最近鑑賞した展覧会:源氏、春日大社、ヴェネツィア派

投稿者: | 2017-01-30

1月に鑑賞したその他の展覧会の感想です。

本当は個別にアップしたかったのですが時間がなくて……でも来月まで持ち越したくないので3つまとめます。3つとも良かったので、詳しく書いていくとキリがなくなりそうですが。


岩佐又兵衛と源氏絵(出光美術館)

昨年、福井で岩佐又兵衛展がありましたが、これは本当に「行けばよかった」と後悔した展覧会でした。

こちらは、又兵衛というより「源氏絵の変遷を探る」展覧会という印象。作品としては「伝・岩佐又兵衛」が多く(特に屏風)それほど又兵衛又兵衛してはいなかったように思います。それよりも、又兵衛の源氏絵がいかに斬新で、それが当時の画壇にどのような影響を与えたかということを重視した構成になっていました。

行った時にたまたまギャラリートークに遭遇したので説明を聞きましたが、やはり聞いておいて良かったです。聞いていなかったら「なにこれ、『伝』の方が多いの!?」と物足りなく思ってしまったかも。土佐派のオーソドックスな源氏絵が、場面全体を端正に描いていたのに対し、又兵衛は1人の人物、1つのモチーフに注目してそれを大きく取り上げており、また時間軸を少しずらしてクライマックスに至る直前の場面を描く、という緊張感が当時ひじょうに斬新だったようです。

源氏物語については、展示室の中に解説パネルがあり、あらすじがダイジェストで書かれていました。時間がなくて解説パネルはほとんど見ていませんが、やはりストーリーを頭に入れておかないと、場面の描写もピンとこない感じですよね。ちゃんと予習してから行けばよかった!

2月5日まで。

  • 作品リスト(PDF)※会期終了後は差し替えられると思います)

春日大社 千年の至宝(東京国立博物館)

特設サイト: http://kasuga2017.jp/

東博の特別展。チラシを見た瞬間「これは混む!」という予感がしたので、早めに行って来ました。27日の時点では混雑はそれほどでもなく、いちばん見たかった春日権現験記絵(絵巻)も、しっかり見られました。原本(巻二十)と模本が何種類か。修復されたばかりの原本の美しさに驚きました。絵巻は会場内のあちこちに分散して展示されていましたが、これは混雑防止のためでしょうか。絵巻は観るのに時間がかかるし、展示位置が低くなるので一番前に行かないとしっかり見えないしで、とにかく混雑の元(でも見たい)ですね。

他には、春日大社といえば……の鹿モチーフ作品の数々、曼荼羅、そして大量の国宝。また、展示会場内に本殿が再現されたり巨大な鼉太鼓(だだいこ)の複製があったりして、現物のサイズ感が実感できました。最後は昨年の式年造替で撤下された獅子・狛犬。今まで「一対の狛犬」だと思っていましたが、正しくは向かって右側が獅子、左側が狛犬であって、獅子は角がなく狛犬には角があるのだそうです。知らなかった!

特設サイトに展示作品リストが上がっていますが、週単位で展示替えがあって、どのタイミングで何度行けばコンプできるのかよくわかりません。2月12日までと14日以降で替わる作品が多いので、これを境目に「前期」「後期」だと思えば良いのかな。3月に年間パスポートを買う予定(値上がりする前に!)なので、その頃にもう一度くらい行きたいですが……3月だと混んじゃうかな。

3月12日まで。


ティツィアーノとヴェネツィア派展(東京都美術館)

特設サイト: http://titian2017.jp/

Flora

日伊国交樹立150周年記念で、昨年からイタリア絵画の展覧会がいくつも開催されていますが、これもその一環。ヴェネツィア・ルネサンス絵画は、昨年国立新美術館でも開かれていましたが、今回は「ティッつぁん」ことティツィアーノを中心に、ヴェネツィア絵画の特徴やフェレンツェ派との違いなどがよくわかる構成になっていました。ヴェネツィアで油彩画が広まったのは、湿度の高い気候にフレスコ画が不向きだったためであるとか、素描を重視するフィレンツェ派に対してヴェネツィア派は色彩重視とか、いろいろ勉強になりました。

ティッつぁんの作品は「~と工房」も合わせて7点。近所の西洋美術館から《洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ》が出張してきていました。西美で何度も見た作品ですが、今回ちょっと違う展示空間にくると違った感じに見えてきますね。ライティングの影響か、それとも展示空間や隣の作品の影響なのか……。

作品の中ではやはり、メインビジュアルを務める《フローラ》が良かったです。お肌は輝くように美しいし、左肩にかかる髪や衣服の質感も素晴らしいと思いました。上にあげた画像は記念撮影コーナーにあったパネルですが、このコーナーも期間によって作品が入れ替わるらしいです。