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mccallum:7_dead_mens_fingers

McCallum - Series 2

#7 Dead Men's Fingers

  • 邦題:「無実の証明」
  • 脚本:Jane Hollowood
  • 監督:David Tucker
  • 初回放映:1998-02-03

事件概要

Episode 1

病院の創立記念講演で、マッカラムは「死亡推定時刻の最新の調査」に関して、ファジー・ブライトンとの共同研究を発表する。講演自体は無事に終了するが、その最中に研修医のクレア・ギルモアが死亡していたことが判明。クレアは病理学教室での研修を終えたばかりだった。

クレアの首に痣があったことから、ブラッケン警部補にも連絡がいく。ボビーは、講演中にクレアが恋人のジョン・フレミングと口論するところを見ていた。検死はアンジェラが担当するが、外傷や病気の症状もなく死因の判断は難航。マッカラムは、首の痣は迷走神経を圧迫した痕ではないかと口にする。他に死因の可能性が見つからないため、死因は迷走神経の圧迫、すなわち他殺と推定される。さらに、クレアが妊娠していたことが判明。胎児の血液型はA型だが、クレアはO型でジョンはB型だった。

クレアのルームメイトだったデリア・ヴァインがクレアの日記をブラッケンに届ける。そこには、クレアとマッカラムが秘密の恋人同士だったこと、子の父親がマッカラムであることが綿々と綴られていた。まったく身に覚えのなかったマッカラムは驚いて否定するが、日頃の素行が災いしてなかなか信じてもらえない。パディは大学の懲罰委員会に報告するので真実を述べるよう命じ、アンジェラは「嘘つき」とマッカラムを拒絶する。

Episode 2

クレアの爪から検出された皮膚組織はジョン・フレミングのもので、付着していた繊維もジョンのセーターのものだった。恋愛関係をめぐる動機があり、医師であれば迷走神経についての知識もある。ブラッケンはジョンを逮捕するが、その一方でクレアの身辺をもっと調べるようスモールに命ずる。

マッカラムのもとへ、クレアが死ぬ前に投函した手紙が届く。手紙には「貴方に会いに行ったのに部屋にはアンジェラがいた。絶望したので死ぬ」という内容が書かれていた。マッカラムは手紙を持って審問中のブラッケンを訪ねようとするが、ジョンの母親が「検死は間違っている」と騒ぎ出したためアンジェラは気分を害してしまう。

マッカラムは、自分で自分の首を圧迫して死ぬことが不可能ではないこと、クレアのカルテにうつ病と自殺未遂の記録があることから自殺を主張。

アンジェラは自殺説を受けてクレアの遺体を調べ直す。首の痣は時間が経って変化したため、歯形の形跡が認識できるようになっていた。その痣は迷走神経の圧迫ではなく、キスマークだった。アンジェラは急いで毒物検査を手配する。検死した当時は結果を急かされ、迷走神経の可能性が高かったため、胃の内容物まで調べる余裕がなかったのだ。その頃マッカラムはクレアの自宅を訪ね、同居人のデリアが自然史をテーマにした写真家で、自宅で毒草を育てていることに気づいていた。

クレアの胃からは、イーナンテ・クリスターターという植物が発見される。根の別名を「死者の指」という毒草だった。クレアの死は自殺と判断され、ジョンは釈放され、マッカラムが彼女を死に追いやったという疑惑だけが残った。

だがその後、マッカラムの自宅にデリアから写真が届けられ、状況は一変。それはクレアとデリアが睦まじく抱き合う写真だった。マッカラムは事情を察してデリアの自宅へ急行するが、デリアはすでに「死者の指」を食べてしまっていた。マッカラムは、デリアがクレアを愛しすぎたために殺害し自殺したことを知る。

さらにDNA鑑定結果も判明。子どもの父親はマッカラムではなく、教授のパディ・ペンフォールドだった――。


感想

マッカラム先生踏んだり蹴ったりの巻。何も身に覚えがないのにクレアの子の父親と名指しされ、同僚たちから冷たい視線を浴び、クレアを自殺に追いやったと非難されて元彼に殴られ――挙句の果てに、マッカラムを非難して「さっさと行いを認めろ」とせっついていた当の教授が真犯人(殺人のじゃないよ)だったのだから、もう。先生ってば第1シリーズの頃はイアンに助けてもらっていたのに、恩知らず~。

普段の行いって大切だなぁと改めて考えさせられたエピソードでもあった。でもボビーはいい奴だ!

第2シリーズに入ってからのストーリーは、犯人を早めにわからせたうえで「どうやってその地点へ到達するのか」を中心に据えるようになってきたようだ。今回も、デリアの関与は早い段階で示されていたと思う。スモールが見つけられなかった日記帳を持って来たところから何となく怪しかった。

ただ事件の全体像は、すっきり納得できるものではなくて……クレアがマッカラムとのことを日記に書き記していたのは彼女の妄想だったのだろうけど、手紙を出したその日にデリアが殺害に及んだのは偶然だったのか、それともデリアは手紙のことを知っていたのか。他殺 → 自殺 → やっぱり他殺、と仮説が二転三転するうちに、そのへんが何だか曖昧になってしまった感じ。真相はデリアが墓場へ持って行ってしまったから仕方ないか。

クレアといえば、1話でマッカラムと意気投合していた女性警視がクレア・ベストさんだったっけな。このシリーズでクレアという名前は縁起が悪いのかも。

最初の方で、マッカラムが講演する場面は良かった。珍しいスーツ姿も見られたし、捜査だけじゃなく、ちゃんと研究してるんだな~という感じで。聖パトリック病院は創立153年だそうだが、1998年の153年前というと1845年、ペリーの黒船が来る8年前だというからすごいわ。

2008-07-27

mccallum/7_dead_mens_fingers.txt · Last modified: 2019-09-11 by Yoko