The Wire - Season 3, Episode 7

#32 Back Burners

"Conscience do cost." - Butchie

 ダニエルズはMCUの面々に、ターゲットがキンテルからストリンガーとマーロに変わったことを言い渡す。それまでキンテルの捜査を続けてきたシドノーやプレッズは不満気だった。ダニエルズはマクノルティが裏から手を回したことを見抜いており、ストリンガーを逮捕して捜査が終了したら、別の部署に異動するよう言い渡す。

 コルヴィン警視のフリーゾーン計画は、犯罪率低下という目に見える結果を生み始めてきたが、コルヴィンはまだ真相を明らかにするのは時期尚早と考えていた。

 カルケッティは証人が殺害されたことから、市長に対して証人保護プログラムを見直すよう進言していたが、その話が警視総監のバレルに伝わっていないことを知って怒る。だが、テレサはカルケッティが今行動を起しても選挙には役に立たず、逆に市長に挽回のチャンスを与えるだけだと忠告する。選挙が近い時点で別の証人が殺されるのを待つほうが、彼には有利に運ぶという判断であった。

 MCUは本格的に彼らの通信網を調べ始めるが、彼らが廃棄した電話機からわかるのは「過去のデータ」だけ。使われなくなったネットワークを相手に盗聴をしかけても意味はない。彼らは大量に電話機を買い、しかも足がつきにくいように何軒も店を回り少しずつ買い集めているのだった。

 バブズはTシャツを売りながら、夜のハムステルダムへ足を踏み入れる。そこは麻薬売買や売春のはびこる無法地帯と化していた。警察はもちろん黙認で、暴力沙汰が起こらない限りは介入しない。

 マクノルティは一計を案じ、職務質問の際に持ち物をあらため、ボディの持っている携帯電話をすりかえる。ボディは「ハムステルダムへ行く途中だったのに!」と言って抵抗、周囲にいた野次馬たちも「警察は嘘つきだ!」と騒ぎ始める。カーヴァーらが現場に駆けつけて事態収拾にあたり、マクノルティらはコルヴィンから「フリーゾーン計画」の概要を知らされて驚く。

 ともあれ、ボディの電話を得るという目的は達したため、フリーモンとプレッズはさっそくネットワークの解析を開始する。その電話にはスピードダイアルがプログラムされており、つまり支給される前に誰かがプログラムしたことを意味する。パールマンはさっそく盗聴許可を申請しようとするが、許可がおりて盗聴を開始した時には、すでにそのネットワークを廃棄して次に移っていることが予測されるため、今のところはできるだけ携帯電話を集めて彼らの動向を探る他はなかった。

 エイヴォンの襲撃を受けたマーロは、いったんストリートの「小売業」から手を引いて「卸売」に徹していたが、マーロの下にいるスヌープはバークスデイル組への復讐を進言。彼女はバイクで乗り付け、電撃的な襲撃でバークスデイル組のリコを射殺、一緒にいたプートは危うく難を逃れる。

 マクノルティらは、ハークの情報からエイヴォンが仮釈放されたことを知る。

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 冒頭のダニエルズが怖い〜〜。CSI:Miami のエピソードで初めて見かけたときからそうだったけど、この方は目に力がありすぎるんですもん。真剣に話す時は瞬きをしないから余計に怖い。ダニエルズが部下を「切り捨てる」って、これが初めてではないだろうか。以前のシーズンでのプレッズへの対し方や、アルコールにおぼれてろくに仕事をしない刑事に対しても手を差し伸べていたことを思うと、マクノルティへの怒りの強さが察せられる。

 それはともかく、これでやっと対バークスデイルの捜査が本格的に始動することになる。しかし盗聴による捜査を続けていくと、当然相手の組織側も素早く学習して対処していくわけで、それに対してさらに上を行く捜査方法の導入が必要になってくる。それまでのストーリーを確実に踏まえて、同じことを何度も繰り返さない所がすごいなぁ。

 コルヴィンは前回のエピでマクノルティの頼みを聞き入れていたけれど、ハムステルダムについては何も知らせていなかったわけね。しかし、ダニエルズのチームにバークスデイル組の捜査を命ずるというのは、当然彼らをウェスタン地区に引き入れるという結果を生むわけだ。コルヴィンの計画もいつまでも秘密にできるわけもないし、公になるのは時間の問題で、今はタイミングを計っているのだろうか。

 今回登場のスヌープ、マーロが "girl" と呼びかけなかったら女の子と気づかなかったかもしれない――が、何だかすごく印象の強い子だ。ヒットウーマンとしては、前シーズンに登場したブラザー・ムーゾーンと張り合いそうな感じ。今後も出演エピソードがあるようなので注目したいと思う。

2008-01-20
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