太田記念美術館「お笑い江戸名所~歌川広景の全貌」

投稿者: | 2017-01-24

お笑い江戸名所~歌川広景の全貌(公式サイト)

お笑い江戸名所

歌川広景(ひろかげ)。広重の門人であると思われるものの、現存する作品数が少なく、どのような絵師だったのか詳細がわからないという謎の絵師です。

ということで、スライドトーク(解説)の日を狙って行きました。ここは作品を前にしたギャラリートークではなく、地下の1室を使った講義形式のスライドトークなのです(展示室があまり広くないせいでしょうか)。トークはいつも盛況ですが、今回は特に混んでいて、立ち見の方もおられました。やはり、知られざる絵師・広景ということで、解説を聞きたい方が多かったのでしょうね。

当然ながら初めて見る作品が大半でしたが、「江戸名所道戯尽」の中の雷神と河童、狐に化かされるの図、それと《青物魚軍勢大合戦之図》は見覚えがありました。たしか「笑う浮世絵」展で見たんだったな~と思ってサイトを見たら、2013年の展覧会だったのですね! あれからもう3年以上経ってしまったのか……。

以下、太田記念美術館さんの公式Twitterを引用させていただきます。

サイトの解説にもありますが、とにかくやたらズッコケています。ただ転んでるだけじゃなくて、転んだ拍子にゲタが飛んで行って別の人を直撃したりという状況全体が面白い。縁台に腰掛けたら壊れてズデッ、なんてまるでドリフですよ。昔からお笑いってこうなんだなぁと、見ながらクスクス笑ってしまいました。

残念ながら残っている作品数が少なく、またどのような人生だったのかもほとんどわかっていないそうです。名前や落款が似ているので、広重の門人だろうと言われていますが、それも確かな根拠はないのだとか。無名の絵師は大勢いるのでしょうけど、「江戸名所道戯尽」のように50点ものシリーズ作品を手掛けながら、その他の画業がほとんど不明、というケースは珍しいですよね。異例なことだと学芸員さんも仰っていました。広重先生も、端正な名所絵や花鳥画を描く一方で、戯画はかなりのアホ絵(←ほめてます)なので、その傾向を受け継いだお弟子さんなのでしょうか。

広重や北斎の作品をパロディにした作品も多い。ほとんどは、真面目な名所絵にヒネリをきかせて笑いを加えているのですが、下記《御茶の水の釣人》などは、あまりにもそのまんますぎて、江戸時代は良かったのでしょうけど、それにしてもこれはどうなんだろう……という感じですね。

それから、広景さん単独の作品ではなく、国貞(三代豊国)との合作で背景を担当したシリーズ作品もありました。で、これらの作品がすごく豪華で、それまでとは別の意味でまじまじと見入ってしまいました。広景シリーズと比べると、色数も多いし彫りの細かさも摺りの技術も全然違っています。国貞といえば当時の浮世絵界のトップにいた大御所ですからねぇ、やっぱり違うわ~製作費かけてるわ~とか思ってしまいました。

1月29日まで。