2016年に鑑賞した展覧会 ベスト10

投稿者: | 2016-12-27

2016年 展覧会ベスト10

毎年恒例、今年鑑賞した展覧会のベスト10を発表したいと思います。

あなたが選ぶ展覧会」の方も、迷いに迷った末投票完了。以下の10展のうち、候補になっている9展の中からひとつ選びました。

マイベスト10は以下のとおり。順位は敢えてつけず、ざっくり見た順に記載しています……いるはずです。最後まで悩んであれこれ入れ替えていたので、その過程で前後しちゃっているかもしれませんが。

■ 初期浮世絵―版の力・筆の力― (千葉市美術館)

大抵の浮世絵展では冒頭で「プロローグ」的に少し展示されている時代の作品群がメイン。墨摺り絵・丹絵などが多く、色彩的には「全体に茶色っぽい」印象がありましたがが、手彩色や肉筆画も多く、この時代もこんなに色々な作品があったんだ! と、認識を新たにしました。ここで初めて名前を知った絵師も多かったし、懐月堂の独特の立ち姿は量産に適した図案化だった、という解説も面白かったと思います。

■ ジョルジョ・モランディ 終わりなき変奏 (東京ステーションギャラリー)

展示作品リストを見ると、作品タイトルが「静物」「静物」「静物」「静物」「静物」……。似たような作品ばかり、というか同じボトルや置物などを少しずつ位置を変えて描いている作品が大半なのですが、なぜか見ていて飽きないんですよね。美術館で観賞するような絵を「欲しい」と思うことはめったにありませんが、モランディの作品は家に飾ってみたい気がします。

■ はじまり、美の饗宴展―すばらしき大原美術館コレクション (国立新美術館)

前にも書きましたが、生まれて初めて訪れた美術館がこの大原美術館だったので。個人的な思い出でベストテン入りしてもらいました。

■ ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞 (Bunkamuraザ・ミュージアム)

初めて見る作品がこんなにたくさん(特に国貞)! って感じで、驚くとともに焦りました。まだ見ていない作品どれだけあるんだろう! 状態もすごく良いものが揃っていて、幕末(比較的新しい時代)とはいえ本当に江戸時代の物なんですか!?? と、驚きと興奮の連続でした。摺りの状態の良さなら、サントリーの「広重ビビッド」も負けていませんが、目にすることの少ない「摺物」が多かったという点で、こちらを選びました。

■ 没後40年 高島野十郎展 (目黒区美術館)

静物画のリアルな質感、風景の美しさ、ロウソクの炎のきらめき、天体の星の輝きと夜の闇の深さ。作品の素晴らしさはもちろんですが、絵の具の扱いや描線の効果などを、ものすごく精密に分析した解説がこれまたすごかった。

■ カラヴァッジョ展 (国立西洋美術館)

何といっても《エマオの晩餐》が素晴らしかったですね! それに、タイトルを「カラヴァッジョとカラヴァジェスキ」としても良いくらい、後進の画家に与えた影響の強さも興味深かったと思います。

■ 美の祝典 (出光美術館)

開館50周年記念展覧会で、《伴大納言絵巻》が三巻すべて公開されました。3部構成でまとめてひとつの展覧会と数えていますが、3部のうちどれかひとつ、と言われたら第3部の「江戸絵画の華やぎ」を選びます。《江戸名所図屏風》がとても面白かったので。他にも、《風神雷神図屏風》や《美人更衣図》など、素晴らしい作品がいくつもありました。

■ オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展 (国立新美術館)

とにかく、役者が豪華! 《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》《田舎のダンス》《都会のダンス》がメインで扱われていた感じですが、普段の展覧会なら十分に「主役」を張れるだけの有名作品がこれでもか、これでもかと並んでいて圧倒されました。でも気に入ったのは最初の方にあった風景画です。

■ 鈴木其一 江戸琳派の旗手 (サントリー美術館)

琳派展ではかならずといって良いほどお目にかかる其一さんですが、メインで見るのは初めて。今まで其一の作品は花や鳥を描いた小品が好きで、屏風などの大作には正直あまり好きなのがありませんでした。でも《朝顔図屏風》はすごいですね! これだけで其一の印象がかなり変わった気がします。この作品の、朝顔のツルの形が《風神雷神図襖》の雲の形に呼応しているという指摘にはびっくりでした。

■ 藤田嗣治展―東と西を結ぶ絵画 (府中市美術館)

以前にも書きましたが、戦争画の「三幅対」に衝撃を受けたので。展示の仕方でこれだけ印象が変わるってすごいです。でも好きなのはパリ時代の《バラ》。これは部屋に飾って毎日見ていても良いくらいですね~。戦争画は、これはこれですごい作品だと思いますが、見るのは年に1回ぐらいが限界。

以下、次点の皆さん方。

  • シリアルキラー展 (ヴァニラ画廊)
  • 英国の夢 ラファエル前派展 (Bunkamuraザ・ミュージアム)
  • ボッティチェリ展 (東京都美術館)
  • メアリー・カサット展 (横浜美術館)
  • 広重ビビッド (サントリー美術館)
  • 円山応挙「写生」を超えて (根津美術館)

シリアルキラー展は、たぶん他の誰も選ばないんじゃないかな、という理由でベストテンに入れたかったのですが、素晴らしい展覧会が多すぎてやはり「席が足りない」ってな感じで次点に退いていただきました。作品として好きか、と問われるとちょっと困ってしまいますが、しかし印象深い展覧会だったのは確かです。