鑑賞:損保ジャパン日本興亜美術館「FACE展2018」

投稿者: | 2018-03-25

先月お知らせした、損保ジャパン日本興亜美術館の「FACE展2018」に行って来ました。FACE展はこの美術館が主催する公募コンクールで、毎年700~1000名前後の応募があるようです(今年は970名)。そこから何段階もの審査を経て、受賞作品9点を含む71点が、この展覧会に展示されています。

会期などの展覧会の詳細については、公式サイトか前回の告知記事をご覧ください。

お知らせ:損保ジャパン日本興亜美術館「FACE展2018」

このFACE展は6回目とのことですが、実は今年初めて鑑賞しました。公募展なので当たり前ですが知らない作家さんばかりだし、テーマも技法もバラバラなので正直「ピンとこない」感じだったのですよね。しかも会期は短いしいつも年度末だし。今年も、告知キャンペーンがなかったらスルーしている所でした(すいません!)。

でも今回、来てみて良かったなぁと思います。以前にこの美術館のコレクション展を拝見した時にも、FACE展で受賞した印象深い作品があったことを思い出します。また新しい作品や、今まで関心のなかった分野の作品に出会えたのも良かったですね。

「オーディエンス賞」にももちろん応募しました!(後述)

以下、印象に残った作品をいくつか写真でご紹介します(今回、収蔵品コーナー以外は撮影OKです)。並び順は作品リストの掲載順(受賞作品以外は氏名の50音順)です。


上田葉介《ぶつかり合う風の形》(向かって左)
佐藤凱《網》(同右)

受賞作品の中ではこの2つがお気に入り(どちらも審査員特別賞)。《網》は髪やニットの質感表現が、《ぶつかり合う風の形》は色と形の力強さが良いと思いました。


石崎百合子《TSUNAGU-mono》

がらんとした室内と、開け放たれた扉から続く裏庭。誰もいないのに人の気配がするような、気配はするのに誰もいないような、不思議な懐かしさを感じさせます。


小谷里奈《そこにある》

日本画。近づいて見て、点描の細かさにびっくり!


羽賀洋子《色奏 – 影映 17-5》

色使いがきれいですね。どれか1枚、部屋に飾るとしたらこれを選びたい。タイトルの「17-5」が何の数値なのか気になります。


蜂谷真須美《歩》

オーディエンス賞に投票しようかどうしようか、最後まで迷った作品。気持ちよさそうな散歩道――と思ったら、歩いている人影が。それも透明! この2人は幽霊なのか幻影なのか。のどかな気分から不意に別次元に「落とされる」感のあった作品でした。


藤澤洸平《It’s only drawing, but l like it!》

怪獣? と思って近づいてみると、身体には植物がびっしりと細かく描き込まれています。インパクト大。


山内晃世《実の現象》

オーディエンス賞はこの作品に投票しました! この作品を最後に持ってきたのは50音順でそうなっただけなのですが、うまいぐあいに「トリ」を飾る形になりました。

先に「テーマも技法もバラバラ」と書きましたが、こうして見てみると、私の印象に残った作品には、「細部の描き込み」「写実的な描写と非現実性」「装飾的な美しさ」といった要素があるように思います。その要素を最も多く備えているのが、この《実の現象》なんじゃないかなぁ、と思ったのが投票理由です。

オーディエンス賞、発表はいつでしょうか。4月上旬ぐらいかな。