だか、いつにも増して暗い画面。下水溝とか倉庫とか夜の路上とか……見難くてしょうがなかった。

今回も、わりと早い段階で犯人の見当がついてしまった。イアンの誕生祝いにジョンソンさんのエピソードが思わせぶりに挿入されていたし、古い建築方法も示唆されたし。連続殺人で容疑者になった人物(今回はトム)が殺されるというお約束はそのとおりだったわけだが、トムが犯人でなければ、他にそれらしい人いないし! もしかして最後にどんでん返しが? と、ちらっと思っては見たものの、やはりストレートにジョンソンさんだった。最後にローリーが死ななかった点が意外といえば意外だったかな(ラストのあれ、普通は死亡フラグだよな~)。

犯人に意外性はなかったけれど、だからつまらない、というわけではなかったな。ジョンソンさんとウェストンさんの、それぞれの亡き娘への思い、不治の病に冒された親友を見守るアンジェラの思いが描かれ、しんみりとしたトーンで統一されていたのは良かった。

ただし個人的には、「切り裂きジャック」事件との類似性や、19世紀当時のロンドンと現在の姿を重ね合わせたところをもっと描写してほしかったなと思う。

最初の方でブラッケン警部補が「フランスで女友達の内臓を取って食べた事件が……」と言っていたけれど、これってあの事件のことなのだろうか。

2008-07-27

mccallum/6_harvest.txt · Last modified: 2020-05-13 by Yoko