9月に鑑賞した展覧会

投稿者: | 2017-11-03

9月に鑑賞した展覧会を振り返ります。

月岡芳年 月百姿(太田記念美術館)

この美術館では、芳年を含めた明治の浮世絵も時々特集されていますが、芳年の作品ばかりこれだけ集めた展覧会は、5年前(没後120年にあたる2012年)の回顧展以来ではないでしょうか。前月の「妖怪百物語」に続く「月百姿」は、月に関連する物語にちなむ作品が集められています。月という統一テーマはあるものの、描かれている素材は美人・武者・妖怪などさまざま。

ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信(千葉市美術館)

錦絵(多色摺り木版画)創成期の絵師として、浮世絵の歴史を振り返る的な文脈では重要な役割を果たしている春信ですが、これだけ大量にまとめて見たのは初めて。残っている作品が少ないため、物理的に難しいのでしょう。展覧会で見ても、悲しいほど色が褪せていることが多いですよね(仕方ないことではあるのですが…)。

しかし、さすがはボストン美術館です! 保存状態が素晴らしく良くて、質・量ともに充実していました。充実しすぎていて、一巡しただけでクタクタです。千葉までは遠いし、まる1日かかりましたが、いやいや素晴らしかった。

生誕150年記念 藤島武二展(練馬区立美術館)

前月の吉田博に続いて、明治期に洋画を学んだ日本人画家・藤島武二の展覧会です。藤島の方が少し年上ですが、活動した時代がほぼ同じなので、当時の画壇の事情などを思い出しながら鑑賞してきました。明治期に欧米に学び、大正から昭和初期にアジアへ向かう、という方向性が共通していますが、それは当時の日本の政治や社会とも連動しているのですね。そういう時代感を感じさせられました。

藤島武二といえば、何年か前にブリヂストン美術館で開催された「描かれたチャイナドレス」展で見た作品の印象が強いのですが、その展覧会がきっかけで読んだ本がありました。


お葉というモデルがいた―夢二、晴雨、武二が描いた女

モデルを務めたお葉さんこと佐々木カネヨの伝記です。ここに描かれる武二は温厚で面倒見の良い紳士なのですが、夢二はサイテー(笑)。作品と人格は別だから、と自分に言い聞かせながら読みました。

■ 江戸の琳派芸術(出光美術館

なぜかInstagramに上げていないので、代わりにチラシ画像で。美術館ではいつも記念に看板やポスターを撮影しているのですが、出光はそういう撮影に適した場所がないんですよねぇ。

それはともかく、内容はすごかった! 江戸琳派ですから、抱一と其一が中心。風神雷神、八ッ橋図をはじめとして屏風の大作が、もうこれでもかという感じにいくつも出て来て圧倒されました。宗達・光琳から江戸琳派への流れという時間軸と、抱一の時代の江戸の才人たちの交流関係という横軸でバランス良く紹介されている感じでわかりやすかったと思います。