BONES - Season 4, Episode 20

#78 Mayhem on a Cross

「メイヘム」ことジャスティン・ダンシー

 ノルウェーのエンゲルスヴィケンで、ブラックメタルバンドの舞台装置として使われていた白骨が、本物の人骨だったことがわかる。被害者はアメリカ人で、アメリカで殺害された後ノルウェーに運ばれたため、白骨は「アメリカ管轄の事件」としてジェファソニアン研究所に送付される。そのバンド「スカーレェ」はDCで公演を行った際に、地元のバンドから白骨を奪ったという。

 被害者は十代の若者で、死後に背中を切開され、肋骨を切り離してワシの翼のように広げるという中世の処刑方法を行われていた。骨に染み込んだ舞台メイクの跡を復元した結果、被害者は「スピュー」というメタルバンドでベースを弾いていた「メイヘム」と判明。以前にブースのカウンセリングを担当していたゴードン・ワイアットが、元ミュージシャンという縁で捜査に加わる。

 スピューはアンダーグラウンドで活動しているため、なかなか正体がつかめなかったが、ようやく練習場が判明しメンバーを連行。メイヘムの本名はジャスティン・ダンシーで、バンドを脱退したという。メイヘムの後にベーシストとしてバンドに入ったダリルは、実はジャスティンの幼馴染。デスコアバンドの「ゾーチ」がジャスティンの骨を舞台に飾っていることを知り、親友の遺体を取り戻そうとしていたのだ。スピューとゾーチは犬猿の仲だったが、ゾーチのメンバーは「66号線の6番橋にメイヘムの死体が埋まっているという噂を聞いて掘り出し、背中を切開して骨を磔にしただけだ」と、殺害については否定する。

 ジャスティンの遺体には、死ぬ数ヶ月前に臀部を銃で撃たれた跡と、死の直後にその傷を抉られた跡があった。映像を確認すると、スピューのライブでは、若い女性がメイヘムを銃で撃つというパフォーマンスが何度も行われていたことがわかる。通常はフェイクだが、1度だけ実弾が使われ、臀部の傷はその時のものだった。

 銃を撃った女性レキシーは、1度だけ演出で実弾を使ったことを認め、ジャスティンを殺害したのはバンドの仲間か熱狂的なファンだろうと言い出す。ジャスティンはデスメタルからパワーパンクへの転向を目指していたので、その制裁として殺害されたというのだ。

 一方、背中の骨折跡に注目していたブレナンは助手のクラークの協力を得て再現実験を行い、犯人が被害者の背中から馬乗りになり、首を絞めながら同時に膝で背中を押さえつけたのだろうと判断する。首の後ろ側に刺し傷があったが、有刺鉄線を凶器に使えばそのような傷跡が生じる。

 スイーツとワイアットは、犯人はジャスティンを殺害した後、記念品を持ち帰り象徴として誇示しているだろうと判断する。ブースは、スピューのメンバーのひとり、ピンワームが銃弾をペンダントに付けていることを思い出す。

 ピンワームはのらりくらりと追及をかわしていたが、ブースが「ゾーチのメンバーが犯行を自供した」と嘘をついたため、思わず犯人しか知り得ないことを言ってしまう。

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 メタル系音楽(ブラックメタルとかデスメタルとか色々出てきたが、区別がよくわからん (^^;)の閉鎖的な世界で起きた殺人・遺体損壊事件。何でもノルウェーには実際に「メイヘム」というブラックメタルバンドがあり、メンバーの間で殺人事件も起きているとのこと。それで冒頭がノルウェーだったのか。

 またこのエピソードでは、シーズン2でブースのカウンセリングを担当していた「ゴードン・ゴードン」(「ゴードン、ゴードン・ワイアット」と自己紹介をするのでブースがふざけてこう呼んでいる)ことゴードン・ワイアット先生が再登場! シーズン3でスイーツが登場した時は「ゴードンが良かったのに…」と正直がっかりしていたので、今回の再登場は嬉しい。ついでに、ワイアット先生の意外な過去が! 若い頃はロック・ミュージシャンで、唐突に音楽活動を止めて心理学者になり、そして次は料理界への転進を計画中とは。

 過去といえば、スイーツにもかわいそうな時代があり、それをきっかけにブレナンとブースが自分の生い立ちを口にするという場面があった。語り口としてはしんみりして悪くないとは思うけど、「どうしても過去は暗くないとダメですか?」という疑問がなきにしもあらず。個人的には、別にここで生い立ちを話さなくても良かったんじゃないの〜? と思う。

 というのは、今回それ以外の捜査面での描写が良かったから。どうせならそっちに集中したかったな。脚本担当のDean Lopata氏は、脚本家としてクレジットされるのはこれが初作品(エディターやスタッフライターとして関わったエピソードはいくつかある)なのに、何だか初期シーズンに戻ったような描写でとても面白かった。ブレナンが骨と格闘する時間が長いし、ノルウェー語で頭蓋骨を表す「スカーレェ」の発音をいちいち訂正したり、クラーク君を相手に再現実験する場面が最高!

 ブレナンは法人類学者なので「頭蓋骨を意味する単語は世界各国の言葉で知っている」そうだ。ということは日本語の「ズガイコツ」は当然ご存知だろう。「ドクロ」とか「しゃれこうべ」もご存知かな。いや中国語にも堪能なブレナン先生のことだから「髑髏」くらいは漢字で書けて当然かも。(私はちょっと自信ないな〜)

 取調べ場面も良かった。ブースの指示を受けながらとはいえ、あそこまで別人になりきるか〜! 潜入捜査の時もそうだったけど、ブレナン先生はなりきり方が半端ではない。そうか、小説を書くときもこんな風になりきってしまうのか! すごいっ。

 ところで、ゴードン・ゴードン先生の言う「片方は好意を自覚して日々葛藤している」というのは、2人のうちどちらなんだろう。普通に考えるとブースかな……。そう思わせておいて実はブレナン、という可能性もなくはないけど、ここは素直にブースの方がキャラが活きるような気がする。

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使用楽曲:

 何だかたくさんあるので、リンクは代表で最後の1つだけ。

  • "Turn to Dust" by Tondra Sou
  • "God of Anger" by Droid
  • "Choppah" by Jameson
  • "Better" by Blue Shoes (ラストで「ノディ・コメットの曲」として流れた曲)
2010-05-09
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