パナソニック汐留ミュージアム「ジョルジュ・ブラック展」

投稿者: | 2018-05-08

新橋にあるパナソニック汐留ミュージアムで開催中の「ジョルジュ・ブラック展絵画から立体への変容 ―メタモルフォーシス」展のプレス内覧会に、ブロガー枠で参加させていただきました。主催者・運営者の皆様ありがとうございました!

ジョルジュ・ブラックというとピカソとともにキュビスムを確立した画家として有名ですが、今回の展覧会は晩年に手掛けた立体作品「メタモルフォーシス」シリーズが中心。この時期の立体作品(装飾工芸品)をメインに扱う展覧会は本邦初とのことです。

内覧会の冒頭に、館長さんのお話とそれに続くギャラリートークで見どころや構成を説明していただきました(会場内の写真は特別に許可を得て撮影・掲載しています)。

構成は、まず初期の作品から。最初期の風景画や、「いかにもブラックらしい」(と私が考える)キュビスム絵画作品があります。メインテーマでないとはいえ、ここの作品も、絵の具に砂を混ぜた独特のマチエールや木目の表現など注目点がいくつかあります。

次の第1章は平面作品。グワッシュ(水彩)やリトグラフ作品で、実はこれらが2章以降の立体作品の下絵になっています。絵の余白に何やら書き込みがありますが、これはブラックの直筆で、この下絵を立体作品に加工することを許可するというようなことが書かれており、契約書のようなものだそうです。

同じモチーフが何度も繰り返して使われているので、最後まで見ると、その後またこの章に戻って来たくなります。神話のモチーフが多く、ヘカテなど女神の横顔やアイグレー(鳥)、ペルセポネなどが印象的です。

下絵とはいえ、金箔などが使われていて作品としても豪華。

2章以降は立体作品で、「2章 陶器」「3章 ジュエリー」「4章 彫刻」「5章 室内装飾」というカテゴリーに分かれています。中でも中心部分を占めており作品点数も多いのが3章のジュエリーです。

女神の頭部を表した《キルケ》は、立体として「変容(メタモルフォーシス)」した最初の作品で、モチーフとしてもひじょうに重要です。ブラックは、このモチーフが頭から離れないため、「自分の手で触れるように」立体作品にしてほしいと宝石職人に依頼したのだそうです。これらのジェリー作品は、当時フランスの文化大臣だったアンドレ・マルローから「ブラック芸術の最高峰」と賞賛されました。

ただ私個人の趣味でいうと、好きなのはやはり平面的な作品や大きめの作品ですね。ジュエリーはきれいですが、ガラスケースごしに鑑賞すると少々疲れます(物が小さいので、どうしても視神経を集中させなければいけないような気がします)。それにジュエリーはやはり、手に取ったり身に着けたりする方が楽しいのじゃないでしょうか(これは絵画でいうと絵巻に通じる話かも)。

立体作品の中では、彫刻と室内装飾が面白かったと思います。

室内装飾はモザイク、パネル、ステンドグラス、タピスリー。

ジョルジュ・ブラック展7

ステンドグラスは「ジェマイユ」という1950年代の技法で制作されているとのこと。ジェマイユは「ジェム(宝石)」と「エマイユ(七宝)」を合わせた言葉です。

ジョルジュ・ブラック展8

彫刻作品では、まずアメジストをふんだんに使った《グラウコス》。やはり誕生石ですから(笑)。

そしてガラス彫刻。これらの彫刻作品は、ブラックの没後40年以上を経た2007年の制作です。作品の「変容」が時代を超えて続いていることを実感させられます。

照明の当て方で独特の雰囲気が出ていますよね。何せパナソニックの美術館ですから、照明にぬかりはありません。

パナソニックの技術といえば、床にも注目。美術館に行って床を見ることってあまりないですが、「スペースプレーヤー」なる新兵器(違)で、動く映像が床に投影されています!

また、壁に投影されたプロジェクターの映像も美しいです。

この日は時間がなくて寄れませんでしたが、1階のショウルームでは展覧会と連動してブラックのポストカードや絵がインテリアに使われており、実験的な照明もあるとのことです。

会期は6月24日まで。ここは水曜日が休館なのでご注意ください。


ジョルジュ・ブラック展絵画から立体への変容 ―メタモルフォーシス

  • 開館期間:2018年4月28日(土)~6月24日(日)
  • 開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
  • 休館日:水曜日(ただし5月2日は開館)
  • 入館料
    一般:1000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円 小学生以下無料
    20名以上の団体は100円割引。障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。5月18日(金)国際博物館の日は、すべての方が入館無料です
  • 主催:パナソニック 汐留ミュージアム、朝日新聞社
  • 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、公益社団法人日本ジュエリーデザイナー協会、 一般社団法人日本ジュエリー協会、 港区教育委員会
  • 企画協力:ホワイトインターナショナル