The Wire - Season 5, Episode 3

#53 Not for Attribution

"They're dead where it doesn't count." -- Fletcher

 マクノルティは徹夜で過去5年間のホームレス殺害事件を洗い出す。気にかける遺族も隣人もなく迷宮入りしていた事件と類似する証拠を捏造し、架空の「連続殺人事件」をでっち上げようというのだ。バレたら刑務所行きだとバンクは反対するが、マクノルティは聞く耳を持たない。バンクは「とにかく俺の名前は出すな」と釘を刺す。マクノルティは、被害者の手首に赤いリボンが巻かれている事件写真に目を留め、同じようなリボンを購入。同じように結び目を作り、適当に汚して証拠の封筒に入れ、コール刑事(故人)が担当した別の未解決事件ファイルに入れる。その後モルグへ行き、前日に発見された遺体に同じリボンを結ぶ。これで「3件の連続殺人」が出来上がった。

 ジューンバグの事件を取材した記者アルマ・グィティエレスは自分の記事が一面を大きく飾れると思っていたが、その記事は小さく下の方へ押しやられていた。サン紙の経営状態は思わしくなく、北京、エルサレム他海外支局が閉鎖され、編集部でも人員削減が言い渡される。

 検死官は、マクノルティ担当の遺体を「殺人」と判断。マクノルティは刑事部屋で、「赤いリボンの連続殺人」についてワザとらしく大声で話す。その後、本物の赤リボン事件を担当したバーロウ刑事がようやく事件のことを思い出すが、ランズマン巡査部長の反応は鈍い。マクノルティは次に、サン紙の警察担当アルマに事件の話を聞かせる。

 バレル警視総監は、犯罪の発生件数が一定であるという統計数値を市長に報告。しかし市長は、本当の数値をすでにヴァルチェックから得ていた。市長はバレルを更迭しようと考えるが、後任が白人のロールズでは市議会からの賛成が得られにくい。ダニエルズは警視正になってからまだ日が浅い。補佐官のウィルソンは旧知の仲のヘインズを呼び出して情報をリークし、反応を見ようとする。

 マーロはプロップ・ジョーから資金洗浄の方法を学び、海外の銀行に口座を開く。彼はセルゲイの仲介でヴォンダスに会い金を渡すが「この金は汚い。すべてジョーを通せ」と突っぱねられる。チーズは、ジョーに内緒で「ブッチーがオマーの居場所を知っているかも」という情報をクリスに流して報奨金を手にする。

 テンプルトンは「市議会の中枢」から得たとして、ダニエルズが以前からバレルに批判的だったという刺激的なコメントを発表。ダニエルズはサン紙に載ったコメントを見て「大嘘だ」と怒る。前妻のマーラは、その記事が事実でないことをバレルに告げるべきだと忠告。バレルはダニエルズの昔のスキャンダルを知っているからだ。

 クリスとスヌープはブッチーの店を襲撃し、拷問してオマーの居所を聞き出そうとするが、ブッチーは最後まで口を割らず、クリスはブッチーを射殺。

 バンクは何とかマクノルティを説得しようと、フリーモンを呼び出す。だがフリーモンは逆にマクノルティの話に興味を示し「注目を集めるには、単なる絞殺だけではだめだ、もっと邪悪でセンセーショナルな要素がなければ」と言い出す。バンクは呆れて手を引くが、フリーモンとマクノルティは相談を続け「もう一人被害者を出そう」と話し合う。

 海辺の小屋でのんびりと暮らしていたオマーは、ブッチーが殺されたことを知る。

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 オマーが登場すると「あぁ、これで役者が揃った」と実感する。だいたいどのシーズンでも2〜3話くらいで登場だよね。しかし今シーズンは随分と緊張感のない生活を送っていたのね。

 マクノルティは過去の未解決事件と自分の担当事件を結ぶ偽の証拠を捏造して、即席の連続殺人事件をでっち上げる。リボンを素手でぐちゃぐちゃにしたり、足で踏みつけたりしているのを見ると「ああ上皮細胞のDNAが〜カーペットの繊維が〜」とハラハラしてしまうのだが、そのへんCSI:Baltimoreはぜんぜん頼りにならなさそうなので大丈夫なのだろう。いや、彼らがダメだということではなく、事件に人材を割り当ててもらえないということだと思うのだけど、いいのか、こんなことで。

 マクノルティのこの計画、フリーモンが予想外に乗ってきたことで俄然、本格的になってしまった。ジミーだけだったら、結局不発に終わるか、すぐにバレていたような気がするのだが……マーロの捜査が打ち切られたことがよっぽど悔しかったのだろうというのはわかるのだけど、レスター! 本当にいいのかそれで!

 テンプルトンは今回のコメントも捏造だよね……。そんなに捏造ばっかりしていると、そのうちに取材できなくなって捏造しないと記事が書けなくなってしまうよ。サン紙もテンプルトンもそれでいいのか! 今回こればっかりだけど、本当に各方面に「それでいいのか!」と言いたくなることばかりのエピソードだった。

2008-11-10
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